兵庫県明石市消防局の30代男性職員が、飲酒後の帰宅途中に後輩職員のスマートフォンを使って110番へ複数回「ワン切り」し、警察からの折り返し電話に「助けて」などとうその内容を伝えたとして、軽犯罪法違反の疑いで書類送検され、明石簡易裁判所から科料9000円の略式命令を受けていたことが分かりました。
スマートフォンを貸した20代の男性職員も、軽犯罪法違反ほう助の疑いで書類送検されましたが、起訴猶予処分となっています。
30代職員は消防局の聞き取りに、
「悪ふざけがエスカレートした。消防人としてあるまじき行為だった」
と話しているということです。
明石市は現在、2人に対する懲戒処分を含む対応を検討しています。
飲酒後、後輩のスマホから110番に数回「ワン切り」
問題が起きたのは2026年6月の夜です。
30代職員は同僚ら3人と明石市内で飲食した後、帰宅する途中、20代の後輩職員が所有するスマートフォンを使って110番へ電話をかけました。
通報は1回ではなく、呼び出し後すぐに切る、いわゆる「ワン切り」を数回繰り返したとされています。
その後、警察側から折り返しの連絡があり、30代職員は、
「助けて」
などと、実際には起きていない内容を伝えたということです。
虚偽通報で警察が確認 その後の捜査で発覚
110番は事件や事故など、緊急対応が必要な場合に警察へ通報するための制度です。
今回の通報を受け、警察側が事実関係を確認したところ、内容が虚偽だったことが判明しました。
その後の捜査で、実際に電話をかけたのが30代職員だったことや、使用されたスマートフォンが20代職員のものだったことが確認されたとされています。
単なる誤発信ではなく、複数回にわたり110番へ電話したうえ、折り返しに虚偽の内容を伝えた点が今回の事案の中心です。
30代職員を書類送検 明石簡裁が科料9000円
警察は30代職員を軽犯罪法違反の疑いで書類送検しました。
その後、明石簡易裁判所から科料9000円の略式命令を受けています。
「科料」は刑事上の刑罰の一つで、行政上の「過料」とは異なります。
今回の9000円という金額だけを見ると軽く感じられる可能性がありますが、刑事手続きとして処理された事案です。
スマホを貸した20代職員も書類送検 起訴猶予に
スマートフォンを貸した20代職員についても、警察は軽犯罪法違反ほう助の疑いで書類送検しました。
一方、検察はこの職員について起訴猶予処分としました。
起訴猶予は、裁判所が有罪・無罪を判断した結果ではなく、検察が起訴しないと判断した処分です。
現時点では、20代職員がどの段階で30代職員の虚偽通報の意図を認識していたのか、スマートフォンを渡す際にどの程度事情を把握していたのかなど、詳しい経緯は公表されていません。
「悪ふざけがエスカレートした」
30代職員は消防局の聞き取りに対し、
「悪ふざけがエスカレートした。消防人としてあるまじき行為だった」
と説明しているということです。
今回の問題は、飲酒後の内輪の悪ふざけだけでは済みません。
110番に虚偽の通報が入れば、警察が実際には存在しない緊急事案への確認対応を求められ、その間に別の事件や事故への対応へ影響する可能性があります。
特に今回の当事者は、消防という緊急対応を担う組織の職員です。
緊急通報の重要性を理解する立場の職員が虚偽通報に関わったことについて、明石市がどのような懲戒判断をするのかが焦点となります。
なぜ「ワン切り」から虚偽通報まで繰り返したのか
今回、さらに確認が必要なのは、悪ふざけがどのような経緯でエスカレートしたのかです。
確認されているのは、
110番へ数回ワン切りしたこと。
警察からの折り返し電話に「助けて」などと虚偽の内容を伝えたこと。
30代職員が軽犯罪法違反で書類送検され、科料9000円の略式命令を受けたこと。
20代職員もほう助容疑で書類送検され、起訴猶予となったこと。
までです。
一方で、30代職員がなぜ繰り返し110番をしたのか、20代職員がどの段階でその意図を把握していたのかについては明らかになっていません。
明石市は2人の処分を検討
刑事手続きとは別に、明石市は2人に対する内部処分を検討しています。
10月11日時点で、具体的な懲戒内容は公表されていません。
今後の確認点は、
虚偽通報を繰り返した詳しい経緯。
20代職員が虚偽通報の意図をどの段階で認識していたのか。
明石市がどのような懲戒判断を行うのか。
消防局がどのような再発防止策を示すのか。
という点です。
編集部まとめ
明石市消防局の30代男性職員が、飲酒後の帰宅途中に後輩職員のスマートフォンを使い、110番へ数回「ワン切り」したうえ、警察からの折り返しに「助けて」などとうその内容を伝えたとして書類送検されました。
30代職員には、明石簡易裁判所から科料9000円の略式命令が出ています。
スマートフォンを貸した20代職員も軽犯罪法違反ほう助の疑いで書類送検されましたが、起訴猶予処分となりました。
30代職員は「悪ふざけがエスカレートした。消防人としてあるまじき行為だった」と説明しています。
問題は、単なる内輪の悪ふざけではなく、緊急通報を扱う消防組織の職員が虚偽の110番に関わったことです。
明石市は2人への処分を検討しており、具体的な懲戒判断と再発防止策が今後の焦点となります。
週刊TAKAPI 編集部/松本
特記事項
本稿は2026年10月11日までに確認できた明石市消防局の説明、刑事手続きに関する公表情報などをもとに構成しています。
30代男性職員には軽犯罪法違反で科料9000円の略式命令が出ています。
20代男性職員については軽犯罪法違反ほう助の疑いで書類送検されましたが、起訴猶予処分となっています。
「科料」と行政上の「過料」は異なるため、本稿では確認された処分内容に沿って「科料9000円」と表記しています。
明石市による懲戒処分は現時点で公表されていません。

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