【新潟・見附市】「死ね」発言など3事案のいじめ認定 重大事態の初動不十分、市教委も具体策示せず

新潟県見附市の小学校で「死ね」発言などのいじめが認定され、学校と市教育委員会の対応不足が指摘された問題を伝える報道画像

新潟県見附市の市立小学校で発生したいじめ重大事態について、学校が児童の欠席状況を把握しながら重大事態との認識を持たず、初期対応が不十分だったことが第三者委員会の調査で明らかになった。

見附市教育委員会も学校から報告を受けていたが、具体的で効果的な対応を指示できず、医療機関など外部機関との連携も不十分だったと指摘されている。

市は2026年9月28日、同年3月13日付の調査報告書の概要と再発防止策を公表した。

下校中に「死ね」、田んぼに落とそうとする行為も認定

調査報告書によると、2025年4月16日、児童が下校中に同級生から拳を振り上げられ、ランドセルを押されるなどした。

第三者委員会は、児童を田んぼに落とそうとする行為や「死ね」という発言も認定した。ただし、拳を振り上げた行為について、実際に殴ったとは認定していない。

その後、7月初めと9月の自然教室でも、児童に心理的な負担を与える発言があったと認定された。

一方、7月と9月の事案については、申し立てられた具体的な暴言の文言までは裏付けが得られず、調査委員会もそのまま認定していない。

委員会は、3つの事案で認定された一連の行為について、被害児童が心身の苦痛を感じていたと評価し、いじめに該当すると判断した。

さらに、9月の自然教室後に欠席が長期化した主な原因は、認定したいじめ行為にあると結論付けている。

学校はいじめを把握、対策委員会も開催していた

学校側は、最初の事案が発生した翌日の4月17日、保護者から連絡を受けて状況を把握した。

関係児童への聞き取りを行い、21日には校内のいじめ対策委員会を開催。23日には関係児童らによる話し合いの場を設け、双方の保護者に対応内容を報告していた。

その後、7月の事案については9月8日に、自然教室での事案については同月18日に保護者から相談を受け、学校はそれぞれ対応した。

しかし、児童が安心して登校できる状態には至らなかった。

第三者委員会は、学校側が状況確認や見守りを続けていたことを認めながらも、具体的な支援が不十分だったと評価している。

以前から欠席が多く、重大事態の認識につながらず

今回の調査で特に問題とされたのが、欠席状況に対する学校側の判断だ。

被害児童は以前から欠席が多く、学校は登校できない状況について、これまでと同様の状態だと受け止めていた。

第三者委員会は、この判断によって重大事態との認識を持たず、初期対応が不十分になったと指摘した。

一方、委員会は過去の欠席と今回のいじめによる欠席を区別して検証。9月の自然教室後には、それまでとは異なる形で欠席が長期化していたと評価している。

以前から不登校傾向があったことを理由に、新たないじめによる影響を十分に捉えられなかった点が問題となった。

見附市教委は2025年9月29日に重大事態と認定。その後、10月9日に保護者から正式な申立書が提出され、11月10日から第三者委員会による調査が始まった。

市教委も対応把握、第三者委は「ケースマネジメントが脆弱」と指摘

学校は市教育委員会に対して、いじめに関する状況や対応を報告していた。

市教委もその都度、学校と情報を共有し、指導や助言を行っていたという。

しかし、第三者委員会は、市教委が効果的な具体策を指示できなかったことに加え、医療機関など外部機関の導入について積極的な働きかけがなかったと指摘。「ケースマネジメントが脆弱だった」と評価している。

学校だけで解決することが難しい状況で、教育委員会がどのような支援体制を整えるべきだったのか。

今回の報告書は、校内の対応だけでなく、設置者である市教委の関与のあり方にも課題を示した。

「いじめ見逃しゼロ」でも具体的対応は不十分

学校は、年間のいじめ防止学習プログラムを作成し、6月を「いじめ見逃しゼロ強調月間」として指導していた。

第三者委員会は、学校全体で計画的にいじめに対応しようとする意識は認めている。

その一方、被害児童への支援や関係児童への対応について、具体性のある一貫した対応ができなかったと指摘した。

市教委は再発防止策の中で、被害を受けた児童にも問題があるとする「お互いさま」という見方で初期対応しないよう、学校側に求めている。

また、謝罪があっただけでいじめが解決したと判断せず、行為が止んでいることに加え、被害児童が心身の苦痛を感じていないことを確認するよう定めた。

重大事態の認定、遅くとも1か月以内を目標に

見附市教委が2026年9月にまとめた再発防止策では、重大事態の判断を速やかに行う方針も示されている。

不登校に関する重大事態の判断について、年間30日の欠席という形式的な目安だけに依存せず、学習機会が実質的に確保されているか、心身の苦痛によって通常の教室に登校できない状態が続いているかを確認する。

そのうえで、市独自の対応方針として、いじめの認知から遅くとも1か月以内に重大事態の認定を行うとしている。

市教委は各学期1回の学校訪問や、毎月提出されるいじめ報告の精査、教職員研修、記録様式の整備なども掲げた。

ただし、こうした対策が実際に各学校でどこまで実施されているのかは、今回の公表資料だけでは確認できない。

編集部まとめ

第三者委員会が問題視したのは、学校と市教委が情報を共有しながら、被害児童の状況改善につながる具体策を示せなかったことだ。

過去の欠席状況と、新たないじめによる影響をどう見極めるかも、今回の調査で浮かび上がった課題となった。

見附市教委は再発防止策をまとめた。今後は、認定判断の迅速化や被害児童への支援が実際の学校現場で機能しているかが問われる。

特記事項

本記事は、見附市教育委員会が2026年9月28日に公表した第三者委員会調査報告書の概要および再発防止策に基づき構成した。児童の特定につながる情報は掲載していない。

Qどこの学校で起きた問題ですか?
A新潟県見附市内の市立小学校で発生したいじめ重大事態です。本記事では児童の特定を避けるため、学校名は掲載していません。
Qどのようないじめが認定されましたか?
A2025年4月の暴言やランドセルを押す行為などに加え、7月と9月に児童へ心理的負担を与える発言があったことが認定されました。ただし、7月と9月に申し立てられた具体的な文言は認定されていません。
Q学校はいじめを放置していたのですか?
A学校は聞き取りや対策委員会の開催などを行っていました。しかし、第三者委員会は初期対応や具体的な支援が不十分だったと評価しています。
Q市教育委員会にも問題があったのですか?
A第三者委員会は、市教委が効果的な具体策を指示できず、医療機関など外部機関との連携についても積極性を欠いていたと指摘しています。
Q再発防止策では何が変わりますか?
Aいじめを認知した後の迅速な重大事態認定、学校訪問、月例報告の精査、記録の整備、被害児童への継続的な支援などが盛り込まれています。実際の運用状況は今後の確認が必要です。

週刊TAKAPI 編集部/松本

WEEKLY TAKAPI — OFFICIAL CONTACT

TAKAPI LEAKS

その情報が、社会を動かす。

情報提供・取材相談・記事の訂正や削除依頼を
全国から受け付けています。

◆ ご連絡内容は慎重に取り扱います

情報提供・各種お問い合わせ ↗

記事の訂正・削除依頼もこちらから

コメント

0件

まだコメントはありません。最初のコメントを投稿してみませんか。

コメントを投稿する

名前は空欄でも投稿できます。その場合は「匿名」と表示されます。