陸上自衛隊富士駐屯地は28日、同じ部隊に所属する隊員の自宅から通帳を持ち出し、預金13万円を引き出したとして、開発実験団装備実験隊に所属する40代の1等陸尉を懲戒免職とした。
問題となった行為は2024年7月26日に発生した。1等陸尉は2025年12月3日に窃盗の疑いで警務隊に検挙され、その後起訴されている。13万円は全額返済したという。
異臭への対応で同僚宅へ 本人の了解を得て換気と清掃
当時、御殿場市内にある同僚隊員の自宅で異臭がするとの連絡が近隣から寄せられた。
1等陸尉は同僚本人の了解を得たうえで、換気と清掃のため室内に入った。その際、室内にあった通帳を持ち出し、口座から13万円を引き出したとされている。
被害を受けた同僚が自衛隊の警務隊に届け出たことで発覚した。
本来は同僚宅の異常に対応するために室内へ入ったとされる。なぜその過程で通帳を持ち出すことが可能だったのか、当時の詳しい状況については明らかになっていない。
検挙から起訴へ 13万円は全額返済
警務隊は2025年12月3日、1等陸尉を窃盗の疑いで検挙した。
その後、刑事事件として起訴されているが、刑事裁判の結論はまだ出ていない。
本人は13万円を全額返済し、「深く反省している」としている。一方で、なぜ同僚の通帳を持ち出し預金を引き出したのか、動機については説明を拒んでいるという。
発生から2年1カ月後に懲戒免職
事案が起きたのは2024年7月26日。今回の懲戒免職は2026年8月28日付で、発生から約2年1カ月後の処分となった。
その間には警務隊による捜査、検挙、起訴という刑事手続きが進んでいる。
ただ、発生から懲戒免職まで約2年を要した具体的な理由については明らかになっていない。
「懲戒免職」と「刑事裁判」は別の手続き
今回の懲戒免職は、自衛隊が隊員の服務上の責任を問う内部の懲戒処分だ。
一方、窃盗事件について有罪か無罪か、刑罰を科すかどうかを判断するのは刑事裁判となる。
このため、1等陸尉が起訴されていることと、自衛隊が懲戒免職を決定したことは別の手続きとして整理する必要がある。起訴された段階では有罪は確定していない。
部隊長「重く受け止めている」 再発防止へ指導徹底
開発実験団装備実験隊長の大西昌弘1等陸佐は、国民の生命と財産を守る立場にある自衛官が今回の行為に及んだことを重く受け止めているとした。
隊員への指導を徹底し、再発防止に取り組むとしている。
ただ、今回の事案を受けて具体的にどのような運用を見直すのか、管理監督上の措置が講じられたのかについては明らかになっていない。
編集部まとめ
同僚宅の異臭への対応という、本来は相手からの信頼を前提とした状況で起きたとされる今回の窃盗事案。
1等陸尉は13万円を全額返済し、反省を示しているものの、肝心の動機については説明していない。
そして、2024年7月の発生から約2年1カ月を経て懲戒免職となった。
「指導を徹底する」で終わらせるのではなく、なぜこうした行為が起きたのか、部隊として何を検証し再発防止につなげるのか。今後問われるのは、その具体策だ。
週刊TAKAPI 編集部/成田
特記事項
本記事は、陸上自衛隊富士駐屯地が明らかにした処分内容を基に構成しています。
1等陸尉は窃盗の疑いで検挙され、その後起訴されていますが、有罪が確定したものではありません。刑事責任については今後の裁判手続きで判断されます。
また、13万円を全額返済したことと、刑事責任、自衛隊内部の懲戒処分はそれぞれ別に扱われます。
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