2人死亡・16人けが、大阪・泉佐野と泉大津でだんじり横転 亡くなった2人は「たかり」役

だんじり曳行の写真に「2人死亡」「16人けが」「だんじり横転」と記した報道アイキャッチ

大阪府泉佐野市と泉大津市で2026年10月10日、祭りで巡行中のだんじりが横転し、男性2人が死亡、祭り関係者16人が重軽傷を負った。亡くなった2人はいずれも、車体の側面でバランスを取る「たかり」役だった。11日午後の報道でも死傷者数は同じで、大阪府警がそれぞれの事故の詳しい経緯を調べている。

約2時間20分の間に、別々の市で死亡事故

泉佐野市では10日午前11時ごろ、長滝の「長滝西」交差点で、右折しようとしただんじりが右側へ倒れた。右側面にいた同市の会社役員、奥貴博さん(51)が車体と道路の間に挟まれ、搬送先の病院で死亡が確認された。ほかに男性7人が負傷した。

午後1時20分ごろには、泉大津市宮町の交差点でも、右折中のだんじりが横転した。和泉市の会社員、近藤真吾さん(48)が下敷きになって死亡し、ほかに男性9人がけがをした。約2時間20分の間に、別々の市で死亡事故が相次いだ。

車体の側面を支える「たかり」

「たかり」は、だんじりの側面に取り付き、自分の体重を使って車体のバランスを調整する役割だ。泉大津市で亡くなった男性も、右側面にぶら下がって引き、車体が浮かないように支えていたという。

この事故については、側面を引く操作によってバランスが崩れた可能性を府警がみていると報じられている。ただし、捜査段階の見方であり、事故原因や個人の責任が確定したものではない。

「やりまわし」を支える複数の役割

泉佐野市の事故は、勢いをつけて角を曲がる見せ場「やりまわし」の際に起きた。だんじりの方向転換には、曳き手の力に加え、複数の担当者による操作と合図が関わる。

岸和田市の公式解説では、前方の「前梃子」が内側の車輪の回転を抑えて旋回のきっかけをつくり、屋根上の「大工方」が進行方向を指示する。その合図を受け、後方の「後梃子」の担当者が綱を引いたり、肩で押したりして車体の向きを変える。

これは曳行の一般的な仕組みの説明であり、今回の事故で各担当者がどのように操作したかは明らかになっていない。

1週間前には堺市でも11人が負傷

府内では、死亡事故の1週間前にも横転事故が起きていた。

3日午後7時40分ごろ、堺市中区深井沢町の交差点で、祭りのだんじりが横転したとの119番通報があった。乗っていた人など10~60代の男性11人が頭などにけがをして搬送された。いずれも搬送時には意識があったという。府警中堺署は、左折しようとした際に横転したとみている。

泉佐野・泉大津の2件は右折時、堺市の事故は左折時に発生した。短期間に3市で方向転換中の横転が起きているが、進入速度や操作の経過、事故原因が共通するかは確認されていない。

泉大津市は「自主運営・自主警備」と説明

泉大津市が9月に公表した開催案内では、祭りは各町・各団体の自主運営・自主警備で行われると説明されている。事前の日程では、4日に試験曳き、10日と11日に本祭りが予定されていた。

この案内は事故前に公表されたもので、事故後の曳行の継続・中止や、安全対策の変更を示すものではない。

編集部まとめ

今回の2件では、側面で車体を支える担当者が命を落とした。原因究明では、旋回時の車体の動き、各担当者の操作、合図の伝達を具体的に検証する必要がある。

再発防止に向けては、危険な兆候を誰が把握し、誰の判断で曳行を止めるのかも確認すべき点となる。直前の堺市の事故を含め、地域を越えて事故情報を共有し、安全対策に反映できるかが問われる。

週刊TAKAPI 編集部

特記事項

情報確認の基準日は2026年10月11日午後。死傷者数は同日12時48分配信のテレビ朝日報道に基づき、死亡2人、負傷16人とした。負傷者の内訳は泉佐野市7人、泉大津市9人。死亡者は負傷者数に含めていない。

泉大津市の側面操作に関する記述は、関西テレビが伝えた府警の見方に基づく。確定した事故原因として扱っていない。

堺市の事故は10月4日掲載の報道を参照した。今回の2件とは別の事故であり、死傷者数を合算していない。

曳行の仕組みは岸和田市の公式資料、運営体制は泉大津市の開催案内を参照した。岸和田市の説明を、今回の事故原因の裏付けには用いていない。

本稿は公開報道と自治体資料に基づく。警察や主催者への独自取材は行っていない。事故後の各団体の対応と、事故が起きた祭りの具体的な安全基準は未確認。

Q泉佐野市と泉大津市の事故の死傷者は何人ですか?
A10月11日午後に確認した報道では、男性2人が死亡し、16人が負傷しました。負傷者は泉佐野市で7人、泉大津市で9人です。
Q「たかり」はどのような役割ですか?
Aだんじりの側面に取り付き、自分の体重を使って車体のバランスを調整する役割です。今回亡くなった2人はいずれも、この役を担っていました。
Q事故原因は確定していますか?
A詳しい原因は調査中です。泉大津市の事故では側面を引く操作との関係について府警の見方が報じられていますが、原因や個人の責任が確定したわけではありません。
Q直前にも大阪府内で横転事故がありましたか?
A10月3日、堺市中区深井沢町で、左折しようとしただんじりが横転したとみられる事故があり、男性11人が負傷しました。泉佐野市と泉大津市の事故とは別の事故です。
Q泉大津市の祭りは誰が運営していますか?
A市の開催案内では、各町・各団体の自主運営・自主警備で行われると説明されています。この事前案内から、事故後の曳行判断や安全対策の変更は確認できません。

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