【愛知県】アルカディア不正アクセスで25市町に影響 豊橋市も注意喚起、約19万件の個人情報漏えいの可能性

アルカディアへの不正アクセスで愛知県内25市町に影響が広がり、豊橋市も公表。約19万件の個人情報漏えいの可能性を伝える週刊TAKAPIの報道用アイキャッチ画像。

自治体向けの防災情報配信システムなどを手がける株式会社アルカディアが第三者による不正アクセスを受けた問題で、愛知県内の自治体に影響が広がっている。

テレビ愛知が県内自治体に取材したところ、2026年10月15日午後3時時点で、名古屋市や岡崎市など25市町が同社に災害情報などのメール配信を委託しており、少なくとも約19万件の個人情報が漏えいした可能性があることが分かった。

東三河地域では、豊川市が3万6,328件、田原市が約1万3,600件の登録情報について漏えいの可能性を公表している。

さらに、豊橋市も10月14日、「豊橋ほっとメール」の運営会社が不正アクセスを受けたことを公表した。

ただし、豊橋市は現時点で市の個人情報の漏えいを確認しておらず、メール配信も継続している。

県内では一宮市、稲沢市、愛西市、瀬戸市、尾張旭市、東浦町、知多市、津島市、あま市、小牧市、春日井市、岡崎市、碧南市、高浜市、西尾市、知立市などでも影響が指摘されている。

今回の問題は、防災情報を受け取る市民の個人情報だけでなく、職員の緊急連絡網や、音声による119番通報が難しい人のための緊急通報システムにも及んでいる。

アルカディアの不正アクセスとは?2026年10月に発生した問題の経緯

株式会社アルカディアは、大阪府に本社を置き、自治体などに防災情報配信サービスを提供している企業だ。

今回の問題では、同社の「SpeeCAN RAIDEN(スピーキャン・ライデン)」をはじめ、関連する情報配信・緊急通報サービスで不正アクセスが確認された。

アルカディアは10月11日午後4時30分ごろに不審な挙動を確認。12日午前3時ごろに侵入経路を遮断する応急措置を行った。

その後、13日に一部サービスを緊急停止し、個人情報が漏えいした可能性を公表した。

不正アクセス発覚から10月15日までの経緯

日付主な動き
10月11日アルカディアが不審な挙動を確認
10月12日侵入経路を遮断する応急措置
10月13日一部サービスを緊急停止、個人情報漏えいの可能性を公表
10月14日豊橋市、豊川市など各自治体が公表・注意喚起
10月15日愛知県内25市町、約19万件に影響の可能性が報道

アルカディアは10月15日、一部環境について同日午後3時ごろの復旧予定を案内している。ただし、個々の自治体でサービスが再開されたかどうかは、各自治体の最新発表を確認する必要がある。

愛知県内のどこの市町村に影響?豊橋市を追加した自治体一覧

今回の問題では、尾張、知多、西三河、東三河の広い地域で影響が指摘されている。

県内の自治体・機関について、これまでの公表・報道で挙がった名称と、個別に確認できた内容を整理した。

地域自治体・機関主な状況
県の機関愛知県警安否確認システムへの影響が指摘
尾張一宮市防災メールなどに影響
尾張稲沢市、愛西市影響先として名前が挙がる
尾張瀬戸市Net119登録者26人に漏えいの可能性
尾張尾張旭市Net119に影響の可能性
尾張津島市市民・職員の登録情報に影響
尾張あま市、小牧市、春日井市影響先として名前が挙がる
知多東浦町影響先として名前が挙がる
知多知多市職員約700件に漏えいの可能性
西三河岡崎市影響自治体として報道
西三河碧南市、高浜市影響先として名前が挙がる
西三河西尾市最大3,491件に漏えいの可能性
西三河知立市防災メール・高齢者捜索メールに影響
東三河豊橋市不正アクセスを公表。市の情報漏えいは未確認
東三河豊川市36,328件に漏えいの可能性
東三河田原市約13,600件に漏えいの可能性
その他名古屋市Net119登録者情報に影響の可能性

このほか、東郷町、東海市、豊明市でも関連する情報漏えいの可能性が報じられている。

※上表は影響や注意喚起が指摘された自治体・機関の整理であり、テレビ愛知が報じた「25市町」の完全な内訳と同一であることを確認した一覧ではない。また、名前が挙がったすべての自治体で情報漏えいが確認されたわけではない。

【豊橋市】豊橋ほっとメールの運営会社が不正アクセス 個人情報漏えいは確認されず

10月14日・豊橋市公式発表

今回の問題で新たに注目されるのが豊橋市の対応だ。

豊橋市は10月14日、市が利用する「豊橋ほっとメール」の運営会社であるアルカディアから、不正アクセスにより契約自治体の個人情報が漏えいした可能性があるとの報告を受けたと公表した。

