神奈川県横浜市の開業医が、退職を希望していた女性看護師について、別の勤務先に虚偽の情報を記載したFAXを送り、名誉を傷つけた疑いで警視庁に逮捕された。女性は約2年前から退職を申し出ていたが、人手不足を理由に断られ、退職代行サービスを利用していたという。退職を巡るトラブルが、女性の別の勤務先にまで及んだとされる事件だ。
名誉毀損の疑いで逮捕されたのは、横浜市の開業医、河村岳晴容疑者(65)。2026年6月、自身のクリニックで働いていた50代の女性看護師が別に勤務する東京都内の病院に、女性について虚偽の内容を記したFAXを送り、社会的評価を傷つけた疑いが持たれている。
FAXには、女性が「無断で院内の経費で私物を購入していた」「タイムカードを偽装した」などと記載されていたという。いずれも虚偽の情報とされており、警視庁が詳しい経緯を調べている。
女性は約2年前からクリニック側に退職の意向を伝えていた。しかし、人手不足を理由に退職を認めてもらえず、退職代行サービスを通じて改めて意思を伝えたところ、河村容疑者が女性の別の勤務先である病院を訪れたという。FAX送信と病院訪問の前後関係や、容疑者がどのような目的で行動したのかは明らかになっていない。
厚生労働省によると、期間の定めがない労働契約では、労働者が退職の意思を明確に申し入れれば、使用者の承諾がなくても原則2週間で契約は終了する。人手不足だけを理由に、無期限に退職を認めないことはできない。ただし、今回の女性の雇用契約の内容や、退職の申し入れがどのように行われたかは確認されていない。
別の勤務先に送られたFAXが、女性の職業上の信用にどのような影響を及ぼしたのかも重要な点となる。現時点で送信先での情報の共有範囲や、女性の勤務への具体的な影響は判明していない。
河村容疑者は取り調べに対して黙秘している。警視庁は余罪の有無についても調べており、退職を巡る経緯とFAX送信との関係を含め、今後の捜査が注目される。
編集部まとめ
今回の事件では、退職を希望していた看護師が退職代行サービスを利用した後、別の勤務先に虚偽とされる情報が送られた点が問題となっている。医療現場の人手不足は深刻だが、それによって労働者の退職の自由が失われるわけではない。一方、FAXの送信目的や退職を巡る対立との関係は捜査段階にあり、断定はできない。今後は、送信された情報の内容に加え、女性の退職希望にクリニック側がどう対応していたのかが焦点となる。
特記事項
2026年10月27日に明らかになった逮捕容疑に関する公開情報と厚生労働省の公式資料を基に構成した。容疑者の刑事責任は確定しておらず、クリニック側の詳しい説明も確認できていない。
週刊TAKAPI編集部/一条
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