豊橋市の2026年9月市議会定例会に提出された資料を週刊TAKAPIが確認したところ、市職員が運転する車両などに関係する事故4件で、市が負担する損害賠償額が計75万1854円に上ることが分かった。
4件のうち3件は、市側の過失割合が100%だった。
事故の内容をみると、ごみ収集車に関係する事故が2件、車両を後退させた際の事故が2件確認できる。
さらに過去の市議会資料まで遡ると、市側過失100%とされた別の車両・作業事故も確認できた。
ただし、今回の4件は豊橋市で2026年度に発生した公用車事故の全件数ではない。
9月市議会定例会の資料に掲載された案件を週刊TAKAPIが集計したものであり、この数字だけをもって「公用車事故が増加している」「多発している」と判断することはできない。
では、市全体では年間何件の事故が起きているのか。
事故後の安全対策は、次の事故防止につながっているのか。
週刊TAKAPIが議会資料から見えてきた事故を検証する。
ごみ収集車が後退、停止中の軽乗用車に接触
1件目は2026年3月26日午前11時30分ごろ、豊橋市向草間町で発生した。
市のごみ収集車が後退した際、停止していた軽乗用車に接触した。
市側の過失割合は100%。
損害賠償額は51万5000円だった。
今回確認した4件では最も賠償額が大きく、4件合計75万1854円の約7割をこの1件が占める。
右折時に事故、市側の過失は20%
2件目は4月23日午後1時20分ごろ、豊橋市三ノ輪町で発生した。
市の軽貨物自動車が右折した際に事故が発生。
市側の過失割合は20%で、損害賠償額は4万990円だった。
今回確認した4件では唯一、市側の過失割合が100%ではない事故となっている。
ごみ収集車、今度は駐車車両に接触
その翌日の4月24日午前10時40分ごろには、豊橋市東赤沢町で別の事故が発生した。
市のごみ収集車が、駐車していた貨物自動車の横を通過する際に接触した。
市側の過失割合は100%。
損害賠償額は3万7400円だった。
これで今回確認した4件のうち2件が、ごみ収集車に関係する事故となる。
学校教育課でも後退時に事故
さらに9月の追加資料では、教育部学校教育課の職員による事故も報告された。
事故は8月20日午後2時30分ごろ、豊橋市神野新田町の店舗駐車場で発生した。
学校教育課の職員が普通乗用車を後退させたところ、駐車していた軽乗用車に接触した。
市側の過失割合は100%。
損害賠償額は15万8464円だった。
3月26日のごみ収集車による事故と、この学校教育課の事故では、部署、車種、発生場所などは異なる。
一方で、いずれも車両を「後退」させた際に接触事故が起きている。
4件で75万1854円 3件は市側過失100%
今回確認した4件の損害賠償額を合計すると、
51万5000円
+4万990円
+3万7400円
+15万8464円
=75万1854円となる。
また、4件中3件で市側の過失割合が100%だった。
事故態様を見ると、後退時の事故が2件。
車両別では、ごみ収集車に関係する事故が2件確認された。
ただし、それぞれの事故は発生場所や状況が異なる。
現時点で、4件に共通する原因が存在すると判断できる資料は確認できていない。
過去の議会資料にも「市側過失100%」
では、こうした事故は今回だけなのか。
週刊TAKAPIが過去の豊橋市議会資料まで確認すると、別の車両・作業事故も報告されていた。
2025年12月議会資料では、資産経営課職員が運転する軽貨物自動車が赤信号を見落として交差点へ進入し、普通乗用車と衝突して相手方を負傷させた事故が報告されている。
この事故は市側過失100%とされ、損害賠償額は16万2655円だった。
同じ12月議会資料では、道路維持課による作業中の事故など、市側過失100%とされた別の案件も確認できる。
さらに2026年3月議会資料には、環境部収集業務課の職員が運転するごみ収集車を浄化槽の上に停車させ、浄化槽を損傷した事故が掲載されている。
この事故も市側過失100%で、損害賠償額は7万1500円だった。
ごみ収集車の事故、9月資料だけではなかった
ここで一つ気になるのが、ごみ収集車に関係する事故だ。
今回の9月議会資料では、
3月26日=後退時に停止中の軽乗用車へ接触
4月24日=駐車していた貨物自動車の横を通過する際に接触
という2件が確認された。
これとは別に、3月議会資料には、2025年12月30日にごみ収集車が浄化槽を損傷した事故が掲載されている。
複数の議会資料をまたいで、ごみ収集車に関係する事故が確認できることになる。
ただし、ここには注意が必要だ。
ごみ収集車は日常的に住宅地などを走行し、停車、発進、後退を繰り返す業務で使用される。
一般の部署と比べて走行距離や稼働時間そのものが長ければ、単純な事故件数だけを比較して「収集業務で事故が多い」と判断することはできない。
必要なのは、保有車両数や年間走行距離を含めた比較だ。
「後退時」の事故はどれだけ起きている?
