【長野•長野市】南アルプスの絶滅危惧種「アカイシサンショウウオ」国内初の人工繁殖に成功 13年越し、茶臼山動物園

「目立たない生き物」だからこそ知ってほしい

絶滅危惧種と聞けば、トキやツシマヤマネコなど、比較的大型で知名度の高い動物を思い浮かべる人も多いだろう。

一方、アカイシサンショウウオのような小型の両生類は、人目につきにくい。生息地が山間部の限られた地域なら、なおさらその存在が一般に知られる機会は少ない。

しかし、生息範囲が狭い生物ほど、森林伐採や道路建設、河川環境の変化などの影響を受けた場合、個体群全体への影響が大きくなる可能性がある。過去の研究でも、道路建設や森林伐採、河川改修、採集などが本種の存続を脅かす要因として挙げられている。

今回の人工繁殖成功は、希少種を飼育下で残すという意味だけではない。

繁殖時期や産卵条件、卵から幼生への成長過程など、これまで野外では観察することが難しかった情報を得られる可能性がある。

それは将来、野生のアカイシサンショウウオを守るための重要な手掛かりにもなり得る。


茶臼山動物園、希少サンショウウオの保全を継続

茶臼山動物園はこれまでも、希少なサンショウウオ類の保全に取り組んできた。

長野県の資料によると、飛騨山脈固有のハクバサンショウウオでも飼育繁殖に成功し、2014年には日本動物園水族館協会から繁殖賞を受けている。

今回のアカイシサンショウウオも、長期間にわたる地道な飼育と研究が結果につながった形だ。

「目立たない」小さな生き物をどう守るのか。

国内初となった繁殖成功は、南アルプスに生きる希少種の存在を広く知ってもらうきっかけになると同時に、今後の生態解明と保全に向けた新たな一歩となりそうだ。


Qアカイシサンショウウオはどこに生息していますか?
A長野県と静岡県にまたがる南アルプス(赤石山脈)南部の限られた地域に生息する日本固有のサンショウウオです。分布域が狭く、希少性の高い両生類として知られています。
Qアカイシサンショウウオは絶滅危惧種ですか?
Aはい。環境省の第5次レッドリストでは、絶滅危惧IB類(EN)に位置付けられています。これは「近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの」に該当する区分です。
Q今回の人工繁殖はなぜ重要なのですか?
Aアカイシサンショウウオは繁殖生態に不明な点が多く、野外では卵のうや幼生の確認例がないとされてきました。飼育下で繁殖させることで、産卵条件や卵・幼生の成長などを詳しく研究できる可能性があります。
Q人工繁殖に成功したのはどこですか?
A長野市の茶臼山動物園です。長年にわたり飼育・繁殖技術の研究を続けてきました。
Q「世界初」と「国内初」のどちらですか?
A今回の記事では、確認できた資料・報道に基づき「国内初の人工繁殖成功」としています。日本固有種であることから世界初に相当する可能性はありますが、「世界初」とする場合は茶臼山動物園などによる公式な確認を取ったうえで表記するのが適切です。

※本記事は公開されている企業情報、報道内容、地域特性、市場動向などをもとに編集部が独自に考察した内容です。企業や関係者が公表している出店理由・経営方針を断定するものではなく、一部に編集部の見解や推測が含まれます。最新かつ正確な情報は、各企業・自治体の公式発表をご確認ください。

週刊TAKAPI編集部:黒木