【独自】措置入院手続き不備、発覚後11日間「結果として措置入院ということではない」 愛知・知多保健所が説明

愛知県知多保健所の措置入院手続き不備を巡り、発覚後11日間について保健所が「結果として措置入院ということではない」と説明した問題を伝える週刊TAKAPIの報道アイキャッチ

愛知県知多保健所が、精神保健福祉法に基づく措置入院で法定手続きの一部を実施していなかった問題で、手続き不備が判明した7月27日から、正式な手続きをやり直して8月7日に改めて措置入院を決定するまでの11日間について、知多保健所が「結果として措置入院ということではない」と認識していることが、週刊TAKAPIの取材で分かった。

本紙が「措置入院ではなく、一般的な入院という形だったのか」と確認すると、担当者は「はい」と答えた。

一方、この期間について、具体的にどの法律・制度に基づく入院形態だったのかは明示されなかった。

本人の意思にかかわらず入院させることができる措置入院。その法定手続きに複数の不備があった問題は、単なる事務処理ミスにとどまらず、不備発覚後も入院が続いた11日間を県が法的にどう位置付けているのかという新たな論点を残している。

7月中旬に措置入院 3つの法定手続きを実施せず

県によると、2026年7月中旬、知多保健所は精神障害による自傷他害のおそれがあるとして申請があった対象者について、精神保健指定医2人による診察を経て、精神保健福祉法第29条に基づく措置入院を決定した。

しかし、その過程で、本来必要だった手続きの一部が実施されていなかった。

申請は書面で行う必要があったが口頭で受理。指定医2人による診察のうち1人の診察に保健所職員が立ち会わず、さらに家族等へ直接通知する必要がある診察日時と場所についても、保健所から通知していなかった。

7月27日、指定医から届いた診断書を確認した職員が、立ち会った職員の署名がないことに気付き、不備が発覚した。県公式発表でも、この3点が手続き上の不備として示されている。

最初の決定は「取消し」なのか 保健所は「手続きをやり直した」

本紙は、7月27日に不備が判明した時点で、最初の措置入院決定を取り消したのかを知多保健所に確認した。

担当者は、

「入院されているものですから、手続きとしてやり直したという形です」

と説明。

さらに、

「診察の時の手続きが一部、法で定められたところをやれていなかったことが判明したので、再度、入院の手続きをやり直した」

とした。

一方、「最初の措置入院決定を取り消したのか」という質問に対し、行政処分として正式な取消しを行ったかどうかについては明確な説明はなかった。

7月27日から8月7日 「措置入院ではない」

県は8月7日、法に定められた手続きを改めて実施し、指定医2人による診察を経て、同日付で措置入院を決定した。

そこで問題となるのが、7月27日の不備発覚から8月7日の再決定までの11日間だ。

本紙がこの期間の法的な入院形態について尋ねると、知多保健所は、

「最初の手続きが不備があったものですから、結果として措置入院ということではない」

と回答した。

「措置入院ではなく、一般的な入院という形だったのか」と確認すると、担当者は「はい」と答えた。

ただし、「一般的な入院」は法令上の具体的な入院類型を示す名称ではない。

対象者がこの11日間、具体的にどの制度に基づいて入院していたのかについては、今回の回答では明らかにならなかった。

なぜ再手続きまで11日 「県本庁との確認に時間」

不備を把握した7月27日から、正式な再診察を行った8月7日までには11日を要している。

その理由について、知多保健所は、問題の発覚後に県本庁との間で事実関係や対応について確認を続けていたと説明した。

担当者は、

「県の本庁の方で、いろいろやり取りとか確認をしておりまして、そういったところで時間がかかった」

と述べた。

つまり、不備を確認した直後に再診察したのではなく、県本庁との調整・確認を経て8月7日の再手続きに至ったことになる。