もう一つ確認したいのが後退時の事故だ。
今回の4件では2件が後退時に発生している。
3月26日は、ごみ収集車が後退して停止中の軽乗用車に接触。
8月20日は、学校教育課職員が店舗駐車場で普通乗用車を後退させ、駐車中の軽乗用車に接触した。
過去の議会資料でも、道路維持課のバックホウが後退した際の接触事故が確認できる。
もちろん、ごみ収集車、普通乗用車、重機では運転環境が全く異なる。
これらを一括して「同じ原因による事故」とすることはできない。
それでも、複数の資料で後退時の事故が確認できる以上、市がこうした事故をどの程度把握し、全庁的な事故防止策につなげているのかは確認する必要がある。
【ポイント解説】なぜ事故が市議会に出てくる?
今回の案件は、市長が地方自治法に基づいて専決処分した損害賠償について、市議会へ報告したものだ。
つまり、今回市議会が一件ずつ「賠償するかどうか」を新たに決めたという意味ではない。
業務中の事故などについて市が相手方への損害賠償額を決定し、その専決処分が議会へ報告されたことで、事故の概要や賠償額が表に出てきた形だ。
そのため、議会資料に掲載された件数と、市役所内部で把握している公用車事故の総件数が同じとは限らない。
問題は「75万円」だけではない
今回確認された損害賠償額は4件で75万1854円。
市全体の予算規模から見れば、この金額だけをもって大きな財政問題と評価することはできない。
一方で、公用車は日常的に市内を走行し、市民の車や財産、場合によっては人と接触する可能性がある。
だからこそ重要なのは「75万円支払った」という結果だけではない。
事故が年間何件発生しているのか。
どのような場面で起きているのか。
同じ事故態様が繰り返されていないか。
事故後にどのような再発防止策を実施したのか。
そして、その対策が次の事故防止につながっているのか。
ここまで確認して初めて、市の公用車安全管理を評価できる。
特に、事故件数だけではなく「何台の車両が、どれだけ走っている中で起きた事故なのか」という分母まで確認することが重要になる。
「個別事故」で終わらせず、年間データの検証へ
9月市議会資料から確認できた4件だけを見れば、損害賠償額は計75万1854円。
4件中3件が市側過失100%で、後退時の事故が2件、ごみ収集車に関係する事故が2件だった。
さらに過去の議会資料にも、市側過失100%とされた事故や、ごみ収集車、後退時に関係する事故が確認できる。
ただ、ここまでで分かるのは「複数の事故があった」という事実までだ。
これが例年並みなのか。
増えているのか、減っているのか。
特定の部署や事故態様に偏りがあるのか。
現在公開されている個別の議会資料だけでは判断できない。
週刊TAKAPIでは、年度別・部署別・事故態様別のデータまで確認し、豊橋市の公用車事故と安全管理について引き続き検証する。
編集部まとめ
豊橋市の2026年9月市議会定例会資料で確認された車両事故など4件について、市が負担する損害賠償額は計75万1854円だった。
4件中3件が市側過失100%。
後退時の事故が2件、ごみ収集車に関係する事故が2件確認された。
さらに過去の市議会資料にも、市側過失100%とされた事故がある。
ただし、今回の4件は2026年度の公用車事故すべてではなく、現時点で「事故が増えている」「特定部署で事故が多い」と判断することはできない。
次に必要なのは、過去数年間の事故総数、賠償総額、部署・事故態様別の件数と、事故後の再発防止策の検証だ。
よくある質問Q &A
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担当 週刊TAKAPI編集部
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