プルデンシャル生命、販売自粛中も新たな金銭不正 調査報告後に発覚、40代社員を懲戒解雇

プルデンシャル生命で販売自粛中にも新たな金銭不正が発覚、40代営業社員を懲戒解雇した問題を伝える報道アイキャッチ

プルデンシャル生命保険は2026年10月28日、首都圏第五支社に所属していた40代の男性営業社員が、顧客との間で不適切な金銭取引を繰り返していたと発表した。男性は投資や資産運用を持ちかけて金銭を受け取ったほか、顧客から借り入れた資金の一部を、別の顧客への返済や自身の生活費に充てていたという。一部の行為は、同社が2月9日から新規契約の販売を自粛していた期間中にも行われていた。男性は10月27日付で懲戒解雇された。

一連の金銭不祥事を巡り、同社が社外特別調査委員会の報告書を公表したのは10月8日。それから20日後の新たな事案公表となった。金融庁から業務停止命令を受け、信頼回復を掲げる保険会社で、なぜ不適切な顧客との金銭取引を防げなかったのか。営業社員個人の問題にとどまらず、監督体制の実効性が改めて問われている。

顧客の申告で発覚 借入金を別の顧客への返済に使用

会社によると、今回の問題は顧客がお客さま補償委員会の特設窓口に申し出たことが発覚の端緒だった。その後の調査で、男性が投資や運用を名目に金銭を受け取る一方、顧客から借り入れた資金をほかの顧客への返済などに使用していたことが判明した。

同社は営業社員による個人的な投資勧誘や顧客との金銭貸借を禁止している。今回確認された行為も、会社が認める保険商品の販売やサービスとは異なる取引だ。ただし、男性が金銭を受け取った具体的な期間や人数、総額、未返済額は明らかにされておらず、会社は引き続き調査を進めている。

10月8日の調査報告後にも別事案 過去の不正とは区別

プルデンシャル生命では8月24日、多摩支社の営業社員による不適切な金銭受領疑惑を公表していた。10月8日の追加発表では、この元社員が2023年春ごろから2026年夏ごろまでに34人から計3億4678万円を受け取っていたことが判明している。

今回の首都圏第五支社の問題は、多摩支社とは別の事案である。社外特別調査委員会による報告書の公表後も新たな問題が判明したことで、会社がこれまでの調査で不適切な金銭取引をどこまで把握できていたのかという課題が残る。

もっとも、今回の不正が10月8日の報告書公表後にも行われていたと確認されたわけではない。現段階で判明しているのは、2月に始まった販売自粛期間中にも一部の行為があったという事実だ。

金融庁が認定した管理不全 自粛期間中の監督は機能したのか

金融庁は10月9日、同社に保険業法に基づく業務停止命令と業務改善命令を出した。行政処分では、販売自粛中にも営業社員の行動把握や管理が実質的に行われず、営業管理職の承認を得ない顧客接触が発生していたと認定している。

金融庁が問題視したのは、営業成績を重視する報酬制度や、支社の自主性が強まる一方で本社の監督機能が十分に働かなかった組織構造だ。営業管理職自身が金銭不祥事に関与した例もあり、経営陣が問題を認識しながら抜本的な改善を先送りしてきたと指摘した。

ただし、今回の男性が管理職の承認を得ずに顧客と接触していたか、所属支社の管理職が金銭取引を把握していたかは公表されていない。全社的な管理不全という金融庁の認定と、今回の個別事案における管理責任は分けて検証する必要がある。

懲戒解雇後は業界の情報登録制度へ 再発防止の実効性が焦点

会社は男性を懲戒解雇したうえで、生命保険協会が運営する「廃業等募集人情報登録制度」への登録を届け出る方針を示した。これは不適切な行為をした募集人の情報を業界内で共有し、採用時などの適格性判断に役立てる制度であり、登録の届出自体が行政上の資格取消処分を意味するものではない。

同社に対する保険募集と契約締結の停止命令は10月13日から2027年1月31日まで。金融庁は11月30日を期限に業務改善計画の提出を求めており、金銭不祥事の徹底調査、被害回復、営業管理職を含む管理責任の明確化などを命じている。

今回の問題で問われるのは、不適切な金銭取引を行った社員の処分だけではない。顧客の申し出まで会社が問題を把握できなかった経緯、自粛期間中の顧客接触を誰が管理していたのか、そして同様の取引がほかにも残されていないのかという点だ。会社は被害状況の確認と補償対応を進めるとしているが、調査の網羅性と管理体制の改善を具体的に示せるかが、信頼回復を判断するうえで重要になる。

編集部まとめ

プルデンシャル生命で、販売自粛中にも顧客から不適切に金銭を受け取っていた営業社員の存在が新たに判明した。会社は懲戒解雇と業界内の情報登録制度への届出を決めたが、被害人数や金額は依然として調査中だ。10月8日の調査報告書公表後に別事案が発覚したことは、一連の問題の調査がなお終わっていないことを示している。金融庁が認定した管理不全を踏まえ、会社が不適切な金銭取引をどこまで把握し、再発を防げる体制に改められるかが問われる。

特記事項

本記事は、プルデンシャル生命の2026年10月28日、10月8日付公式発表、金融庁の10月9日付行政処分資料、生命保険協会の制度説明を照合して構成した。今回の事案の被害規模、具体的な行為日、管理職の認識、刑事手続きの有無は未確認であり、断定していない。

Qプルデンシャル生命で新たに発覚した不正は何ですか?
A首都圏第五支社の40代男性営業社員が顧客から投資や運用などの名目で金銭を受け取り、借入金の一部を別の顧客への返済や生活費に充てていた問題です。
Q営業自粛中にも不正が行われていたのですか?
Aはい。2026年2月9日に始まった新規契約の販売自粛期間中にも、一部の不適切な行為があったことを会社が認めています。
Q不正を行った営業社員はどうなりましたか?
A10月27日付で懲戒解雇されました。会社は廃業等募集人情報登録制度への登録を届け出る方針です。
Q被害人数や被害総額は分かっていますか?
A今回の首都圏第五支社の事案については、具体的な人数や金額は公表されていません。過去に公表された多摩支社の被害額とは別に扱う必要があります。
Q不審な投資勧誘や金銭貸借の申し出があった場合は?
A同社は、顧客に不審な投資勧誘などについて連絡を呼びかけています。お客さま補償委員会の特設問い合わせ窓口は0120-473-160です。受付時間は平日9~18時、土曜日9~17時となっています。

週刊TAKAPI編集部/成田

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