名古屋市営地下鉄鶴舞線の車内で、面識のない17歳の少女を繰り返し撮影するなどのストーカー行為をしたとして、愛知県警豊橋署と人身安全対策課が9月1日、名古屋市天白区の会社員、小野真紀容疑者(54)をストーカー規制法違反などの疑いで逮捕した
事件現場は名古屋市内を走る地下鉄だが、捜査を担当したのは豊橋署と県警本部の人身安全対策課だった
愛知県警の公式発表でも、2月3日から8月5日までの間、地下鉄鶴舞線を走行中の列車内で女性の容姿などを携帯電話で複数回撮影するなどのストーカー行為をしたとして、54歳の男を逮捕したことが確認できる
約半年間に18回 面識のない少女を繰り返し撮影か
捜査関係者の説明によると、小野容疑者は今年2月から8月までの約半年間、地下鉄鶴舞線の車内で17歳の少女をスマートフォンで18回にわたって撮影するなどした疑いが持たれている
小野容疑者と少女に面識はなかったという
さらに7月には、座席に座っていた少女のスカート内をスマートフォンで撮影しようとした疑いも持たれている
被害を受けたとされる少女は未成年のため、週刊TAKAPIでは学校名、利用駅、生活圏など本人の特定につながる情報は掲載しない
少女からの相談ではなく「別件のスマホ解析」で浮上
今回の事件が発覚した経緯は特徴的だ
警察が別の事件の捜査で小野容疑者のスマートフォンを押収し、端末内を解析したところ、今回の少女を撮影した画像が見つかった
そこから捜査が進み、約半年にわたって繰り返されたとされる撮影行為などが浮上したという
つまり、今回の逮捕は少女本人からの相談によって直接始まったのではなく、別件捜査で押収されたスマートフォンに残っていたデータが端緒になった
警察は余罪についても調べている
現時点では、今回の少女以外にも被害者がいると確定したわけではない
「繰り返し撮影したことは間違いない」一部容疑は否認
警察の調べに対し、小野容疑者は少女の容姿を繰り返し撮影したことについては認める一方、スカート内を撮影しようとしたとされる行為については否認する趣旨の供述をしている
「容姿を繰り返し撮影したことは間違いないが、下着を撮影しようとは思っていなかった」と説明しているという
警察は撮影された画像や端末内のデータ、撮影日時などを調べ、詳しい経緯や目的を捜査している
逮捕段階で刑事責任が確定したわけではない
ストーカー規制法違反だけではない
愛知県警の公式発表は今回の容疑を「ストーカー規制法違反等」としている
公表された捜査内容では、繰り返し少女を撮影した行為に加え、7月の撮影未遂とされる行為についても捜査対象となっている
ストーカー規制法では、同じ相手に対する一定の「つきまとい等」などを反復して行うことがストーカー行為として規制される
愛知県警も、ストーカー行為について次第にエスカレートし、重大事件につながるおそれがあるとして早期相談を呼びかけている
今回、警察が着目したのは一度の撮影だけではない
約半年間で18回
この継続性が事件を見るうえで大きなポイントとなる
なぜ豊橋署が名古屋の事件を捜査したのか
東三河から見ると、もう一つ気になる点がある
現場は豊橋市ではない
名古屋市営地下鉄鶴舞線の列車内だ
それでも愛知県警は、逮捕した部署を「豊橋警察署、人身安全対策課」と明記している
なぜ豊橋署が捜査を担当することになったのか
県警の公式発表には、その経緯までは記載されていない
別件の捜査との関係、被害関係者との接点などについても、公表されていない以上は推測できない
このため週刊TAKAPIでは本件を、
「豊橋で起きた事件」ではなく「豊橋署が捜査した事件」
として扱う
ここを混同すれば、豊橋市内の地下鉄や駅で事件が起きたかのような誤解を招く
日常の電車内で繰り返されていた疑い
今回の事件で重いのは、特別な場所ではなく、多くの人が毎日利用する電車内が現場だったことだ
面識のない相手から何度も撮影されていたとしても、本人がその場で気付けるとは限らない
今回は別件で押収されたスマートフォンの解析によって初めて捜査線上に浮上した
スマートフォンに蓄積された写真や撮影日時などのデジタルデータが、繰り返された行為を追う手掛かりになった形だ
警察が余罪を調べている以上、今後さらに事実関係が広がる可能性もあるが、現段階で確認されていない被害を先回りして断定することはできない
Q&A|豊橋署が捜査した鶴舞線ストーカー事件
何があった?
17歳の少女を地下鉄鶴舞線の車内で繰り返し撮影するなどしたとして、54歳の会社員がストーカー規制法違反などの疑いで逮捕された
何回撮影した疑い?
警察によると、今年2月から8月までに18回とされている
2人に面識は?
面識はなかったとされている
どうやって発覚した?
別件で警察が押収した容疑者のスマートフォンを解析したところ、少女を撮影した画像が見つかったことがきっかけだった
なぜ豊橋署が担当した?
愛知県警は豊橋署と人身安全対策課が逮捕したことを公表しているが、豊橋署が担当することになった具体的な経緯は明らかにしていない
編集部まとめ
今回の事件は「地下鉄で女性を撮影した男を逮捕」という一行だけでは見えにくい
面識のない17歳の少女を約半年間、18回にわたって撮影した疑いが持たれ、別件で押収されたスマートフォンの解析によって発覚した
そして現場は名古屋市内でありながら、捜査を担当したのは豊橋警察署と県警人身安全対策課だった
豊橋署がなぜ本件を捜査することになったのか、別件捜査との具体的な関係、余罪の有無についてはまだ明らかになっていない
週刊TAKAPIでは、確認されていない部分を埋めるのではなく、県警の続報で事実関係を追う
週刊TAKAPI 編集部/黒木
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