豊川市は2026年8月25日、元教員の30代女性から約5499万円の損害賠償を求められている訴訟について、436万6543円を解決金として支払う和解議案を市議会第3回定例会に提出した。
訴訟は名古屋地方裁判所豊橋支部で係争中。裁判所からの和解勧告を受けたもので、市が提示した解決金は請求額の約8%にあたる。
ただし、和解案は市議会の議決前で、現時点で和解が成立したわけではない。
元教員側「安全な労働環境を維持する義務に違反」
市議会に提出された第69号議案によると、相手方は豊川市在住の30代女性で、元教員。
女性側は2024年10月18日、市が「適切、安全な労働環境を維持する義務」に違反したとして、名古屋地裁豊橋支部に損害賠償請求訴訟を起こした。
女性側は、この義務違反によってうつ状態との診断を受け、休職に至ったと主張。治療費、休業損害、逸失利益などとして5499万421円を請求している。
これは原告側の訴訟上の主張であり、市の義務違反が裁判所によって認定されたものではない。
5499万円請求に対し436万6543円の解決金
豊川市は裁判所からの和解勧告を受け、市議会に訴訟上の和解を求める議案を提出した。
和解条項案では、市が女性に対して「本件解決金」として436万6543円を支払う義務を認める。
請求額5499万421円に対し、和解案は436万6543円。差額は約5062万円となる。
ただし、この金額は裁判所が損害額を436万6543円と最終認定したものではなく、訴訟を終結させるための和解条件として示されている。
残る請求を放棄 守秘条項も
和解案が成立した場合、女性側は残る請求を放棄する。
双方は、条例や法令に基づく場合、市議会への報告など正当な理由がある場合を除き、訴訟の経過や結果を第三者に口外しないことも確認する。
さらに、和解条項で定めた内容以外に債権・債務がないことを相互に確認し、訴訟費用はそれぞれが負担する。
学校名や具体的な職場状況は非公表
今回公開された議案資料には、女性が勤務していた学校名や勤務時期、職場で具体的に何が起きたのか、誰のどの行為が問題となったのかは記載されていない。
そのため、特定の学校、管理職、同僚などを今回の訴訟と結び付けることはできない。
また、裁判所がこの時期に和解勧告を行った具体的な理由や、訴訟過程でどのような事実認定が進んだのかも公表資料からは確認できない。
市側が和解を受け入れる判断に至った詳細について、今後の議会審議で説明があるかが注目される。
8月25日上程 今後は市議会で審査
第69号議案「訴訟上の和解について」は8月25日に上程された。
第3回定例会は9月18日までの日程で、今後、議案の審査が進められる。
和解を成立させるには市議会の議決が必要となるため、現段階では436万6543円の支払いが確定したわけではない。
編集部まとめ
約5499万円の請求に対し、豊川市が裁判所の和解勧告を受けて提示した解決金は436万6543円となった。
一方、公開資料だけでは職場で何が起きたのか、市がどの範囲まで責任を認める考えなのかは分からない。今後の市議会審議で、和解判断の根拠や再発防止に関する説明が示されるかが焦点となる。
週刊TAKAPI編集部/一条
特記事項
この記事は2026年8月25日に豊川市が市議会へ提出した第69号議案など、公表されている資料をもとに構成しています。
元教員側が主張する「安全な労働環境を維持する義務への違反」は、現時点で判決により確定認定されたものではありません。また、和解案についても市議会の議決前です。
学校名や関係者の詳細など、公表されていない情報については推測していません。
情報提供募集
各種ご相談、情報提供、現地写真・動画、関係者からの証言などをお持ちの方は、メール(info@108takapi.jp)、各種SNSのDM、または公式LINEまでお寄せください。週刊TAKAPI編集部が内容を確認のうえ、取材・報道の参考とさせていただきます。
サイト訪問者数

コメント
0件まだコメントはありません。最初のコメントを投稿してみませんか。