令和8年熊本地震の被災地で、避難中の住宅を狙った空き巣や、修理業者を装う詐欺への警戒が強まっている。
熊本県警は、福岡県や佐賀県など5県から派遣された警察官を加えた特別部隊を編成。7月30日から、被害の大きい地域で合同パトロールを本格化させた。
救助、安否確認、避難所支援、復旧作業が続く非常時に、被災者の不安や混乱につけ込む犯罪は断じて許されない。
氷川町で1200軒超の住宅被害 留守宅への侵入を警戒
最大震度7を観測した氷川町では、1200軒を超える住宅被害が確認されている。
自宅での生活が難しくなり、避難所へ移る住民も増えている。長時間留守となる住宅を狙った窃盗を防ぐため、警察は住宅地を巡回し、不審な人物や車両の確認を進めている。
警戒対象は空き巣だけではない。
屋根や外壁の修理、住宅設備の点検を装い、高額な契約や支払いを求める災害便乗詐欺にも注意が必要だ。
「今すぐ修理しなければ危険」「保険を使えば無料になる」などと判断を急がされた場合は、その場で契約せず、家族や自治体、警察、消費生活相談窓口に確認する必要がある。
本震以降294回の地震 余震の混乱に乗じる犯罪を防ぐ
熊本県内では、7月28日の本震以降、31日午前8時までに294回の地震が観測されている。
余震への不安が続くなか、住民は避難、片付け、物資の確保、家族の安否確認に追われている。戸締まりや財産管理まで十分に手が回らない世帯も少なくない。
その状況を利用して住宅へ侵入する。被災者へ虚偽の説明をして金銭を奪う。
被災者を二重に苦しめる行為であり、到底容認できない。
救助や地域警戒に人員が必要なときに、犯罪対応という新たな負担を生じさせることも、被災地全体の復旧を妨げる。
SNSのデマや未確認情報にも注意
災害時には、窃盗団の目撃情報や被害状況を装った未確認情報がSNSで急速に広がることがある。
善意の投稿であっても、根拠が確認できない情報を拡散すれば、住民の不安を強め、警察や自治体への問い合わせを集中させるおそれがある。
不審な人物や車両を実際に確認した場合は、SNSへ投稿する前に警察へ通報する。災害や防犯に関する情報は、警察、自治体、消防など公的機関の発表を優先して確認したい。
ビートたけしさんの10年前の発言が再び注目
被災地を狙う犯罪への怒りが広がるなか、2016年の熊本地震後にビートたけしさんがテレビ番組で述べた言葉が、再び注目されている。
当時、被災地での空き巣被害について、たけしさんは強い怒りを示した。
「あいつら射殺しろよ」
「こういうときにそういう犯罪すんのは特別に罰しなきゃおかしいだろ」
極めて過激な表現であり、私的制裁や暴力が認められるものではない。
一方で、家を失い、不安のなかで避難している人をさらに苦しめる「火事場泥棒」への強烈な憤りを示した発言として、10年後の被災地でも思い出されている。
必要なのは暴力ではなく、警察による迅速な捜査と、法に基づく厳正な処罰だ。
被災地を犯罪の標的にするな
停電や断水のなかで生活する人がいる。自宅の被害を確認できず、避難所で夜を過ごす人もいる。救助や捜索を待つ家族もいる。
その留守宅へ侵入する。修理を口実に金銭をだまし取る。根拠のない情報を流し、混乱を広げる。
絶対にしてはならない。
災害で傷ついた人を、犯罪でもう一度傷つける行為に酌量の余地はない。警察には厳正な捜査が、社会には被災地を見守る目が求められる。
編集部まとめ
熊本県警は他県からの応援部隊とともに合同パトロールを強化し、空き巣や災害便乗詐欺への警戒を続けている。
住民は、不審な訪問や電話を受けても即決せず、警察や自治体へ確認することが重要だ。SNS上の未確認情報も安易に拡散してはならない。
救助と復旧で手いっぱいの被災地を狙う犯罪は、断じて許されない。被災者が安心して避難し、地域が復旧へ集中できる環境を社会全体で守る必要がある。
週刊TAKAPI編集部/一条
特記事項:ビートたけしさんの発言は2016年当時の番組内発言として紹介しています。本記事は私的制裁や暴力を支持するものではなく、被災地における防犯、法に基づく捜査と処罰、災害便乗詐欺への注意を呼びかけるものです。
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