【沖縄市議選2026・市議は何をしてきた?②】千葉綾子市議の4年間を徹底検証 一般質問・教育・いじめ重大事態・政務活動費、実績と課題【完全版】

2026年9月13日に投開票される沖縄市議会議員選挙。

選挙を前に週刊TAKAPIが検証するのは、候補者がこれから何を「やりたい」と話しているかだけではない。

現職議員は、この4年間で実際に何をしてきたのか。

一般質問では何を取り上げたのか。

一度質問して終わったのか、それとも行政の答弁を追い続けたのか。

市民の税金を原資とする政務活動費は何に使われたのか。

そして、議会での質問は実際の政策改善につながったのか。

「沖縄市議は何をしてきた?」第2回は、日本共産党の千葉綾子市議を取り上げる。

千葉氏の現在の議会活動を追うと、教育、子どもの権利、いじめ、障害福祉、高齢者福祉、PFAS、基地問題、平和行政など、明確な重点分野が見えてくる。

特に近年目立つのが、

学校・教育委員会の説明責任

への追及だ。

いじめ重大事態の判断基準。

保護者への情報提供。

不適切な指導を防止するマニュアル。

学校文書の保存・廃棄。

特別支援教育。

そして「議会では配布したと答弁したマニュアルが、公文書開示では不存在とされた」とする問題まで取り上げている。 

一方、質問回数や追及の強さだけで議員を評価することもできない。

その質問で何が変わったのか。

ここまで見る必要がある。


千葉綾子市議とは

千葉綾子氏は1968年10月生まれ。日本共産党所属の沖縄市議で、2026年8月現在、市民経済委員会に所属するほか、基地に関する調査特別委員会でも活動している。日本共産党側の2026年選挙資料では「市議2期」とされ、9月13日の沖縄市議選への立候補予定者として公表されている。 

