「目立たない生き物」だからこそ知ってほしい
絶滅危惧種と聞けば、トキやツシマヤマネコなど、比較的大型で知名度の高い動物を思い浮かべる人も多いだろう。
一方、アカイシサンショウウオのような小型の両生類は、人目につきにくい。生息地が山間部の限られた地域なら、なおさらその存在が一般に知られる機会は少ない。
しかし、生息範囲が狭い生物ほど、森林伐採や道路建設、河川環境の変化などの影響を受けた場合、個体群全体への影響が大きくなる可能性がある。過去の研究でも、道路建設や森林伐採、河川改修、採集などが本種の存続を脅かす要因として挙げられている。
今回の人工繁殖成功は、希少種を飼育下で残すという意味だけではない。
繁殖時期や産卵条件、卵から幼生への成長過程など、これまで野外では観察することが難しかった情報を得られる可能性がある。
それは将来、野生のアカイシサンショウウオを守るための重要な手掛かりにもなり得る。
茶臼山動物園、希少サンショウウオの保全を継続
茶臼山動物園はこれまでも、希少なサンショウウオ類の保全に取り組んできた。
長野県の資料によると、飛騨山脈固有のハクバサンショウウオでも飼育繁殖に成功し、2014年には日本動物園水族館協会から繁殖賞を受けている。
今回のアカイシサンショウウオも、長期間にわたる地道な飼育と研究が結果につながった形だ。
「目立たない」小さな生き物をどう守るのか。
国内初となった繁殖成功は、南アルプスに生きる希少種の存在を広く知ってもらうきっかけになると同時に、今後の生態解明と保全に向けた新たな一歩となりそうだ。
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週刊TAKAPI編集部:黒木
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