日本のアニメやフィギュア、プラモデルなどを扱う大型ホビー専門店「SUGOI FIGURE Supported by 駿河屋」が、タイ東部のチョンブリー県シラチャにオープンした。
店舗は商業ビルの1階から3階までを使用し、商品数は約40万点。静岡県島田市の企業が現地展開を担い、静岡市に本社を置く総合ホビーショップ「駿河屋」が商品供給や店舗運営を全面的に支える。
静岡で培われたリユースとホビー販売の仕組みを、成長が期待される東南アジア市場へ持ち込む新たな挑戦だ。
タイ・シラチャに「SUGOI FIGURE」がオープン
「SUGOI FIGURE Supported by 駿河屋」は、2026年6月27日、タイ東部のチョンブリー県シラチャにグランドオープンした。
シラチャは多くの日系企業が進出し、首都バンコクに次いで日本人が多く暮らす街として知られる。日本文化に接する機会が比較的多く、現地のタイ人にも日本のアニメやキャラクターが広く親しまれている地域だ。
店舗は鮮やかな青色の外観が特徴で、商業ビルの1階から3階までを使用する大型店となっている。駿河屋によると、シラチャ周辺だけでなく、タイ国内でも最大級のホビーショップを目指すという。
フィギュアやプラモデルなど約40万点を展開
店内では、日本の人気アニメに登場するキャラクターのフィギュアをはじめ、幅広いホビー商品を取り扱う。
主な商品は次の通り。
- トレーディングフィギュア
- スケールフィギュア
- トレーディングカード
- アクリルスタンド
- アニメ雑貨
- ぬいぐるみ
- プラモデル
- ミニカー
- マンガ関連商品
商品の総数は約40万点に上る。
特に力を入れるのが、トレーディングフィギュアとトレーディングカードだ。カード商品では「ポケモンカードゲーム」や「ONE PIECEカードゲーム」などを展開し、タイのコレクター市場でシェアの獲得を目指す。
単に人気商品を並べるだけでなく、ジャンルごとに専門性の高い売り場を設けることで、初心者から熱心なコレクターまで幅広い需要に対応する。
運営するのは静岡県島田市の「KINETIC DESIGN」
店舗の運営を担うのは、静岡県島田市に拠点を置くKINETIC DESIGN(キネティックデザイン)だ。
同社は日本国内で古着の販売事業を手がけるほか、タイ東北部のウドンタニでもリサイクルショップを展開している。
タイとの取引や現地での事業経験を持つ同社が、次の事業として選んだのがホビー分野だった。
背景にあるのは、タイで生活する中で感じた日本アニメの浸透度だ。同社の天野良太代表は、現地の人との会話でアニメが共通の話題になることが多く、「ONE PIECE」などの作品は幅広く知られていると説明している。
フィギュアを100個ほど所有する来店客もいるなど、タイでは日本のアニメを「見る」だけでなく、関連商品を集める文化も広がっている。
静岡市の「駿河屋」が商品供給と運営ノウハウを提供
今回の出店を支えるのが、静岡市葵区に本社を置く総合ホビーショップ「駿河屋」だ。
「SUGOI FIGURE」は駿河屋の直営店ではなく、現地事業者が運営する駿河屋サポート店として開業した。駿河屋がタイでサポート店舗を展開するのは今回が初めてとなる。
駿河屋は、自社のサプライチェーンを活用した商品の供給に加え、品ぞろえや売り場づくり、店舗運営に関するノウハウを提供している。
KINETIC DESIGNによると、店舗の商品は駿河屋から仕入れているという。海外進出に必要な商品調達力と運営経験を駿河屋が補い、現地事情を知るKINETIC DESIGNが実際の店舗経営を担う構図だ。
なぜバンコクではなくシラチャだったのか
海外初出店では、人口が集中する首都を選ぶ企業も多い。それでも今回、出店地に選ばれたのはバンコクではなくシラチャだった。
シラチャには日系企業の駐在員やその家族が多く暮らし、日本文化への親和性が高い。一方で、バンコクと比べると大型のホビー専門店は限られており、地域の需要を取り込める可能性がある。
また、店舗を運営するKINETIC DESIGNにはタイ国内でリユース事業を展開してきた経験がある。現地の商習慣や消費者の好みを理解した企業と、日本国内で豊富な在庫と販売データを持つ駿河屋が組むことで、海外出店のリスクを抑える狙いも読み取れる。
【編集部の考察】40万点の品ぞろえは「現地化」への試金石
今回の店舗で注目されるのは、約40万点という圧倒的な品ぞろえだ。
日本のアニメ市場が海外で拡大しているとしても、国や地域によって人気作品や購買力、好まれる商品価格は異なる。日本国内で売れる商品をそのまま大量に持ち込むだけでは、在庫が偏る可能性もある。
一方、幅広い商品をそろえることには、タイでどの作品、キャラクター、価格帯が支持されるのかを把握できる利点がある。店舗自体が、現地需要を分析する大規模なテストマーケットとして機能する可能性がある。
今後の焦点は、開業時の話題性を継続的な購買につなげられるかどうかだ。商品補充の速度や価格設定、正規品への信頼、現地ファン向けイベントなど、タイ市場に合わせた運営が求められる。
「ホビーのまち静岡」を海外に発信する拠点へ
静岡県はプラモデル産業の集積地として知られ、「ホビーのまち」を掲げてきた。
今回の出店は、静岡企業の商品を輸出するだけでなく、県内企業が持つ調達網やリユース販売の仕組みそのものを海外へ展開する取り組みでもある。
KINETIC DESIGNの天野代表は、今後さらに海外での出店を増やし、静岡のホビー文化を伝える架け橋にしたいとの考えを示している。
タイ1号店が軌道に乗れば、バンコクやタイ国内の別都市、さらに周辺の東南アジア諸国へ展開する足掛かりになる可能性がある。静岡発のホビー販売モデルがどこまで海外で通用するのか、今後の動きが注目される。
店舗概要
店舗名: SUGOI FIGURE Supported by 駿河屋
開業日: 2026年6月27日
所在地: タイ・チョンブリー県シラチャ
営業時間: 正午~午後8時
定休日: 毎週月曜日
店舗規模: 3階建て
商品数: 約40万点
運営: KINETIC DESIGN
運営支援: 駿河屋
※営業時間や定休日は変更される可能性があるため、来店前に店舗の最新案内を確認してください。
※本記事は公開されている企業情報、報道内容、地域特性、市場動向などをもとに編集部が独自に考察した内容です。企業や関係者が公表している出店理由・経営方針を断定するものではなく、一部に編集部の見解や推測が含まれます。最新かつ正確な情報は、各企業・自治体の公式発表をご確認ください。
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週刊TAKAPI編集部:黒木
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