西アフリカのシエラレオネ共和国を拠点に活動していたとみられる特殊詐欺グループを巡り、神戸地方検察庁は7月21日、札幌市の女性から約5500万円をだまし取ったとして、リーダー役とみられる61歳の男ら男女5人を詐欺罪で起訴した。
起訴された5人の年齢は50歳から79歳。特殊詐欺の実行役として若者が摘発される事件が目立つ一方、今回は中高年から高齢層の男女が国外を拠点とする詐欺事件に関与したとされる点でも、異例の構図が浮かんでいる。
61歳男がリーダー役か 男女5人を起訴
起訴されたのは、グループのリーダー役とみられる北岡博文被告(61)=横浜市中区=ら、50歳から79歳までの男女5人。
神戸地検は、5人の認否を明らかにしていない。
起訴状などによると、北岡被告らは共謀し、2025年6月1日から7日にかけて、シエラレオネから札幌市に住む当時59歳の女性へ複数回電話をかけ、現金をだまし取ったとされている。
検察官などを装い7回送金させたか
グループは検察官やその関係者を装い、女性に対して口座が犯罪に使われているなどとうその説明をしたとみられている。
女性は指示を信じ、7回にわたって計約5500万円を振り込んだとされる。
当初の逮捕報道では、検察官や秘書を名乗り、「口座を調べる必要がある」などと伝えて送金させた疑いが示されていた。
西アフリカを拠点に「かけ子」活動か
兵庫県警は7月1日、北岡被告ら男女9人を詐欺容疑で逮捕した。
捜査関係者は、9人が被害者へ電話をかける「かけ子」や、実行役を集めるリクルーターとして活動していた可能性があるとみている。北岡被告は国内でメンバーを集め、ほかの実行役を取りまとめる立場だったとみられている。
事件の端緒は2025年5月、「知人が国外へ行き、詐欺をさせられそうになっている」との通報だったとされる。警察はその後、関係者の渡航状況や資金の流れなどを調べていた。
最年長は79歳 特殊詐欺の年齢構成にも変化
今回起訴された5人は50歳から79歳で、最年長は79歳だった。
特殊詐欺事件では、SNSなどで募集された若者が現金の受け取り役や運搬役として摘発されるケースが知られている。しかし今回の事件では、海外の拠点から電話をかけたとみられるメンバーに、中高年や高齢層が含まれていた。
年齢だけで役割や責任を判断することはできないものの、特殊詐欺組織が幅広い年代の人間を取り込み、国外拠点を含む分業体制を築いていた可能性を示す事案といえる。
国外拠点の実態解明へ捜査継続
今回起訴されたのは、逮捕された9人のうち5人とされている。
捜査当局は、残るメンバーの刑事処分に加え、シエラレオネに拠点が設けられた経緯、現地での指揮命令系統、国内のリクルーターや資金管理役とのつながりなどを調べている。
被害金の行方や、同じグループによる余罪の有無も今後の捜査の焦点となる。
編集部まとめ
シエラレオネを拠点に活動していたとみられる特殊詐欺グループを巡り、61歳のリーダー役とされる男ら男女5人が起訴された。
5人は50歳から79歳と年齢層が高く、国外拠点型の特殊詐欺が若者だけでなく、幅広い世代を組織内に取り込んでいる可能性が浮かぶ。今後は、残るメンバーの処分とともに、現地拠点を含む組織全体の構造がどこまで解明されるかが注目される。
週刊TAKAPI編集部/成田
特記事項:この記事は、神戸地方検察庁の起訴内容、兵庫県警の発表および各社報道を基に構成しています。被告らの認否は明らかにされていません。起訴された事実は有罪判決が確定したことを意味せず、刑事責任は今後の裁判で判断されます。
50~79歳が加わった国外拠点型特殊詐欺
今回起訴された男女5人は50歳から79歳で、リーダー役とみられる男は61歳、最年長は79歳だった。若者が受け子や実行役として摘発される特殊詐欺事件とは異なり、中高年から高齢層の男女が西アフリカの拠点で活動していたとされる点が特徴となっている。5人は札幌市の女性に検察官などを装って電話をかけ、約5500万円を振り込ませたとして起訴されており、捜査当局が国際的な組織構造や資金の流れを調べている。
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