東京都教育委員会は10月7日、教職員による2件の服務事故について懲戒処分を発令した。
東京都区部の中学校に勤務する男性教諭(31)は、勤務校の女性教員の唇にキスをし、「不快感及び嫌悪感」を与えたとして停職1カ月。
東京都区部の小学校に勤務する女性教諭(50)は、当時4年生だった男子児童を指導した際、右手で髪の毛をつかみ、児童が校庭の地面に臀部をつく事態を招くなどしたとして戒告処分となった。
2件はいずれも行為から処分まで1年以上が経過している。一方、学校や教育委員会が事案を把握した時期は公表されておらず、行為から処分までの期間だけを理由に「対応が遅れた」と判断することはできない。
女性教員の唇にキス 31歳中学教諭を停職1カ月
停職1カ月となったのは、東京都区部の中学校に勤務する31歳の男性教諭。
都教委によると、男性教諭は2025年6月7日、勤務時間外に学校外で、当時勤務校にいた女性教員の唇にキスをした。
都教委は、この行為によって女性教員に「不快感及び嫌悪感」を与えたとして、2026年10月7日付で停職1カ月とした。
行為から処分までは約1年4カ月となる。
「同意なく」とは公表されていない
この事案では、都教委が公表した範囲を正確に区別する必要がある。
公式資料で確認できるのは、
- 男性教諭が女性教員の唇にキスをした
- 女性教員に不快感・嫌悪感を与えた
- 男性教諭を停職1カ月とした
という事実だ。
一方、都教委の公表資料には「同意なくキスをした」「不同意わいせつに当たる」などの記載はない。
女性教員と男性教諭の関係や、行為に至るまでの具体的なやり取りについても明らかにされていない。
したがって、公表されていない事情を推測して、刑事上の評価や同意の有無を断定することはできない。
行為から約1年4カ月 発覚時期は不明
キスがあったのは2025年6月7日。
処分は2026年10月7日で、約1年4カ月後だった。
ただし、この期間すべてを都教委の調査期間だったとみなすことはできない。
公表資料では、
- 女性教員がいつ申告したのか
- 学校がいつ事案を把握したのか
- 区教育委員会や都教委への報告時期
- 内部調査を開始した時期
- 処分までの間の双方の勤務状況
などは明らかになっていない。
処分までの経過を検証するには、まず学校側がいつ事案を把握したのかを確認する必要がある。
刑事手続きは確認できず
今回の男性教諭について、警察への相談、被害届、逮捕、送検、起訴などの刑事手続きは、公表資料から確認できない。
現時点では、東京都教育委員会が服務上の問題として行った懲戒処分として扱うのが適切だ。
停職1カ月という量定について、都教委がどの事情をどの程度評価したのかも、個別の詳細は公表されていない。
4年生男児の髪をつかむ 50歳小学校教諭を戒告
もう1件は、東京都区部の小学校に勤務する50歳の女性教諭。
都教委によると、女性教諭は2025年9月12日、勤務校の校庭で当時4年生だった男子児童を指導した際、右手で児童の髪の毛をつかんだ。
その結果、男子児童が校庭の地面に臀部をつく事態を招くなどしたとして、2026年10月7日付で戒告処分となった。
行為から処分までは約1年1カ月となる。
児童のけがの有無は公表されず
都教委の公表資料では、男子児童がけがをしたのか、医療機関を受診したのかについては明らかにされていない。
また、
- なぜ児童を指導していたのか
- 髪をどの程度の時間つかんだのか
- 児童や保護者へいつ説明したのか
- 学校がいつ事案を把握したのか
なども確認できない。
公表された具体的な事実以上に、行為の強度や被害状況を推測することは避ける必要がある。
「体罰」と断定せず
児童の髪をつかむ行為は身体的な接触を伴っている。
一方、今回の公表資料だけから、東京都教育委員会がこの行為を正式に「体罰」と分類したのかは確認できない。
そのため、本記事では「体罰」と断定せず、
右手で児童の髪の毛をつかみ、児童が校庭の地面に臀部をつく事態を招くなどした
という都教委が認定した具体的な行為を基に記載する。
「などした」の具体的範囲も不明
都教委の公表では、女性教諭について「児童が校庭の地面に臀部をつく事態を招くなどした」とされている。
この「など」に、別の不適切な行為が含まれるのかは公表されていない。
「など」という表現だけを根拠に、別の行為があったと断定することはできない。
処分量定についても、なぜ戒告としたのか、個別の判断過程は明らかになっていない。
2件とも「公式資料で確認できる範囲」を超えない
今回の2件は、どちらも行為そのものを東京都教育委員会が認定している。
一方で、公表されていない部分も多い。
女性教員へのキスについては同意の有無や刑事手続きが不明。
男子児童への行為については、けがの有無や「体罰」としての正式な位置付けが明らかになっていない。
懲戒処分の記事では、事実を強く見せるために空白部分を推測で埋めるのではなく、「何が認定され、何が公表されていないのか」まで区別することが重要になる。
編集部まとめ
東京都教育委員会が10月7日に発令した2件の処分では、31歳の中学校男性教諭が女性同僚の唇にキスし、不快感・嫌悪感を与えたとして停職1カ月となった。
50歳の小学校女性教諭は、当時4年生だった男子児童の髪をつかみ、児童が地面に臀部をつく事態を招くなどしたとして戒告処分となった。
いずれも行為から処分まで1年以上が経過している。
ただし、学校や教育委員会がいつ事案を把握したのかは明らかになっていないため、行為発生日と処分日だけから「1年以上対応しなかった」と判断することはできない。
今後確認すべきなのは、事案の発覚時期、学校側の初動、被害を受けた教員や児童への対応、処分までの調査経過、それぞれの量定根拠だ。
週刊TAKAPIでは、公表資料から確認できる事実を基礎に、学校・教育委員会側の対応について引き続き検証する。
週刊TAKAPI 編集部/松本
特記事項
本記事は、東京都教育委員会が2026年10月7日に公表した教職員の懲戒処分資料を基に構成しています。
女性教員へのキスについて、公式資料では「同意なく」「不同意わいせつ」などとは記載されていません。
男子児童の髪をつかんだ事案についても、東京都教育委員会が正式に「体罰」と分類したかは公表内容から確認できないため、本記事では認定された具体的行為のみを記載しています。
2件について、逮捕、送検、起訴などの刑事手続きは公表資料から確認できません。

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