【独自インタビュー】「定員は足りても通えない」豊橋市の放課後等デイサービス 諸井市議に聞く

2024年12月、市議会の一般質問で問題提起

諸井市議は、2024年12月の豊橋市議会定例会で「障害福祉サービス等事業所の指定に係る総量規制について」を一般質問のテーマとして取り上げた。

その後、2025年9月には、市民からの依頼を受けて、放課後等デイサービスの支援体制見直しを求める請願の紹介議員となった。

請願は、住民などが議会に対して意見や要望を提出する制度で、地方議会に提出する場合は原則として紹介議員が必要となる。

今回の請願では、放課後等デイサービスの地域間格差の是正が求められた。

諸井市議は、保護者からの相談を受けたことが、議会で問題を取り上げるきっかけになったと説明している。

2025年9月、請願第1号が「趣旨採択」

豊橋市議会の議決結果一覧表によると、2025年9月26日、「放課後等デイサービスの支援体制見直しを求める請願」(請願第1号)が趣旨採択された。

趣旨採択は、請願の趣旨には一定の理解を示しつつ、具体的な実現方法などについて判断を留保する議会の意思表示だ。

通常の採択とは異なり、請願で求められた内容がすべて実施されることを意味するものではない。

一方、諸井市議が2025年9月11日に公開した活動報告では、福祉教育委員会での審査において、市側から制度見直しに前向きな説明があったと紹介している。

報告によると、2025年3月時点の放課後等デイサービス利用者数は1,131人で、前年同月より136人増加。

2024年度のサービス利用率は96%に達し、前年度より約9ポイント上昇したという。

これらは諸井市議が委員会での市の説明として公表した数値であり、利用希望の増加を示す材料となる。

また、市側は将来的に需要が供給量を上回る可能性を認識し、規制解除の時期や方法を検討していると説明したという。

地域偏在についても、単純に地域を限定して規制を解除するのではなく、事業所の設置場所や送迎対応などを考慮する方法が議論された。

2026年6月、市が限定解除を発表 140人程度の定員を募集

請願が趣旨採択された翌年、豊橋市は総量規制の見直しを公表した。

2026年6月25日の市長定例記者会見で、市は放課後等デイサービスの総量規制を限定的に解除する方針を発表。

募集するサービス量は定員140人程度とされ、事業者の応募期間は7月22日から9月2日まで設けられた。

市の公募要領によると、今回の募集は2026年3月時点のサービス供給量と利用実績などを踏まえたものだ。

また、応募が募集定員を超えた場合には、事業所の地域偏在なども考慮し、事業者の運営実績、人員、設備、地域性などの観点から選定審査を行うとした。

これは、市内全体の定員数だけでなく、地域ごとの利用環境にも配慮する方針が、公募の仕組みに盛り込まれていることを示している。

ただし、総量規制が全面的に撤廃されたわけではない。

また、募集した140人程度の定員が、すでにすべて新たな受け入れ枠として確保されたという意味でもない。

議員の働きかけと制度変更、その因果関係は

今回のインタビューで諸井市議は、政策の実現と議員個人の働きかけの関係についても語っている。

市民からの相談を受け、議会で問題を提起することはできる。

しかし、実際に制度を検討し、運用するのは市の担当部局である。

そのため、議員の質問がどの程度政策決定に影響したのかを、明確に判断することは難しいとの認識を示した。

今回の総量規制の見直しについても、議員の一般質問や保護者の請願だけが理由となって制度変更が実現したとは断定できない。

市の需要予測、利用者数の増加、事業所の供給状況、行政内部での検討など、複数の事情が関係していると考えられる。

一方、2024年の一般質問、2025年の請願審査、2026年の限定解除という経緯が確認できることも事実だ。

諸井市議が保護者の声を受け、議会で問題提起してきたことは、公開された議会記録からも確認できる。