千葉氏が初めて沖縄市議会へ入ったのは2014年。

新人として1334票を獲得し初当選した。 

しかし2018年市議選では1132票で次点。

当選ラインとなった前宮美津子氏の1178票との差は46票だった。 

その後再び議席へ戻り、現在は2期目を務めている。

つまり、今回検証する2022年以降の4年間は、単なる新人議員としての4年間ではない。

一度議席を失った経験を経て、再び市議会へ戻ってからの4年間

でもある。


2022年 PFAS・重度障害者・子どもの居場所

現在の任期が始まった直後から、千葉氏の質問には比較的はっきりとした特徴が出ている。

2022年12月定例会ではPFAS汚染を取り上げ、基地内の汚染について米軍側による浄化や基地内調査を求めるべきではないかと市側へ質問した。

同じ議会では重度訪問介護、北美小学校区の児童館建設なども扱っている。 

つまり千葉氏の質問は、現在注目されている教育問題だけに限定されていない。

福祉、子ども、基地・環境

が初期から大きな柱になっている。


教育問題は2025年になって突然始まったのではない

千葉氏の教育行政への関心で重要なのは、最近いじめ問題が表面化したから突然取り上げ始めたわけではない点だ。

本人は2025年12月の一般質問通告書で、不適切な指導を防止するマニュアル策定について、

「2023年度から取り上げている」

と説明している。 

これは議員評価ではかなり重要だ。

選挙直前だけ問題を取り上げるのと、数年間継続して追うのでは意味が違う。


高齢者・福祉分野にも継続して質問

2024年には高齢者福祉などを一般質問で取り上げていることが、市議会だよりから確認できる。

また、市議会活動では社会福祉協議会、小中学校の補助教材なども質問テーマとなっている。 

千葉氏の政策分野を大きく分けると、

教育・子ども

福祉

基地・平和

の3本がかなり太い。

道路や大型開発中心の市議とは、質問テーマの性格がはっきり違う。


2025年 特別支援教育をかなり細かく質問

2025年9月定例会では、特別支援教育について具体的な数字を市教育委員会へ求めた。

特別支援学級に在籍する児童生徒数。

全児童・生徒に占める割合。

交流学級。

特別支援教育補助者を必要とする児童生徒数。

補助者の配置計画と実際の配置状況。

さらに、うるま市、宜野湾市、浦添市、那覇市との比較や、補助者の勤務時間、給与、社会保険、駐車料金、長期休暇中の勤務まで質問している。 

ここは千葉氏の質問スタイルがよく表れている。

「支援を充実してください」

だけではない。

必要人数に対して実際に何人配置されているのか。

他市と比較してどうなのか。

働く側の待遇はどうなっているのか。

まで具体的に聞いている。


そして「いじめ防止対策推進法」へ

同じ2025年9月定例会。

千葉氏は教育行政の中で、いじめについてかなり踏み込んだ質問を行った。

まず、学校がどのような方法と頻度でいじめを早期発見しているのか。

その結果を誰が共有し、どう分析しているのか。

そして重大事態について、

過去3年間に市内学校から何件の報告があったのか。

どのような調査・対応を行ったのか。

重大事態の判断基準はどこに定められているのか。

さらに、いじめが確認された場合の保護者への情報提供・説明について、

「その手順は沖縄市内全校で統一されているのか」

まで質問している。 

ここはかなり重要だ。


「いじめが何件あるか」だけでは終わらなかった

いじめ問題の議会質問では、

「今年はいじめが何件ありましたか」

という件数確認で終わることもある。

千葉氏の質問は違う。

注目しているのは、

行政の仕組み

だ。

どう発見するのか。

誰が共有するのか。

誰が重大事態と判断するのか。

保護者にどう説明するのか。

学校によって対応に差がないか。

これは、いじめ問題を単発の学校トラブルではなく、

教育行政のガバナンス問題

として扱う質問になっている。


「市内全校で統一されているのか」は重い質問

同じ沖縄市立学校なのに、

A校では保護者へ書面で説明する。

B校では口頭だけ。

C校では重大事態として調査する。

D校では調査しない。

このような学校差が生じれば、児童生徒や保護者の行政への信頼に直接影響する。

だから千葉氏が、

「説明の基準・手順は市内全校で統一されているのか」

と尋ねた意味は大きい。 


さらに「マニュアル不存在」問題へ

千葉氏の追及は、そこで終わっていない。

2025年末の一般質問では、市教育委員会が以前の議会で、

不適切な指導防止に関する資料を2025年2月に市立小中学校へ配布した

との趣旨で答弁した一方、保護者による公文書開示請求では、そのマニュアルが「不存在」と回答されたとして、その食い違いを質問した。 

千葉氏は、

議会で「配布した」と説明した文書がなぜ不存在になるのか。

実際にいつ、どの文書を学校へ配布したのか。

市教育委員会に説明を求めている。 


生徒指導マニュアルは実際に使われているのか

さらに千葉氏は、市内小中学校へ配布されたとされる「児童生徒一人一人を大切にした生徒指導の在り方について」という資料について、

学校現場でどのように活用されているのか

