NHKは2026年8月5日、職員が番組出演者から意に沿わない性被害を受け、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症して休職した事案を公表した。
職員はフラッシュバックなどの症状が続く中、元の所属部局とは別の職場での復職を強く求めたが、希望は認められなかった。異動が実現したのは、被害から3年余りが経過した後だった。
NHKは、性被害発生後の対応が不適切だったと認め、井上会長が謝罪した。
懇親会後、番組出演者から意に沿わない性被害
外部の専門家などで構成する調査検討委員会の報告書によると、職員は番組出演者らとの懇親会に参加した後、出演者から意に沿わない性被害を受けた。
職員はその後、体調を崩して欠勤し、休職に至った。被害の影響によるフラッシュバックなどが続き、医療機関からPTSDと診断された。
被害から1年数カ月後、職員は勤務先に被害を打ち明け、元の所属部局とは異なる職場での復職を強く希望した。しかし、当時は希望に沿った対応が取られなかった。
職員は復職後も異動を求め続けたが、実際に配置が変更されたのは被害から3年余り後だった。
労働組合を通じて「なぜ希望が実現しなかったのか」と申し入れ
2025年4月、職員は労働組合を通じてNHKに対し、当時の対応を検証するよう申し入れた。
職員側は、性被害によって休職し、復職時にもフラッシュバックなどの症状があったため、別の職場での勤務を希望していたと説明。その希望がなぜ受け入れられなかったのか、経緯の確認を求めた。
NHKは同年5月、外部専門家らによる調査検討委員会を設置した。委員会は約1年をかけて関係者への聞き取りや資料の確認を行い、性被害の発生と、被害申告後の復職・異動対応について検証した。
その結果、職員が番組出演者から意に沿わない性被害を受けたことに加え、その後の対応によって職員の負担がさらに重くなったと認定した。
井上会長「キャリアに大きな影響を与えた」
井上会長は、性被害が発生したことは痛恨だとしたうえで、その後の対応によって職員にさらなる負担をかけたと説明した。
復職までに時間を要し、職員のキャリアに大きな影響を与えたことを重く受け止めているとして、NHKを代表し、当時の不適切な対応を謝罪した。
NHKは8月5日午後3時から記者会見を開き、調査報告書の内容や事案の経緯を説明した。今後は、性被害を申告した職員への支援、復職時の配置判断、本人の意向を反映する手続きなどについて、具体的な再発防止策を示せるかが問われる。
編集部まとめ
今回の問題は、番組出演者による性被害だけではありません。職員が被害を申告し、PTSDやフラッシュバックを理由に別部署での復職を求めたにもかかわらず、希望が速やかに実現しなかった点も重大です。
被害者に申告後も説明や交渉を重ねさせる仕組みでは、二次被害を招きかねません。NHKには、本人の安全と治療状況を最優先にした配置判断や、外部専門家が早期に関与する支援体制の明確化が求められます。
週刊TAKAPI編集部/一条
※職員および番組出演者を特定する情報は公表されていません。被害を受けた職員のプライバシーと尊厳への配慮が必要です。
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