香川県教育委員会が県立高校の部活動に伴う生徒の移動実態を調べたところ、教職員が運転するレンタカーで生徒を輸送するなど、県教委の内部規定に抵触する事例が15件確認されたことが分かりました。このほか、規定違反には当たらないものの、安全管理上不適切と判断されたケースを含め、約150件の問題事例が確認されています。RSK山陽放送が8月11日に報じました。
調査は、2026年5月に福島県の磐越自動車道で、高校生らを乗せたマイクロバスがガードレールに衝突し、生徒1人が死亡、20人が重軽傷を負った事故を受けて行われました。
県立高校29校・約1万1000件の移動を調査
香川県教委の資料によると、調査対象は県立高校29校のすべての運動部と文化部、同好会などです。2025年4月1日から2026年3月31日までの1年間に、練習や試合などに伴って行われた生徒の移動を調べました。
調査した移動は計1万945件で、内訳は県内が9680件、県外が1265件でした。県教委は、調査対象となった移動について法的な問題は確認されなかったとしています。一方で、一部に内部規定への抵触や、安全管理上改善が必要な運用が見つかりました。
教職員や外部指導者がレンタカーを運転 規定抵触15件
内部規定に抵触していたのは合わせて15件です。具体的には、教職員が運転するレンタカーに生徒を乗せて移動したケースや、外部指導者がレンタカーを運転して生徒を輸送したケースなどが確認されました。
このほか、保護者が知人から借りたマイクロバスを自ら運転し、生徒を乗せていた事例もありました。
県教委は、こうしたケースについて法令上の問題は確認されなかったものの、県教委が定める内部規定には抵触するとしています。
保護者への「乗り合わせ依頼」も安全管理上不適切
規定違反とは別に、安全管理の面から問題があるとされた移動も確認されました。
学校が保護者らに対し、自家用車に複数の生徒を乗せて移動するよう依頼したケースや、県外遠征にもかかわらず学校側が移動手段に関与せず、生徒がそれぞれ現地まで移動していたケースなどです。
RSK山陽放送は8月11日、内部規定に抵触したケースなどを含め、昨年度の部活動移動で不適切な事例が約150件確認されたと報じています。
学校所有車でも1日500キロ以上や深夜走行
今回の調査では、学校が所有・管理する自動車についても課題が浮かびました。
学校管理自動車を保有する県立学校9校のうち、3校では車両の運用基準が策定されていませんでした。また、学校管理車による移動で、1日に500キロ以上を走行したケースや深夜に走行した事例も確認されています。
単にレンタカー利用だけの問題ではなく、長距離移動時の運転管理や学校内のガバナンスにも課題があった形です。
香川県教委、全県立学校に安全管理徹底を通知
香川県教委は調査結果を踏まえ、7月21日付で県立学校長に対し、部活動の移動時における安全管理を改めて徹底するよう通知しました。
通知では、交通事業者との契約内容を担当者任せにせず管理職を含めて組織的に確認することや、校外活動の引率計画について事前承認を徹底すること、各学校の危機管理マニュアルを点検し、必要に応じて改定することなどを求めています。
福島県で起きた死亡事故を契機に行われた今回の調査。部活動の遠征や大会出場では長距離移動も多く、生徒を誰が、どの車両で、どのような管理のもと輸送するのかについて、学校側に一段と厳格な安全管理が求められます。
編集部まとめ
香川県立高校の部活動に伴う約1万1000件の移動を調べた結果、法的な問題は確認されなかった一方、県教委の内部規定に抵触するケースが15件判明しました。
さらに、保護者への自家用車での乗り合わせ依頼や、学校が関与しない県外移動など、安全管理上問題のあるケースも確認されています。
今回の問題は単純な「規定違反」の件数だけではなく、学校管理車の長距離・深夜走行や運用基準未策定も含め、部活動の移動を学校がどこまで組織的に管理できていたのかが問われる内容です。
週刊TAKAPI編集部/松本
特記事項
この記事は、香川県教育委員会が公表した「令和7年度における部活動の移動に関する実態調査」の資料と、8月11日までの報道内容をもとに構成しています。
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