鳥取県立中央病院で、体外式膜型人工肺(ECMO)への酸素チューブのつなぎ替えを忘れ、患者への酸素供給が約20分間停止した医療事故を巡り、意識不明となっていた70代の男性患者が9月7日に死亡していたことが分かった。
鳥取県が9月15日の県議会常任委員会で報告した。
男性は心筋梗塞で入院しており、8月に心臓カテーテル室へ移動した際、臨床工学技士が酸素チューブをECMOへつなぎ替える作業を失念したとされる。
事故後、男性は低酸素脳症となり、意識不明の重体が続いていた。
県は医療安全上の重大な事故だったとして謝罪している。一方、今回の事故と男性の死亡との直接的な因果関係については、今後、事故調査委員会で調べるとしている。
ECMOへの酸素供給、約20分間停止
事故が起きたのは8月。
男性を心臓カテーテル室へ移動させる際、臨床工学技士がECMOに必要な酸素チューブのつなぎ替えを行わなかった。
その結果、ECMOへの酸素供給が約20分間停止したという。
男性はその後、低酸素脳症となり意識不明の状態となった。
県立中央病院側は事故の発生を認め、重大な医療事故として対応してきた。
9月7日に死亡 直接の因果関係は未確定
男性は9月7日に死亡した。
ただし、県側は「事故が死亡の直接的な原因だった」とは現時点で認定していない。
15日の常任委員会では、医療事故と死亡との因果関係について質問が出たが、県の担当者は、事故調査委員会による検証が必要との認識を示した。
したがって現段階で確認できるのは、
- ECMOへの酸素供給が約20分間停止する医療事故があった
- 事故後、患者が低酸素脳症となり意識不明になった
- その後、9月7日に死亡した
- 事故と死亡との直接的な因果関係は調査中
という点までだ。
酸素供給システム変更、患者移動は複数人対応へ
県病院局は、今回の事故を受けた再発防止策も報告した。
ECMO使用時の酸素供給システムを変更するほか、患者を移動させる際には複数人で対応する運用へ改めるとしている。
今後は事故調査委員会で、なぜつなぎ替え作業が抜けたのか、作業前後の確認体制がどのようになっていたのか、単独作業やチェック手順に問題がなかったのかなどが検証されることになる。
「人為的ミス」だけで終わらせない検証が焦点
今回、直接の作業として明らかになっているのは、酸素チューブのつなぎ替えが行われなかったことだ。
一方、医療安全の観点では、個人の作業ミスだけでなく、手順、チェック方法、複数人確認、機器接続時の警告や監視など、事故を防ぐ仕組みが十分だったかも重要になる。
事故調査委員会が、個人の行為だけではなくシステム上の要因までどこまで検証するかが今後の焦点だ。
編集部まとめ
鳥取県立中央病院で、ECMOへの酸素チューブのつなぎ替え忘れにより約20分間酸素供給が停止する医療事故があり、低酸素脳症で意識不明となっていた70代男性が9月7日に死亡した。
県は重大事故として謝罪しているが、事故と死亡との直接的な因果関係については事故調査委員会で今後検証するとしている。
週刊TAKAPI編集部/成田
特記事項
本記事は2026年9月15日時点で確認された公開報道と鳥取県議会常任委員会での報告内容を基に構成しています。
医療事故の発生、約20分間の酸素供給停止、事故後の低酸素脳症、患者の死亡は確認されています。
一方、医療事故が男性の死亡の直接的な原因だったかについては、県側も未確定としており、本記事でも因果関係を断定していません。
患者の氏名など個人を特定する情報は掲載していません。
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