も質問している。

資料には不適切な指導の例や体罰防止の自己点検票が含まれるとして、実際に活用されているのかを確認。

さらに、

通常の生徒指導マニュアルと「不適切な指導防止マニュアル」を分けられないか

とも提案している。 

制度を作ったかではなく、

現場で使われているか

を見ようとしている点は評価できる。


2026年には「学校文書の廃棄」まで踏み込む

2026年の一般質問では、教育委員会の説明責任と文書管理をさらに掘り下げた。

県教育委員会から沖縄市に対して照会があったのか。

市はその照会をどう受け止め、説明・調査・是正という責務をどう整理しているのか。

そして、

学校文書の保存期限。

不要と判断すれば廃棄できるのか。

児童生徒へのアンケートを学校の裁量だけで廃棄できるのか。

公文書としてどのように扱うのか。

を質問している。 

ここまで来ると、単なる「いじめ対策」ではない。

学校・教育委員会の記録管理と説明責任そのもの

を追っている。


千葉氏の強み①「問題を継続して追う」

千葉氏の4年間を見る中で、最も評価しやすいポイントはここだ。

2023年度から不適切指導防止マニュアル。

2025年にはいじめ早期発見、重大事態、保護者説明。

その後、マニュアルの不存在問題。

さらに2026年には学校文書の保存・廃棄へ。

一つの質問をして終わるのではなく、

前の答弁を材料に次の質問へ進んでいる。 

これは議会による行政監視として重要な姿勢だ。


福祉でも「前回の答弁」を追う

同様の傾向は福祉政策にもある。

千葉氏は福祉避難所について、以前の一般質問で市側が「調査研究する」と答弁した内容について、その後の進捗を改めて質問。

小学校区に1か所以上の福祉避難所を設ける考えや、市内小中学校を指定する可能性などを聞いている。 

つまり、

「検討します」と言われたら数年後に忘れる

のではなく、

「あの検討はどうなったのか」

と再び聞くタイプの議員であることが分かる。


全島エイサーまつりでは市側の手続きを追及

教育・福祉だけではない。

第70回沖縄全島エイサーまつりを巡っては、自衛隊の出演決定過程について、市側の説明や決裁文書を基に繰り返し質問している。

実行委員による決裁がどの範囲を対象としていたのか。

出演を希望していなかった団体へ、なぜ市側から出演を依頼したのか。

副市長の過去の答弁と公開された文書が整合しているのか。

など、行政手続きの透明性を問題にした。 

ただし、この問題については千葉氏自身の平和・安全保障政策上の立場も強く表れている。


基地・安全保障では明確な政治的立場

千葉氏は日本共産党所属であり、基地・安全保障では立場が明確だ。

2022年にはPFASと米軍基地内調査。

2025~26年には米軍憲兵隊による夜間パトロールや、自衛隊配備、南西諸島の安全保障政策などを取り上げている。 

これは支持者から見れば、

「基地問題を一貫して追及している」

と評価できる。

一方、批判的な立場から見れば、

「安全保障分野では党の政策・政治的主張が前面に出すぎているのではないか」

という評価もあり得る。

重要なのは、党派そのものではなく、その質問によって沖縄市民の行政課題をどこまで具体的に明らかにできたかだ。


では、政務活動費はいくら使ったのか

ここからは税金の使い方を見る。

沖縄市の政務活動費は議員個人ではなく会派に交付される制度で、現在は所属議員1人当たり月6万円を基準に算出される。したがって、以下の数字を「千葉綾子氏が個人的に使った政務活動費」と表現するのは誤りだ。

千葉氏が所属する日本共産党会派は、現在、前宮美津子氏と千葉綾子氏の2人で構成されている。 

日本共産党会派の政務活動費


沖縄市が公開した収支報告書を週刊TAKAPIが集計

4期間の交付総額は、

396万円。

このうち実際に政務活動費として充当したのは、

140万3429円。

未使用として返還された額は、

255万6571円。

執行率にすると約35.4%となる。

つまり、日本共産党会派は交付された政務活動費の半分以上を使わず返還していることになる。


何に使った?

4期間を用途別に集計すると、

最も多かったのは研修費約65万2620円

次いで調査研究費約51万4440円

資料購入費約12万1360円。

資料作成費約8万4693円。

事務所費約2万3036円。

広報費は7280円だった。

4年間全体を見る限り、知花圭氏所属会派で大きかった「広報費」とはかなり違う支出構造になっている。

これは今後の市議比較でかなり面白いデータになる。


「使わない=優秀」とも限らない

政務活動費を約256万円返還した。

これだけを見ると、

「税金を節約した」

とも評価できる。

しかし、単純ではない。

政務活動費は議員・会派が政策調査、研修、資料購入などを行い、議会活動の質を高めるための制度でもある。

だから、

使えば悪い

でも、

使わなければ良い

でもない。

必要な調査を十分に行った上で余ったのか。

本来必要な調査まで控えていたのか。

研修費として何を学び、それがどの一般質問につながったのか。

ここまで見なければ本当の評価はできない。


批判・課題①「追及」は強いが「成果」はどこにある?