市によると、アルカディアは外部からの不正な侵入経路となっていたサービスを緊急停止したが、豊橋市が利用するサービスは停止対象外だった。

このため、「豊橋ほっとメール」は引き続き配信されている。

また、市は10月14日時点で、豊橋市の個人情報の漏えいを確認していないと説明している。

豊橋市の公表内容

確認項目状況
対象サービス豊橋ほっとメール
運営会社株式会社アルカディア
不正アクセス運営会社のシステムで確認
豊橋市の情報漏えい確認されていない
配信サービス継続中
市民への注意喚起不審メールのURL・添付ファイルを開かない

豊橋市は、登録したメールアドレスに不審なメールが届いた場合、個人情報の入力や回答をしないよう呼びかけている。

豊橋市では情報が漏れていないと断定できる?

市が公表したのは、現時点で漏えいを確認していないという内容だ。

これは、今後も絶対に漏えいが判明しないという意味ではない。

運営会社の調査が続いているため、追加の情報が公表される可能性もある。

一方で、豊橋市の個人情報が流出したと断定する根拠も現段階ではない。

【豊川市】とよかわ安心メール3万6,328件に漏えいの可能性

豊川市は10月14日、防災や気象情報を配信する「とよかわ安心メール」について、登録情報が漏えいした可能性があると公表した。

対象は2026年10月1日時点で3万6,328件。

登録区分件数
市民登録者32,576件
市職員登録者3,752件
合計36,328件

漏えいした可能性のある情報は、メールアドレスなどの連絡先情報だ。

豊川市は、10月13日午前10時48分に運営会社から不正アクセスが疑われる事案について連絡を受けたとしている。

システムの緊急停止に伴い、停止期間中の緊急情報は防災アプリ、公式ホームページ、公式LINEなどで発信すると案内した。

【田原市】防災情報メール約1万3,600件に漏えいの可能性

東三河の田原市でも、アルカディアが運営する防災情報メールの登録情報に影響が出ている。

東海テレビによると、田原市は登録されたメールアドレス約1万3,600件について漏えいの可能性があると公表し、登録者に注意喚起のメールを送信した。

豊橋・豊川・田原の対応を比較

項目豊橋市豊川市田原市
漏えいの可能性市の漏えいは未確認ありあり
対象登録件数未公表・未確認36,328件約13,600件
配信状況継続緊急停止を公表最新状況は要確認
市民への対応注意喚起代替手段を案内登録者に注意喚起

同じ東三河地域でも、運営会社の不正アクセスによる影響や対応が異なっている。

【一宮市】防災メール2万1,503件に加え、Net119の登録177件にも影響

一宮市は10月15日、「あんしん・防災ねっと」などに登録された情報について、漏えいの可能性を公表した。

対象には、市民が登録したメールアドレス2万1,503件と、河川の避難情報に関係する町会長の氏名・メールアドレス・電話番号128件が含まれる。

さらに同日、市消防本部が利用するNet119緊急通報システムについても、登録177件の情報に漏えいの可能性があると発表した。

市は「あんしん・防災ねっと」「火災メール119」とNet119の新規登録受付を停止し、安全対策が確認でき次第再開するとしている。

【西尾市】最大3,491件 職員番号・所属・役職も対象

西尾市は10月14日、防災情報などのメール配信サービスについて、最大3,491件の登録情報が漏えいした可能性を公表した。

内訳は市民登録者1,191件、職員登録者2,300件。

職員情報には、氏名やメールアドレスに加え、職員番号、所属、役職も含まれている。

市は、住所、電話番号、パスワードは登録されておらず、公表時点で二次被害は確認されていないと説明している。

【津島市】市民5,622人、職員463人の情報に漏えいの可能性

津島市は、防災ほっとメールの登録情報について漏えいの可能性を公表した。

対象は市民登録者5,622人と職員463人。市民向けサービスには、認知症などで行方不明になった高齢者の捜索に関係する「かえるネットつしま」の利用者も含まれている。

