航空自衛隊三沢基地(青森県)に所属する大型無人偵察機「RQ-4B グローバルホーク」1機が15日、鳥取県沖でレーダーから消えた問題で、航空自衛隊は、洋上で機体の一部とみられる浮遊物が見つかったことから、機体が墜落したと推定している。
注目されるのは、事故機が訓練飛行ではなかった点だ。
航空自衛隊は「訓練中ではなかった」と説明しており、任務飛行だったとしている。一方、具体的にどのような任務に就いていたのかについては、運用の細部に関わるとして明らかにしていない。
三沢基地を午前10時20分ごろ離陸
空自によると、事故機は15日午前10時20分ごろ、所属する三沢基地を離陸した。
午後0時55分ごろから三沢基地にある操縦装置との通信に異常が発生し、午後0時58分ごろ、鳥取県の北約50キロの公海上でレーダーから機影が消えた。
当初、空自は「あらゆる可能性を含めて捜索活動を実施中」としていた。
その後、海上保安庁の巡視船や航空自衛隊の航空機などによる捜索で、鳥取県沖の洋上から機体の一部とみられる浮遊物が相次いで確認された。
空自は撮影された写真などからグローバルホークの機体の一部とみており、墜落したと推定している。
人的被害などの情報は確認されず
グローバルホークは無人偵察機のため、機内に自衛隊員は搭乗していない。
また、15日午後5時時点では、人的被害を含め、機体の墜落による外部への被害情報は確認されていないという。
鳥取県では事故を受け、沖合で操業していた漁船の安否確認などを実施。県内の漁協に所属する漁船27隻について、被害の報告はなかったとされる。
「訓練」ではなく任務飛行
今回の事故でもう一つ重要なのが、飛行目的だ。
航空自衛隊トップの森田雄博航空幕僚長は、通信途絶後の会見で「訓練中ではなかった」と説明している。
その後、空自は任務飛行だったとしているが、具体的な任務内容については明らかにしていない。
グローバルホークは高高度を長時間飛行し、広い範囲の警戒監視や情報収集を行う大型無人偵察機だ。
1機約170億円 空自は3機を運用
航空自衛隊は2022年から三沢基地へのグローバルホーク配備を開始した。
空自が保有するのは3機で、いずれも三沢基地に所属している。1機あたりの価格は約170億円とされる。
今回、墜落が正式に確認されれば、航空自衛隊がグローバルホークを配備して以降、初めての墜落事故となる。
防衛省が無人機を活用した警戒監視能力の強化を進める中、主力級の大型無人偵察機を失った影響も今後の焦点となりそうだ。
今後の焦点は「なぜ通信が途絶えたのか」
現時点では、墜落に至った原因は分かっていない。
今後は、操縦装置との通信が途絶えた原因、機体側に異常が発生していたのか、通信途絶後にどのような飛行状態になったのかなどの調査が焦点となる。
また、機体には警戒監視・情報収集に関係する装備が搭載されているため、残骸の回収や機密情報の保全も重要になる。
空自は引き続き機体の回収を進め、原因を調査する方針だ。
よくある質問、
編集部まとめ
今回の事故は、単に「無人機1機が墜落した」という問題だけではない。
航空自衛隊が警戒監視・情報収集のために導入し、わずか3機を運用している大型無人偵察機のうち1機が、訓練ではなく任務飛行中に失われたとみられるからだ。
一方、具体的な任務内容や詳細な墜落地点が公表されないことには、安全保障や機密保持上の理由もある。
まず問われるのは、なぜ地上との通信が途絶え、機体を喪失する事態に至ったのかだ。
防衛省・航空自衛隊による原因究明と、今後公表される情報を注視する必要がある。
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