広島県教育委員会は10月9日、生徒に対する危険な行為や不適切な身体接触、セクシュアルハラスメントがあったとして、県東部の県立高校に勤務していた69歳の男性非常勤講師を、減給10分の1・3カ月の懲戒処分にした。
県教委によると、男性講師は今年5月上旬、女子生徒の手を机につかせたうえ、指と指の間から彫刻刀で机を数回突いたとされる。
県教委はこの行為について「教育上の必要性を欠く危険な行為」と判断した。
さらに6月中旬には授業中、男子生徒の口の中に指を入れる行為があったほか、6月18日には女子生徒の背中付近に2回触れ、不快感を与えたとして、県教委はセクシュアルハラスメントに該当すると認定した。
男性講師は一連の行為を認め、生徒や保護者への謝罪の意向を示しているという。
女子生徒の手を机につかせ、指の間から彫刻刀
県教委が「危険な行為」としたのは5月上旬の行為だ。
男性講師は女子生徒の手を押さえて机につかせ、その指と指の間から彫刻刀で机を数回突いたとされる。
ここで重要なのは、生徒の指そのものを彫刻刀で刺したと公表されているわけではないという点だ。
県教委が明らかにしているのは、女子生徒の手を机につかせ、指の間から彫刻刀で机を突いたという内容で、「教育上の必要性を欠く危険な行為」として処分対象となった。
今回確認できる公表内容では、生徒にけががあったかどうかや、この行為を県教委が「体罰」として認定したかまでは明らかになっていない。
男子生徒の口の中に指を入れる
問題となったのは彫刻刀を使った行為だけではない。
6月中旬には授業中、男性講師が男子生徒に対し、ガムをかんでいることを確認する趣旨の発言をしながら、自身の指を生徒の口の中に入れたという。
県教委は、この行為についても不適切な身体接触として今回の懲戒処分の対象に含めた。
一連の問題では、複数の場面で生徒の身体に直接接触する行為が確認されている。
女子生徒の背中付近に2回触れる 県教委「セクハラ」
6月18日には、女子生徒の横を通る際、男性講師が右手で生徒の背中付近に2回触れたとされる。
県教委は、この行為によって女子生徒に不快感を与えたとして、セクシュアルハラスメントに該当する行為と判断した。
今回の処分では、
- 彫刻刀を使った教育上必要性を欠く危険な行為
- 男子生徒への不適切な身体接触
- 女子生徒へのセクシュアルハラスメント
という性質の異なる複数の行為が対象となっている。
「影響まで考えることができなかった」
男性講師は県教委の調査に対し、一連の行為を認めている。
県教委によると男性講師は、
「軽はずみな言動、行動で、やっているときは影響まで考えることができなかった」
との趣旨の説明をし、生徒たちや保護者に謝罪したいと話しているという。
県教委は複数の行為を踏まえ、10月9日付で減給10分の1・3カ月の懲戒処分とした。
6月30日に辞職願 10月9日付で受理
男性講師は、一連の問題を受け「このまま教壇には立てない」として、6月30日に辞職願を提出していた。
県教委は懲戒処分を行った10月9日付で辞職願を受理し、男性講師は退職した。
辞職願の提出から受理まで3カ月余りが経過しているが、その間に県教委がどのような調査・手続きを行ったのか、受理まで期間を要した具体的な理由については、今回確認できる公表内容では明らかになっていない。
なぜ減給10分の1・3カ月だったのか
今回の懲戒処分は、減給10分の1・3カ月だった。
県教委は彫刻刀を使った行為を「教育上の必要性を欠く危険な行為」とし、女子生徒への身体接触についてはセクシュアルハラスメントに該当すると認定している。
一方、どの処分基準を具体的に適用し、それぞれの行為をどのように評価して減給3カ月という処分量定に至ったのかについて、詳細は今回確認できる公表内容では分かっていない。
学校管理職に対する訓告や注意など、別の措置があったかどうかも明らかになっていない。
学校側がいつ把握したかは不明
問題となった行為は、5月上旬から6月中旬にかけて確認されている。
一方、
- 学校側が最初に事案を把握した時期
- 生徒や保護者から相談があったのか
- 男性講師への事情聴取をいつ始めたのか
- 問題把握後に授業から外したのか
- 過去の授業や指導について追加確認したのか
など、学校側の詳しい対応経緯は明らかになっていない。
複数の生徒に対する異なる不適切な行為が確認されているだけに、県教委や学校がどの範囲まで過去の指導状況を確認したのかも今後の確認点となる。
刑事手続きは確認されず
10月9日に発表されたのは、広島県教育委員会による懲戒処分だ。
現時点で男性講師について、逮捕、書類送検、起訴などの刑事手続きが行われたとの情報は確認されていない。
懲戒処分は教育行政・服務上の手続きであり、刑事責任とは別に判断される。
編集部まとめ
広島県教育委員会は10月9日、県東部の県立高校に勤務していた69歳の男性非常勤講師を、減給10分の1・3カ月の懲戒処分にした。
男性講師は今年5月上旬、女子生徒の手を机につかせ、指と指の間から彫刻刀で机を数回突く危険な行為をしたとされる。
6月には男子生徒の口の中に指を入れる行為や、女子生徒の背中付近に触れて不快感を与えるセクシュアルハラスメントも確認された。
男性講師は一連の行為を認め、生徒や保護者への謝罪の意向を示している。
6月30日に辞職願を提出しており、県教委は懲戒処分を行った10月9日付で辞職願を受理した。
一方、生徒にけががあったのか、彫刻刀を使った行為を体罰と認定したのか、学校側がいつ問題を把握したのか、減給3カ月という処分量定に至った詳しい理由など、明らかになっていない点も残る。
複数の生徒に対して性質の異なる不適切な行為が確認された今回の事案。県教委による処分だけでなく、学校側の把握・対応経緯や、生徒への安全確保と再発防止をどのように進めるかも確認点となる。
週刊TAKAPI 編集部/松本
特記事項
本記事は2026年10月9日時点で、広島県教育委員会の発表内容を基に報じられた情報を整理して構成しています。
彫刻刀を使った行為については、**生徒の指そのものを刺したと誤解されないよう、「女子生徒の手を机につかせ、指と指の間から彫刻刀で机を数回突いた」**と記載しています。
県教委はこの行為について「教育上の必要性を欠く危険な行為」としています。一方、今回確認できる公表内容では、体罰として認定したか、生徒にけががあったかまでは確認できていません。
男性講師について、逮捕・書類送検などの刑事手続きが行われたとの情報も10月9日時点では確認されていません。

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