一方、市が利用するシステムは緊急停止の対象外で、防災ほっとメールは通常どおり運用している。

【知多市】市民情報への影響はなし 職員約700件に漏えいの可能性

知多市は10月15日、アルカディアのシステムを市職員用の災害時参集メールとして利用していることを公表した。

市民の個人情報は同システムで扱っていないため、今回の事案による市民情報の漏えいはないとしている。

ただし、職員名、職員番号、メールアドレスを含む約700件の登録情報については漏えいの可能性がある。

知多市

【瀬戸市】Net119登録者26人の個人情報に影響の可能性

瀬戸市は10月15日、Net119緊急通報システムに登録された26人の個人情報について、漏えいした可能性があると発表した。

対象には氏名、生年月日、性別、住所、メールアドレス、FAX番号などが含まれる。

市は、現時点で第三者による不正利用は確認されていないとしている。

なお、別事業者が運営する「瀬戸市安全安心情報メール(forLINE)」については、個人情報漏えいの情報はないと説明している。

【名古屋市】Net119登録者557人に影響 住所や生年月日も対象

名古屋市は10月14日、Net119緊急通報システムに登録された557人の個人情報について漏えいの可能性を公表した。

登録情報には氏名、生年月日、性別、住所、メールアドレス、FAX番号などが含まれる。

Net119は、聴覚や音声・言語機能などに障害があり、音声で119番通報することが難しい人が利用するサービスだ。

市は登録者への周知と注意喚起を行っている。

【知立市】防災情報メールだけでなく高齢者捜索システムにも影響

知立市では、防災情報メールと「いまどこねっと(徘徊高齢者捜索メール配信システム)」の登録情報に漏えいの可能性がある。

「いまどこねっと」では、メールアドレスに加え、事前登録された高齢者の氏名、生年月日、身長、体格、頭髪、写真なども対象となる可能性がある。

市は愛知県と総務省へ報告し、委託業者に原因究明と再発防止策の報告を求めている。

個人情報約19万件は本当に流出した?「漏えいの可能性」との違い

今回、愛知県内で報じられている約19万件という数字は、実際に外部へ流出したことが確定した件数ではない。

自治体などが把握している、漏えいした可能性のある登録情報の規模を示している。

また、自治体ごとの件数は登録件数であり、必ずしも実人数と一致するとは限らない。複数のサービスへの重複登録が含まれる可能性もある。

今後の調査で、実際の流出の有無や対象範囲が明らかになることが重要だ。

防災メールの登録者は何をすべき?不審メールや詐欺への対策

自治体や運営会社を装ったメールが届く可能性もあるため、登録者は次の点に注意する必要がある。

  • 心当たりのないメールのURLを開かない。
  • 不審な添付ファイルをダウンロードしない。
  • メールで求められてもパスワードや口座情報を入力しない。
  • 自治体からの案内かどうか公式ホームページで確認する。
  • 防災メールが停止している地域では、公式アプリやLINEなどの代替手段を確認する。

知多市では、一部の職員に利用したことのないカード会社を名乗る不審なメールが届いたと報じられている。ただし、このメールと今回の不正アクセスとの因果関係は確認されていない。

編集部の考察|自治体ごとに異なる対応、委託先の安全管理も検証課題

今回の問題では、同じ運営会社を利用している自治体でも、登録情報への影響やサービス停止の状況が異なっている。

例えば、豊橋市は情報漏えいを確認しておらず配信を継続。一方、豊川市では3万6,328件の登録情報に漏えいの可能性があるとして、緊急停止と代替手段による情報発信を公表した。

週刊TAKAPI編集部としては、こうした違いが生じた理由を検証する必要があると考える。

特に確認すべきなのは、各自治体が利用するサーバーやシステムの構成、登録情報の管理方法、不正アクセス発覚後の報告体制、サービス停止時の代替手段などだ。

ただし、現段階で自治体や運営会社の具体的な管理上の過失が確定したわけではない。責任の所在については調査結果を待つ必要がある。

Q豊橋市の「豊橋ほっとメール」は退会した方がいい?
A豊橋市は10月14日時点で一律の退会を求めていない。市の個人情報の漏えいは確認されず、サービスも継続している。まずは公式発表を確認することが重要だ。
Qメールアドレスを変更すれば情報漏えいの被害を防げる?
Aメールアドレスの変更だけで、すべてのリスクをなくせるわけではない。登録情報の種類や実際の流出状況によって必要な対策は異なるため、自治体の案内を確認する必要がある。
QNet119は通常の119番通報とどう違う?
ANet119は、音声で119番通報することが難しい人向けのインターネットを利用した緊急通報システムだ。今回の不正アクセスに伴う利用状況や新規登録の受付状況は、各消防本部の案内を確認する必要がある。
Q今後、愛知県内の対象自治体が増える可能性は?
Aある。10月15日時点でも調査が続いており、新たな自治体やサービスへの影響が判明する可能性がある。一方、調査によって漏えいの可能性が否定されるケースも考えられる。

今後の焦点は個人情報の流出実態と防災システムの安全性

アルカディアへの不正アクセス問題は、愛知県内の防災情報配信サービスや緊急通報システムに広く影響を及ぼしている。

豊橋市でも運営会社の不正アクセスを受けて注意喚起が行われたが、市の個人情報の漏えいは現時点で確認されていない。

今後は、運営会社による原因究明、個人情報の実際の流出範囲、自治体ごとの安全対策、停止したサービスの再開状況が焦点となる。

週刊TAKAPIでは、東三河地域を含む愛知県内自治体の対応を引き続き確認していく。

※本記事は2026年10月15日時点の自治体公式発表および報道をもとに作成。個人情報の漏えいの可能性と実際の流出は区別して記載している。

週刊TAKAPI 編集部/黒木

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