横浜市が9月18日、職員3人に対する懲戒処分を一斉に公表した。女性職員へのセクシュアル・ハラスメント、面識のない通行人への加熱式たばこの吸い殻の投げつけ、銀行ATMコーナーに残されていた現金3万円の持ち去り。3人はいずれも停職処分だった。
週刊TAKAPIが横浜市の記者発表を遡ると、ちょうど1カ月前の8月18日にも3件の懲戒処分が公表されていた。港南区で引き取り手のない8体の遺体の火葬手続きが遅れた問題のほか、資源循環局では酒気帯び運転や酒酔い運転をめぐって職員2人が処分されている。
8月18日から9月18日までに横浜市人事課が公表した懲戒処分は計6件。このうち半数の3件を資源循環局の職員が占めた。
6件を一つずつ追うと、市の発表一覧に並ぶ「職員の懲戒処分について」という同じ表題だけでは見えてこない、それぞれの事案の重さが浮かぶ。
引き取り手のない遺体8体 火葬手続きが遅れ、長期間保管
最初の3件が公表されたのは8月18日だった。
港南区の40代事務職員は、引き取り手のない遺体について親族調査などを担当していたが、調査が行き詰まった後も上司への報告や相談を行わず、8体の遺体について火葬手続きが遅れた。
その結果、葬祭業者に遺体を長期間保管してもらう状態になった。
横浜市は職員を減給10分の1、6カ月の懲戒処分とした。管理監督者の課長級職員1人も市長文書訓戒となった。
これは突然明らかになった問題ではない。横浜市は前年の2025年3月、港南区生活支援課で身寄りのない遺体の火葬手続きに遅延があったことをすでに公表していた。その後の懲戒処分が2026年8月まで持ち越された形だ。
酒気帯びで原付運転 罰金20万円、それでも職場には報告せず
同じ8月18日、資源循環局の20代技能職員には停職7カ月の処分が下された。
職員は2024年12月3日の勤務終了後に飲酒し、その後、帰宅するため原動機付自転車を運転。警察の検問を受け、酒気帯び運転で検挙された。
2025年1月23日には保土ケ谷簡易裁判所から罰金20万円の略式命令を受け、同年2月20日には神奈川県公安委員会から90日間の免許停止処分を受けた。
しかし、横浜市が公表した問題は飲酒運転だけではなかった。
職員は一連の事実を職場へ報告していなかった。さらに、その後の聞き取りでも管理監督者に虚偽の説明をしたと市は認定している。
酒気帯び運転で検挙され、罰金と免許停止の処分を受けながら職場には報告せず、聞き取りにも事実と異なる説明をする。市はこうした経緯を含め、停職7カ月とした。
酒に酔った状態でバイク運転 転倒、罰金50万円、免許取消
同日、資源循環局では別の40代技能職員も処分された。
2025年8月26日の休暇中に飲酒した後、酒に酔った状態で自動二輪車を運転し、単独で転倒。病院へ搬送された。
その後、酒酔い運転で罰金50万円となり、運転免許も取り消された。欠格期間は3年。横浜市は職員を停職8カ月とした。
管理監督者についても2人が所属長文書訓戒となった。
この時点で8月18日に公表された懲戒処分3件のうち2件が資源循環局だった。いずれも技能職員による飲酒運転をめぐる事案だった。
1カ月後――女性職員に抱きつき、離れるよう求められても直ちに応じず
そして9月18日。横浜市は再び、同じ日に3件の懲戒処分を公表した。
最も重い停職6カ月となったのは、南区に所属する50代事務職員だった。
職員は栄区に在籍していた2026年2月27日の勤務時間外、女性職員の肩、頭、背中を複数回触ったほか、腕を組み、抱きつくなどのセクシュアル・ハラスメント行為をしたと市は認定している。
さらに女性職員は職員に離れるよう求めたが、直ちには応じなかった。
市は50代職員を停職6カ月としたほか、管理監督者の部長級職員1人を所属長口頭厳重注意としている。
面識のない通行人6人へ 運転席から吸い殻を5回投げつけ
同じ日、再び資源循環局から懲戒処分が出た。
対象となったのは30代の技能職員。
2024年5月から7月にかけ、秦野市内や足柄上郡内を自家用車で運転中、運転席の窓から面識のない通行人に加熱式たばこの吸い殻を投げつけた。
1回ではなかった。横浜市の発表によると、行為は計5回、対象となった通行人は6人だった。
職員は2025年6月20日に秦野警察署から小田原区検察庁へ書類送致され、同年11月5日に暴行罪で略式起訴。同日、小田原簡易裁判所から罰金10万円の略式命令を受けた。
横浜市は職員を停職2カ月とした。
8月18日の飲酒運転2件に続き、これで今回検証した6件のうち資源循環局職員に対する懲戒処分は3件となった。
ATMに残された現金3万円を持ち去る 窃盗容疑は不起訴、市は停職処分
9月18日のもう1件は、下水道河川局の30代技術職員だった。
横浜市によると、職員は2024年12月25日の休暇中、銀行ATMコーナー内に残されていた現金3万円を持ち去った。
2025年12月21日に警察から任意同行を求められて事情聴取を受け、2026年4月24日に窃盗容疑で横浜地方検察庁へ書類送致された。
その後、6月15日に不起訴処分となった。
ここは慎重に見る必要がある。横浜市の発表資料には不起訴となった理由が記載されていない。不起訴という結果だけから、検察がどのような判断をしたのかを推測することはできない。
一方で横浜市は、職員が現金3万円を「持ち去りました」と事実関係を記載し、地方公務員法に基づいて停職1カ月の懲戒処分とした。
「懲戒処分について」の同じ表題、その中身は6件で大きく異なる
横浜市人事課の2026年度記者発表一覧を確認すると、8月18日に「職員の懲戒処分について」が3件並ぶ。その後、8月19日から9月17日まで同課による懲戒処分の発表はなく、9月18日に再び3件が並んだ。
わずか1カ月の間隔で公表された6件。
減給10分の1・6カ月が1人。停職は7カ月、8カ月、6カ月、2カ月、1カ月の5人だった。
遺体8体の火葬手続き遅延。酒気帯び運転と職場への未報告、虚偽説明。酒酔い運転による転倒。女性職員へのセクハラ。面識のない通行人6人への吸い殻投げつけ。そしてATMコーナーに残された現金3万円の持ち去り。
事案の発生時期も性質も違う。6件が公表されたという事実だけで、横浜市全体の服務規律が悪化していると結論づけることはできない。
ただ、見過ごせない数字もある。
6件のうち3件は資源循環局だった。しかも3人はいずれも技能職員で、8月に飲酒運転をめぐる2件、9月には通行人への吸い殻投げつけをめぐる1件が公表された。
偶然の集中なのか。局として過去にどれだけ懲戒処分が発生し、今回の事案を受けてどのような再発防止策を講じたのか。
公表資料だけでは、そこまでは分からない。
処分を公表して終わりでは、市民が知ることのできる情報にも限界がある。6件を横に並べて初めて見える「3件が同じ局」という事実について、横浜市がどう受け止めているのか。週刊TAKAPIは引き続き確認する。
このニュースのポイント
担当記者:週刊TAKAPI編集部

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