【北海道・釧路町】「撮り鉄」の23歳男を逮捕 線路脇の木をチェーンソーで切断か、「ラストチャンスだった」と供述

北海道釧路町のJR釧網線沿いで樹木をチェーンソーで切断した疑いで、撮り鉄の23歳男が逮捕された事件の報道画像

北海道釧路町のJR釧網線沿いで、観光列車を撮影するために樹木をチェーンソーで切断し、鉄道の運行に危険を生じさせたとして、神奈川県相模原市のタクシー運転手、渡部広大容疑者(23)が電汽車往来危険の疑いで逮捕された。

渡部容疑者は鉄道写真の撮影を趣味とする、いわゆる「撮り鉄」。捜査関係者への取材に基づく15日までの報道で、運行終了が迫っていた観光列車「夕陽ノロッコ号」を撮影する最後の機会だったとして、撮影条件を良くするために木を切ったという趣旨の供述をしていることが明らかになった。

事件の現場周辺では、約1キロにわたる樹木の切断や、鉄道の通信ケーブルを支える木柱4本の損傷も確認されている。ただし、これらすべてが渡部容疑者によるものと確認されたわけではない。

9月30日に樹木を切断か 通信ケーブルに倒木が接触

北海道警釧路署によると、渡部容疑者は9月30日午後1時ごろから午後2時35分ごろまでの間、釧路町トリトウシのJR釧網線、遠矢駅と釧路湿原駅の間にある鉄道用地内で、樹木をチェーンソーで切断した疑いが持たれている。

切断した木を鉄道の通信ケーブルに接触させ、列車の往来に危険を生じさせた疑いがある。通信ケーブルは列車の信号や踏切の制御などに関係する設備だ。

警察の調べに対し、渡部容疑者はチェーンソーで線路沿いの木を切り、ケーブルに引っ掛けながら倒したことを認めているという。

渡部容疑者は10月12日に逮捕され、14日に釧路地方検察庁へ送検された。

逮捕容疑とは別に、9月24日には木柱の損傷情報

事件現場周辺では、渡部容疑者が木を切断したとされる9月30日より前から、鉄道施設の損傷が問題となっていた。

JR北海道には9月24日、遠矢駅と釧路湿原駅の間で通信ケーブルを支える木柱が損傷しているとの情報提供があった。

同社が調査したところ、直径約20センチの木柱4本に、最大約10センチのV字状の切り込みが確認された。木柱が倒れないよう金属で補強する措置が取られ、この設備損傷による列車の運行への影響はなかったと報じられている。

さらに、10月7日にJR北海道釧路支社が発表した資料では、遠矢駅から約1.6キロ付近を中心に、約1キロの区間で複数の樹木が切断され、線路付近の草木が抜かれていることも明らかにされた。

同社は周辺のパトロールを強化し、警察に被害を相談していた。

木柱の損傷は9月30日以前に情報提供されており、今回の逮捕容疑と同一の行為によるものとは断定できない。警察は周辺で確認された設備損傷などとの関連も調べている。

「夕陽ノロッコ号」の最終日、撮影条件を良くしたかったと供述

渡部容疑者が撮影しようとしていたのは、北海道東部の釧路湿原を走る観光列車「夕陽ノロッコ号」だった。

同列車は9月20日から30日までの期間限定で運行されており、事件が発生したとされる9月30日は最終運行日に当たる。

捜査関係者への取材に基づく報道によると、渡部容疑者は撮影できる最後の機会だったため、少しでも条件を良くしたかったという趣旨の供述をしている。

「夕陽ノロッコ号」を含む「くしろ湿原ノロッコ号」は1989年に運行を開始。釧路湿原の自然を楽しめる観光列車として37年間親しまれ、2026年10月10日に最後の運行を終えた。

樹木が切断された現場付近は直線の線路が続き、列車の撮影場所として知られていた。人気列車の引退を前に起きた事件で、撮影目的の行為が鉄道の安全に危険を及ぼしたとして捜査の対象となっている。

電汽車往来危険の疑いで捜査 木柱損傷との関連も調べる

今回適用された電汽車往来危険の容疑は、樹木を無断で切断したこと自体ではなく、その行為によって列車の往来に危険を生じさせたとするものだ。

鉄道の安全に関わる通信ケーブルへの接触が、逮捕容疑の中心となっている。

9月下旬から確認されていた木柱の損傷と、9月30日に発生したとされる樹木切断行為との関係については、引き続き捜査が進められる。

編集部まとめ

北海道釧路町のJR釧網線沿いで樹木をチェーンソーで切断した疑いにより、鉄道写真愛好家の23歳の男が逮捕された。観光列車の撮影条件を良くしたかったという趣旨の供述をしていることが、捜査関係者への取材で明らかになっている。

JR北海道は、現場周辺の約1キロにわたる樹木の切断と木柱4本の損傷を確認している。木柱については逮捕容疑の発生日前から損傷情報が寄せられており、今回の事件との関連は捜査段階にある。

週刊TAKAPI 編集部/松本

特記事項

本記事は2026年10月15日時点の情報に基づき、JR北海道釧路支社が10月7日に公表した資料、JR北海道の公式運行情報、北海道警釧路署の捜査内容に関する報道を照合して構成した。

9月24日に情報提供された木柱の損傷と、9月30日の逮捕容疑を区別して記載している。約1キロにわたる樹木切断について、すべてが容疑者の行為と確認されたわけではない。

本稿は公表資料および報道に基づくもので、週刊TAKAPIによる警察やJR北海道への独自取材を実施したものではない。

逮捕・送検は有罪を意味するものではなく、刑事責任については今後の司法手続きで判断される。

Q撮り鉄の23歳の男はなぜ逮捕されたのですか?
AJR釧網線沿いの樹木をチェーンソーで切断し、倒木を通信ケーブルに接触させて列車の往来に危険を生じさせた疑いで逮捕されました。
Q事件は北海道のどこで発生しましたか?
A北海道釧路町トリトウシにあるJR釧網線の遠矢駅と釧路湿原駅の間です。
Qなぜ線路脇の木を切断したのですか?
A捜査関係者への取材に基づく報道によると、夕陽ノロッコ号を撮影する最後の機会だったため、撮影条件を良くしたかったという趣旨の供述をしています。
Q約1キロにわたる樹木の切断はすべて容疑者が行ったのですか?
Aすべての行為について関与が確認されたわけではありません。木柱の損傷については9月24日に情報提供があり、警察が関連を調べています。
Qくしろ湿原ノロッコ号はいつ運行を終了しましたか?
A37年間の運行を経て、2026年10月10日に終了しました。夕陽ノロッコ号の最終運行日は同年9月30日です。

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