【愛知・東三河】宇連ダム貯水率7.8%まで急低下 猛暑・少雨で再び水不足 豊川用水5%節水、さらに強化の可能性も

愛知県で厳しい残暑が続く一方、東三河の生活や産業を支える「水」に再び異変が起きている。

2026年8月24日、県内では朝から気温が上昇し、名古屋市や豊田市などで最高気温が35度を超える猛暑日となった。

愛知県には熱中症警戒アラートが発表され、環境省の暑さ指数でも各地で「危険」に相当する水準が予測された。(環境省WBGT情報)

街では日傘やサングラス、ハンディファンなどを使い、強い日差しから身を守る人の姿が見られた。

しかし、暑さと同時に深刻さを増しているのが水不足だ。

新城市にある宇連ダムでは、8月24日午前0時時点の貯水率が7.8%まで低下した。

わずか2カ月ほど前には貯水率が約7割まで回復していたが、7月以降の少雨によって再び急速に水位が下がっている。

宇連ダムの貯水率は7.8% 水面が大きく後退

水資源機構によると、8月24日午前0時時点で宇連ダムの貯水量は222万5000立方メートル。

有効貯水容量2842万立方メートルに対し、貯水率は7.8%となった。(水資源機構)

現地では、水面が本来の位置から大きく下がり、普段は水に隠れている岩肌が広い範囲で姿を見せている。

2カ月ほど前の6月下旬には貯水率が69.5%あったとされるが、8月24日には1割を切った。

短期間で急激に水が減った形だ。

なぜ宇連ダムの水がここまで減った?

最大の要因は、7月以降の雨の少なさだ。

水資源機構は8月20日の発表で、豊川流域では7月から8月にかけて降水量が少ない状態が続き、河川流量が減少していると説明している。(水資源機構)

宇連ダム地点の降水量を見ると、7月は135ミリで平年の38%。

8月も20日時点で42ミリにとどまり、平年値に対して14%だった。(水資源機構)

一方、猛暑の中でも農業用水、水道用水、工業用水は必要になる。

川から確保できる水が減る中、ダムや調整池から水を補給し続けた結果、水源の貯水量が急速に減少している。

豊川用水全体の貯水率は33.2%

ここで注意が必要なのは、「宇連ダムの貯水率」と「豊川用水全体の貯水率」は異なるという点だ。

8月24日午前0時時点では、

  • 宇連ダム 222万5000立方メートル、7.8%
  • 大島ダム 627万5000立方メートル、55.5%
  • 宇連ダム、大島ダム、地区内調整池を合わせた水源全体 33.2%

となっている。(水資源機構)

宇連ダムだけを見れば極めて低い水準だが、豊川用水では大島ダムや複数の調整池も組み合わせながら水を運用している。

それでも、水源全体の水量も低下を続けている。

豊川用水で5%節水 8月21日から開始

水不足を受け、水資源機構と豊川用水の関係利水者は節水対策に入った。

8月21日午前9時から始まった第1次の節水では、

農業用水5%、水道用水5%、工業用水5%

の節水率が設定されている。(水資源機構)

豊川用水は豊橋市、豊川市、蒲郡市、田原市、新城市など東三河の広い地域に加え、静岡県湖西市方面にも水を供給している。

農業だけでなく、家庭の水道や企業活動を支える重要なインフラだ。

そのため、今後さらに水源の状況が悪化すれば、影響は東三河全体に広がる可能性がある。

今後、節水率がさらに引き上げられる可能性は?

今後の最大の焦点は、まとまった雨が降るかどうかだ。

豊川用水総合管理所側は、今後も水の使用が続く中で十分な降雨がなければ、貯水量はさらに減少するとしている。

状況によっては、節水対策を段階的に強めていく可能性もある。

ただし、宇連ダムだけで判断するのではなく、大島ダムや豊川用水の7つの調整池など、ほかの水源の貯水状況も確認しながら運用していく。

水資源機構も8月20日の時点で「まとまった降雨がなければ、さらに厳しい状況になる」としていた。(水資源機構)

今年3月には宇連ダムがほぼ空に 再び水不足へ

東三河では、2025年から2026年春にかけても長期間の渇水に見舞われた。

豊川用水では2025年8月末から節水対策が続き、2026年春には宇連ダムの水量が極めて低い水準まで低下。

佐久間ダムから豊川水系へ水を送る「佐久間緊急導水」も実施された。

その後、降雨などによって水源が回復したため、4月28日に243日間続いた節水対策はいったん解除された。解除前日の4月27日時点では宇連ダムの貯水率は59.6%まで戻っていた。(水資源機構)

しかし、それから約4カ月。

東三河は再び節水対策に入った。

猛暑なのに水が少ない――東三河への影響は?

今回の水不足で特に厳しいのが、猛暑と重なっていることだ。

気温が高くなれば家庭で使う水だけでなく、農作物への散水など農業用水の需要も高まりやすい。

一方で雨が少なければ河川から確保できる水は減る。

「水を多く必要とする時期」と「水源が減る時期」が重なっていることになる。

現時点で直ちに一般家庭の断水につながる状況が示されているわけではない。

ただ、まとまった雨が降らず、貯水量の減少が続けば、節水率がさらに引き上げられるかどうかが次の焦点になる。

宇連ダムは今後どうなる?

今後注目されるのは主に3点だ。

1つ目は、宇連ダム流域にまとまった雨が降るか。

短時間の雨ではなく、水源全体を回復させるだけの降雨が必要になる。

2つ目は、豊川用水全体の貯水量がどこまで低下するか。

宇連ダムが7.8%でも、大島ダムや調整池に水が残っているため、豊川用水全体では33.2%となっている。

3つ目は、節水対策が次の段階へ進むか。

現在は5%節水だが、水源の減少が続けば、今後さらに強い対策が検討される可能性がある。

猛暑が続く愛知県。

熱中症への警戒が必要になる一方で、その暑さをしのぐためにも欠かせない「水」が、東三河では再び大きな課題となっている。

宇連ダムの貯水率7.8%。

今年春の深刻な渇水を経験したばかりの東三河で、水不足が再び長期化するのか。

今後の降雨と豊川用水の貯水状況、節水対策の動きを継続して追う必要がある。

担当記者|週刊TAKAPI編集部

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