東名高速道路の浜名湖サービスエリアが、単なる「休憩場所」から、遊んで過ごせる場所へと変わり始めた。
静岡県浜松市のEXPASA浜名湖(上下集約)に9月18日、複合型レジャー施設「ONE SEANA(ワン シーナ)」がオープンした。
約2700平方メートルの敷地に、立体迷路、スターバックス、ドッグランを併設したペット用品店、バイク用品店が集まる。中でも目玉となる立体迷路は、サービスエリア・パーキングエリアに常設される施設として全国初となる。
浜名湖SAに全国初の常設立体迷路「ハマナコメイズ」
新施設でまず目を引くのが、有料の立体迷路「ハマナコメイズ」だ。
迷路は一つではない。浜松・浜名湖らしさを取り入れた「植栽迷路」、建築用の足場資材を組み上げた「工事現場迷路」、名古屋芸術大学の学生がデザインに携わった「アート迷路」の3種類で構成されている。
「工事現場迷路」には、体を動かして進むアスレチックコースと、景色を楽しみながら進めるスロープコースを用意。子どもだけを対象とした遊具ではなく、家族で立ち寄れる施設としてつくられている。
高速道路のSA・PAといえば、トイレ休憩や食事、土産物の購入が中心だった。そこに「迷路で遊ぶ」という目的そのものを持ち込んだ点は、今回の施設の大きな特徴だ。
浜名湖を眺める新しいスターバックスもオープン
「ONE SEANA」には、スターバックス コーヒー 浜名湖サービスエリア ONE SEANA店も出店した。
営業時間は午前8時から午後8時まで。浜名湖の景観を生かした立地で、ドライブ途中の休憩だけでなく、湖を眺めながら過ごす場所としての役割も担う。
実はEXPASA浜名湖には、以前から別のスターバックス店舗が営業している。既存の「浜名湖サービスエリア店」は午前7時から午後10時まで営業しており、今回の新店舗とは別店舗となる。
つまり浜名湖SAでは、同じサービスエリア内にスターバックスが複数存在する形になった。
愛犬と立ち寄れるドッグラン バイク用品店も
犬を連れて移動する利用者に向けた設備も加わった。
ペット用品店「The Gate」には有料のドッグランを併設。長距離移動の途中で愛犬を遊ばせることができ、ペットとのドライブ需要を意識した施設となっている。
さらに「Hamanako Moto Studio」も出店。ヘルメットメーカー「SHOEI」が展開する「SHOEI Gallery」のサテライト店として、オリジナルアイテムなどを扱う。
子ども連れの家族、ペット連れ、コーヒーを楽しみたい人、バイク愛好家。それぞれ目的の異なる利用者を一つのエリアに呼び込む構成だ。
なぜ浜名湖SAに「遊べる施設」をつくったのか
今回の整備で興味深いのは、飲食店を増やしただけのリニューアルではないことだ。
NEXCO中日本などが計画を発表したのは2025年9月。当初から、立体迷路、ドッグラン、カフェを組み合わせ、浜名湖の景色そのものを楽しめる施設を目指していた。事業を手がけるのは中部土木で、同社は愛知県の「小幡緑地オバッタベッタ」や名古屋市の「名城公園tonarino」など、公園を活用した事業にも携わってきた。
高速道路の利用者にとってSAは、長く滞在する場所というより「途中で立ち寄る場所」だった。
ところがONE SEANAは、その考え方を少し変える。
迷路で遊び、犬を走らせ、コーヒーを飲み、浜名湖を見る。休憩のために立ち寄った人が、結果として長く滞在する仕掛けが随所に用意されている。
浜名湖という景観資源を持つ場所だからこそ成立しやすい、新しいサービスエリアの使い方ともいえそうだ。
「ONE SEANA」施設概要
名称: ONE SEANA(ワン シーナ)
開業日: 2026年9月18日(金)
場所: E1 東名高速道路 EXPASA浜名湖(集約)
所在地: 静岡県浜松市浜名区佐久米
敷地面積: 約2700平方メートル
事業者: 中部土木株式会社
主な施設
・立体迷路「ハマナコメイズ」(有料)
・スターバックス コーヒー
・ペット用品店「The Gate」
・ドッグラン(有料)
・バイク用品店「Hamanako Moto Studio」
浜名湖SAの新施設は高速道路を使わなくても利用できる?
EXPASA浜名湖には一般道側から利用できる「ぷらっとパーク」が設けられている。高速道路を走行中の利用者だけでなく、一般道側から立ち寄れるのも特徴の一つだ。
今回のONE SEANAによって、浜名湖SAは「高速道路を走っているから寄る場所」だけではなく、施設そのものを目的に訪れる場所としての存在感も増しそうだ。
※本記事は公開されている企業情報、報道内容、地域特性、市場動向などをもとに編集部が独自に考察した内容です。企業や関係者が公表している出店理由・経営方針を断定するものではなく、一部に編集部の見解や推測が含まれます。最新かつ正確な情報は、各企業・自治体の公式発表をご確認ください。
週刊TAKAPI編集部:黒木

コメント
0件まだコメントはありません。最初のコメントを投稿してみませんか。
この記事のコメント投稿は締め切られています。