【独自・三重】特別支援学校講師を停職1か月 男子生徒の頬に唇、同僚の報告で発覚

三重県内の県立特別支援学校で68歳男性講師が停職1か月となった教職員不祥事を伝えるニュースアイキャッチ

三重県教育委員会は8月19日、中勢地区の県立特別支援学校に勤務する68歳の男性講師を、高等部の男子生徒への不適切な身体接触があったとして停職1か月の懲戒処分とした。学校長も管理監督責任で文書訓告とした。

男性講師は5月、給食指導中に自身の頬を男子生徒の頬に接触させ、6月には体育の授業中、生徒の頬に唇を接触させた。県教委は一連の行為をセクシュアル・ハラスメントと認定した。

事案が職場の同僚からの報告によって発覚していたことが、県教委への独自取材で分かった。

5月26日と28日、給食指導中に頬を接触

県教委によると、男性講師は5月26日と28日、高等部の男子生徒の給食指導を担当していた。

講師は生徒の右隣に座り、生徒が給食を完食した際、褒める趣旨で自身の左頬を生徒の右頬に接触させたという。

6月2日、体育の授業中に頬へ唇

6月2日には体育館で別の身体接触があった。

男子生徒が床に座って整列していた際、男性講師が後方から生徒の体を支えた。その際、生徒が男性講師の右肩に頭を倒したという。

男性講師は、授業に取り組んでいた生徒を褒める意味で、生徒の左頬に自身の唇を接触させた。

県教委は、5月と6月に確認された一連の行為をセクシュアル・ハラスメントと認定した。

発覚のきっかけは同僚からの報告

県教委に発覚経緯を確認したところ、職場の同僚からの報告をきっかけに事案を把握したという。

県教委は男性講師本人から事情を聴いたほか、周囲から得た情報についても確認した。

生徒の保護者には事案について説明しているが、説明後の保護者の対応についてはプライバシーを理由に明らかにしていない。

勤務先の学校名についても、保護者から非公表の要望があったため公表していない。

「性的な意図はない」と説明 今年度から勤務

男性講師は県教委の聞き取りに対し、「性的な意図は全くなく、一生懸命取り組んでいた生徒を褒めてあげたかった」などと説明している。

県教委は取材に対し、男性講師について、今年度からこの学校で勤務を始めた講師だったと説明した。

「過去にも同様の相談がなかったか」と確認したところ、県教委は、男性講師が今年度から勤務を始めたばかりであることから、これまでに同様の相談や申告は確認されていないとしている。

一方で、県教委は今回確認された具体的な行為について、本人の説明だけでなく、周囲から得た情報なども踏まえてセクシュアル・ハラスメントと認定した。

停職1か月の根拠 他県の処分例も検討

県教委に、停職1か月とした処分量定の根拠についても確認した。

県教委は、実際に確認された行為の内容、男性講師本人の供述、周囲から得た情報のほか、他県における類似事案の処分状況も調べたうえで、総合的に処分内容を決定したと説明した。

本人が性的な意図を否定していることだけで処分内容を判断したものではないとしている。

日本版DBS施行を見据え全教職員に研修 県立学校長にも事案を周知

県教委は取材に対し、再発防止策として、12月25日の施行を控える「こども性暴力防止法」、いわゆる日本版DBSへの理解を深める取り組みを進めていると説明した。

その一環として、児童・生徒への性暴力や不適切な行為について理解を深めるため、すべての教職員を対象に研修動画を視聴させているという。

また、今回の事案について県立学校の校長に必ず周知し、各学校で改めて研修を実施するよう促している。

日本版DBSは、学校や教育・保育など子どもと接する事業者に対し、児童対象性暴力を防止するための措置を求める制度。県教委は制度の施行を控え、教職員の性暴力防止に対する理解を深める必要があるとしている。

県教委は取材に対し、今回のような行為は「あってはならない」としたうえで、事案の周知、全教職員への研修、日本版DBSへの理解促進を通じて再発防止を徹底する考えを示した。

編集部まとめ

今回の事案は、学校内部の同僚からの報告によって発覚したことが週刊TAKAPIの独自取材で分かった。県教委は本人への聞き取りだけでなく、周囲からの情報や他県の類似処分も検討し、停職1か月とした。

再発防止では、全教職員を対象とした性暴力防止研修を実施するとともに、県立学校長へ今回の事案を周知し、各学校でも研修を行うよう求めている。

週刊TAKAPI編集部/成田

特記事項

この記事は、三重県教育委員会が2026年8月19日付で行った懲戒処分に関する公表内容に加え、週刊TAKAPIが三重県教育委員会へ独自取材して確認した情報を反映しています。

独自取材では、発覚の経緯、保護者への説明状況、男性講師の勤務歴、停職1か月とした判断根拠、再発防止策などを確認しました。

男性講師は性的な意図を否定しています。一方、三重県教育委員会は一連の身体接触をセクシュアル・ハラスメントと認定しています。本件で確認されているのは教育委員会による懲戒上の処分です。刑事責任とは別の制度であり、両者を区別して記載しています。

Q事案はどのように発覚した?
A週刊TAKAPIの県教委への取材で、職場の同僚からの報告をきっかけに発覚したことが分かりました。
Q男性講師は何をした?
A5月に自身の頬を男子生徒の頬に接触させ、6月には体育の授業中に生徒の頬へ唇を接触させました。
Q男性講師はどう説明している?
A性的な意図はなく、一生懸命取り組んでいた生徒を褒めるためだったとの趣旨の説明をしています。
Qなぜ停職1か月になった?
A県教委は、行為の内容、本人の供述、周囲からの情報、他県の類似事案の処分状況などを総合的に検討したと説明しています。
Q県教委の再発防止策は?
A全教職員を対象に性暴力への理解を深める研修を実施し、県立学校の校長にも今回の事案を周知したうえで、各学校で研修を行うよう求めています。

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