千葉氏の一般質問を読むと、市教育委員会や行政答弁をかなり細かく追う姿勢は確認できる。

しかし、

追及したことと、政策を変えたことは別だ。

マニュアルを質問した。

その後、学校現場はどう変わったのか。

特別支援教育補助者を質問した。

配置人数や待遇は改善したのか。

いじめ重大事態を質問した。

市内全校で説明手順は統一されたのか。

学校文書の保存を質問した。

保存ルールは見直されたのか。

次の選挙では、

「私はこれだけ質問した」ではなく「その結果これを変えた」

まで示せるかが問われる。


批判・課題② 党派性の強い質問とのバランス

千葉氏は教育・福祉だけでなく、基地、自衛隊、平和行政についても多く質問している。

これは千葉氏の政治理念として一貫している。

ただ、沖縄市議は国会議員ではない。

道路。

学校。

福祉。

住宅。

地域交通。

経済。

行政サービス。

といった市政課題も担う。

安全保障・基地問題への質問と、

日常生活に直結する市政課題とのバランス

を有権者がどう評価するかは一つのポイントになる。


批判・課題③ 政務活動費と質問を結び付けて説明できるか

日本共産党会派では4期間で約140万円を政務活動費として使った。

最大項目は研修費、次いで調査研究費だ。

ならば、

どの研修が、どの政策につながったのか。

どの調査が、どの一般質問につながったのか。

これを市民へ示せれば、税金の使途はより分かりやすくなる。

公開された収支一覧だけでは、千葉氏本人の支出額や個々の研修内容まで分離できない。

ここは会派側から積極的に説明してもいい部分だ。


千葉氏の強みは「答弁を忘れないこと」

4年間を通して見た時、千葉氏の特徴としてかなり強く出ているのは、

以前の行政答弁を覚えていること

だ。

「調査研究する」と答えた。

ではその後どうなったのか。

「学校へ配布した」と答えた。

ではその文書はどこにあるのか。

前回こう説明した。

公開文書と一致しているのか。

行政監視という点では、これは重要だ。

市役所側が「検討します」と答えて質問をやり過ごしたとしても、そのまま忘れられなければ、答弁には責任が生まれる。

千葉氏の質問には、このタイプの継続性が比較的はっきり確認できる。 


一方、現職なら「質問」だけでは足りない

ただし、これは千葉氏だけの問題ではない。

現職市議全員に言える。

一般質問は、

議員の仕事の入口

だ。

最終目的ではない。

質問する。

答弁を得る。

委員会で追う。

予算や条例へ反映させる。

改善されたか確認する。

市民へ報告する。

ここまでが一連の議会活動だ。

だから2026年市議選で見るべきなのは、質問回数ランキングだけではない。


週刊TAKAPI分析 千葉綾子市議の4年間

公開資料から見る限り、千葉氏は、

教育・子ども・福祉への継続性が強い。

特に2025年以降の教育行政では、いじめ重大事態の判断基準、保護者への情報提供、不適切指導マニュアル、公文書管理まで、教育委員会の「仕組み」そのものを追っている。 

基地・安全保障についても政治的立場は非常に明確だ。

一方、次の選挙で問われるのは、

追及の強さを、具体的な行政改善へどこまで変換できたか。

という部分になる。

政務活動費については会派として396万円の交付を受けながら、実際の充当額は約140万円で、約256万円を返還している。

支出額そのものから不適切性を示す材料は今回確認していない。

むしろ次に見るべきは、

約140万円を使った調査・研修が、どの議会活動へつながったのか

だ。


2026年9月13日、「主張」だけではなく4年間が問われる

千葉綾子市議は2014年に初当選。

2018年には46票差で議席を失った。

そして再び市議会へ戻った。

その経験を持つ現職が、再び有権者の審判を受ける。 

今回の選挙では、

「いじめ対策を進めます」

「福祉を充実させます」

「平和を守ります」

という公約だけを見る必要はない。

すでに議員だったからだ。

有権者が聞けるのは、

「この4年間、何を質問したのか」

そして、

「その結果、何を変えたのか」

という問いだ。

週刊TAKAPIでは今後も党派を問わず、同じ基準で沖縄市議一人ひとりの議会活動、一般質問、政務活動費、実績、そして残された課題を検証していく。


編集部注

本記事は2026年8月18日時点で公開されている沖縄市議会の議員・委員会資料、一般質問通告書、市議会だより、政務活動費収支報告書、日本共産党の公開プロフィールなどを基に作成しています。 

政務活動費については、沖縄市では会派単位で交付・報告されるため、日本共産党会派の支出を千葉綾子氏個人の支出とは扱っていません。また、一般質問を行ったという事実だけをもって、その後の行政施策を千葉氏個人の実績とは認定していません。

いじめや学校問題については児童生徒・保護者が特定される情報を掲載せず、議会活動、制度、行政の説明責任を検証対象としています。

担当記者 黒木

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