「源氏パイ」「チョコバット」「かにぱん」で知られる老舗菓子メーカーが、なぜ今、初めて常設店舗を構えるのか。
静岡県浜松市に本社を置く三立製菓株式会社は、2026年11月6日(金)、JR浜松駅構内の商業エリア「エキマチWEST」に、同社初の常設店舗となる「KANIMACHI(カニマチ)by 三立製菓」をオープンする。
営業時間は午前8時から午後9時まで。定番菓子に加え、浜松ならではの土産商品、限定商品、かにぱん関連グッズなどを販売する。
1921年創業の三立製菓にとって、今年は創業105年の節目。今回の出店は、単なる販売拠点の新設にとどまらず、長年親しまれてきた菓子を「浜松発のブランド」として発信する新たな取り組みともいえる。
週刊TAKAPIでは、公式発表と過去の出店実績をもとに、常設店舗進出の背景を考察する。三立製菓株式会社+2
三立製菓が初の常設店「KANIMACHI」を浜松駅に出店
三立製菓と浜松駅ビルを運営する浜松ターミナル開発は、10月27日に新店舗の開業を発表した。
出店先はJR浜松駅の新幹線改札前に位置する「エキマチWEST」。観光客だけでなく、出張や帰省で浜松を訪れる人にも利用しやすい立地だ。
店内では「源氏パイ」「チョコバット」「かにぱん」などのロングセラー商品を販売するほか、製造元ならではの限定商品や贈答品を取り扱う。
さらに、かにぱんをモチーフにした雑貨なども販売し、菓子メーカーの世界観を楽しめる店舗を目指す。三立製菓株式会社のプレスリリース+1
注目商品は「浜松餃子パイ」 限定チョコバットも登場
浜松餃子パイ
1,080円
浜松餃子の味わいをイメージした、餃子のような見た目のパイ。甘じょっぱい生地と餃子風味のフィリングが特徴。
チョコバットメロンBOX
1,300円
静岡県産クラウンメロンをイメージしたクリームを使う期間限定商品。チョコバットの新たな味わいを提案する。
かにぱん×ROOTOTE ミニ クッショントートバッグ
かにぱんの形をモチーフにした、ぬいぐるみ風のバッグ。食品だけでなくキャラクター雑貨も展開する。価格は発表時の税込価格。画像は参考検索画像。商品情報は浜松ターミナル開発の発表に基づく。三立製菓株式会社のプレスリリース
【編集部の考察】なぜ三立製菓は創業105年で常設店舗に進出するのか
① 2025年の期間限定ショップが重要な伏線か
今回の出店を考えるうえで注目したいのが、2025年11月の動きだ。
三立製菓は2025年11月6日から16日まで、JR浜松駅の新幹線上りホームで、期間限定ショップ「Kanisk(カニスク)」を展開していた。
JR東海リテイリング・プラスとの共同企画で、かにぱんの世界観を打ち出した売り場を設け、定番菓子やオリジナル商品を販売した。JR東海リテイリング・プラス+1
浜松駅での出店の流れ
- 2025年11月6日〜16日新幹線ホームに期間限定「Kanisk」を出店
- 2026年10月27日初の常設店舗「KANIMACHI」を正式発表
- 2026年11月6日エキマチWESTに常設店舗を開業予定
ここで注目したいのは、期間限定店の開始日と常設店の開業予定日が、いずれも11月6日であることだ。
編集部の考察: 2025年の期間限定出店で消費者の反応や販売動向を確認し、常設化の判断材料にした可能性が考えられる。
ただし、期間限定店の売上高や来店者数、常設化との直接的な関係は公表資料から確認できない。実証的な位置付けだったのか、今後の取材で確認したい。
② 全国的な知名度を「浜松のお土産」に変える戦略
源氏パイやチョコバット、かにぱんは、全国で親しまれている商品だ。
一方で、これらが浜松市に本社を置く同じメーカーの商品だと認識している消費者は、どれほどいるだろうか。
2025年の期間限定店では、三立製菓の広報担当者も、複数の人気商品が同じ会社の商品であることを広く知ってもらいたいという趣旨を語っていた。静岡放送 (1ページ)
編集部の考察: 今回の常設店には、全国的に知られる商品と、製造元である浜松という地域を結び付ける狙いがあるとみられる。
例えば、普段スーパーで購入する源氏パイでも、浜松駅で地域限定パッケージの商品として販売されれば、観光土産として選ばれる可能性が生まれる。
単に販売場所を増やすのではなく、既存商品の価値を別の形で伝える取り組みと考えられる。
③ お菓子だけでなく「かにぱん」のキャラクターも売る
今回の店舗では、かにぱんのぬいぐるみやキーホルダー、バッグなどのグッズも取り扱う。
これは、菓子メーカーの販売戦略として注目したい部分だ。
食品は食べればなくなるが、バッグやキーホルダーは日常生活で長く使われる。
編集部の考察: かにぱんのキャラクターを活用することで、菓子の購入者だけでなく、雑貨やキャラクター商品を好む層にも接点を広げることができる。
ただし、グッズ販売が今後どの程度の収益規模になるのかは不明であり、現時点で事業の柱になると判断することはできない。
浜松駅で菓子店が相次ぎ出店 愛知の「藤田屋」も11月16日に開業
今回の動きは、三立製菓だけではない。
浜松ターミナル開発によると、11月16日(月)には、愛知県知立市の名物として知られる「大あんまきの藤田屋」もエキマチWESTに出店する。静岡県内では初の出店となる。
販売予定の商品には、あずき、白あん、栗、天ぷらなどがある。浜松ターミナル開発株式会社のプレスリリース
編集部の考察: 三立製菓と藤田屋の出店が続くことで、浜松駅では地元・静岡の商品と愛知県の名物菓子を一度に購入できる選択肢が広がる。
浜松駅は東海道新幹線の停車駅であり、東三河と静岡県西部を結ぶ交通拠点でもある。新店舗が駅利用者の土産需要をどこまで取り込めるかが注目される。
11月6日からオープン記念プレゼントも
開業に合わせ、来店者向けのキャンペーンも予定されている。
- 税込1,000円以上購入した先着300人にクリアファイルをプレゼント
- 11月6日〜12日の7日間、来店者に源氏パイ2枚入りをプレゼント(各日先着100人)
いずれも数量限定となる。
KANIMACHI by 三立製菓の店舗情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 店舗名 | KANIMACHI by 三立製菓 |
| 開業日 | 2026年11月6日(金) |
| 所在地 | 静岡県浜松市中央区砂山町 |
| 場所 | JR浜松駅構内 エキマチWEST |
| 営業時間 | 8:00〜21:00 |
| 取扱商品 | 菓子、限定商品、雑貨など |
今後の注目点は、常設店舗が成功モデルになるか
編集部の考察: 三立製菓の初の常設店は、地元メーカーが全国的な知名度を持つ商品を、地域ブランドとして再発信する試みとして注目される。
今後の焦点は、観光客や出張客による一度きりの購入だけでなく、地元住民による継続的な利用を獲得できるかどうかだ。
限定商品や新商品の投入頻度、キャラクターグッズの人気、季節ごとの土産需要などによって、店舗の集客力も変わってくると考えられる。
創業105年の老舗メーカーによる新たな挑戦が、浜松駅の土産物売り場にどのような変化をもたらすのか。開業後の動向を追いたい。
週刊TAKAPI 編集部/黒木
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