2026年9月13日に投開票される沖縄県知事選。
現職の玉城デニー氏に対抗し、県政刷新を掲げて出馬を表明しているのが、前那覇市副市長の古謝玄太(こじゃ・げんた)氏(42)だ。
古謝氏は、東京大学卒業後に総務省へ入省。長崎県財政課長、復興庁、民間企業などを経て、2022年12月から2026年2月まで那覇市副市長を務めた。
2026年3月23日に沖縄県知事選への出馬を正式に表明し、「沖縄を、前に。」を掲げて県政交代を訴えている。
政策の目玉は、
「10年で県民所得倍増」
そして、
「手取りを2倍に増やす」
という非常に大胆な経済政策だ。
このほか、子育て支援予算の倍増、観光消費額の倍増、公共交通改革、離島振興、普天間飛行場の辺野古移設容認など、120項目の政策を打ち出している。
一方、その政策には厳しい問いも向けられている。
年間7%前後という高い経済成長をどのように実現するのか。
巨額の費用が想定される交通インフラをどう整備するのか。
辺野古移設を容認することで、基地負担は本当に軽減されるのか。
そして、参政党との政策協定を巡っては、支援する沖縄県医師連盟からも外国人政策や歴史認識などについて確認を求める質問状が送られた。
古謝玄太氏とはどのような人物なのか。
週刊TAKAPIでは、古謝氏自身が掲げる政策だけではなく、政策の実現可能性、支持勢力、批判されている点、本人側の説明まで含めて検証する。
古謝玄太氏とは?
古謝玄太氏は1983年、沖縄県那覇市生まれ。
那覇市立石嶺小学校、石嶺中学校、昭和薬科大学附属高校を卒業した。
2002年に東京大学理科2類へ進学し、大学では沖縄県人会を立ち上げ、初代会長を務めたとしている。
2008年、総務省へ入省。
その後、
- 総務省
- 内閣官房
- 長崎県
- 復興庁
などで行政実務を経験した。
長崎県では観光振興、国際、文化、財政などの部署を担当し、財政課長も務めた。 (古謝げんた公式サイト)
2020年には総務省を離れ、NTTデータ経営研究所へ転職。
沖縄県内企業と連携したスタートアップ育成事業などに関わったとしている。 (古謝げんた公式サイト)
古謝氏が強調する「国・地方自治体・民間企業のすべてを経験してきた」という経歴は、今回の選挙でも自身の強みとして打ち出されている。
2022年参院選では自民党候補として出馬
古謝氏にとって今回が初めての選挙ではない。
2022年の参議院沖縄選挙区では、自民党公認候補として出馬した。
古謝氏の公式プロフィールによると、27万1347票を獲得したものの、次点で落選している。 (古謝げんた公式サイト)
その後、2022年12月に那覇市副市長へ就任。
2026年2月まで約3年余り副市長を務めた。 (古謝げんた公式サイト)
那覇市副市長として何をしてきたのか
古謝氏側は副市長時代の実績として、
- 崇元寺跡などの保存整備
- 都市型MICEの促進
- 中小企業のDX支援
- 社会・地域課題解決型企業への支援
- 子どもの居場所支援
- 那覇市立病院建て替え
- ゼロカーボンシティ関連施策
などを挙げている。 (古謝げんた公式サイト)
ただし、これらは古謝氏の公式サイトが「副市長としての実績」と位置付けているものだ。
自治体施策は市長、市議会、行政組織、国など多数の関係者によって進められるため、一つ一つを古謝氏個人だけの成果と評価するのは適切ではない。
知事選で経歴を判断する際には、
「副市長として事業に関与した」ことと「古謝氏一人で実現した」ことを区別して見る必要がある。
なぜ沖縄県知事を目指すのか
古謝氏は2026年3月23日に出馬を表明した。
42歳という若さや、総務省、地方自治体、民間企業、副市長としての行政経験を強調。
物価高、経済、交通渋滞などの課題に取り組み、「沖縄を次のステージへ進める」と訴えた。 (QAB 琉球朝日放送 | もっとドキドキQAB)
古謝氏が今回繰り返しているのが、
「沖縄を、前に。」
というメッセージだ。
玉城県政については、県政と国、市町村、経済界などの連携が十分ではないとの認識を示し、対話による県政へ転換するとしている。 (古謝げんた公式サイト)
2026年知事選で120項目の政策
古謝氏は8月14日、知事選に向けた政策を発表した。
出馬表明後、県内41市町村を回り、そこで聞いた意見などを反映して120項目を盛り込んだとしている。
政策の中心に据えたのが「3つの倍増」だ。
① 県民所得倍増
手取りを2倍へ。
② 子育て支援予算倍増
子育てへの公的支援を2倍へ。
③ 観光消費倍増
沖縄で使われる観光消費額を2倍へ。
古謝氏はこれらを「#ふやす、げんた。」として前面に押し出している。 (古謝げんた公式サイト)
最大の目玉「10年で県民所得倍増」
古謝氏の公約で最も注目されるのが、
10年間で県民所得を倍増させる
という政策だ。
公式政策では、中小企業へのDX・AI導入支援、新産業育成、人材育成などを進め、「稼ぐ力」を高めるとしている。 (古謝げんた公式サイト)
古謝氏は政策発表で、10年間で所得を倍増させるためには平均7~8%程度の成長が必要との認識を示しており、まず1期4年間で経済成長率7%を目指すとしている。
数学上も、10年間で2倍にするには単純な複利計算で年平均約7.2%の伸びが必要になる。
かなり高い目標だ。
「新5K経済」とは
所得倍増のエンジンとして古謝氏が掲げているのが、
「新5K経済」
だ。
5Kとは、
観光 健康 環境 海洋 起業
の5分野。
既存の観光産業だけに依存せず、ヘルスケア、創薬、海洋産業、環境産業、スタートアップなどを新しい成長産業として育成する構想だ。
また、経済界が進める「GW2050 PROJECTS」などとも連携し、民間投資を県経済の成長につなげるとしている。
批判①「県民所得倍増は本当に可能なのか」
ここが古謝氏の政策で最大の検証ポイントになる。
「県民所得を2倍」
という数字は非常に分かりやすい。
しかし、分かりやすさと実現可能性は別問題だ。
琉球新報も政策発表を受けた記者解説で、古謝氏が高い目標値を掲げ変革を前面に出した一方、実現に向けて説得力のある説明が必要になるとの趣旨で指摘している。
沖縄県自身も、県内の1人当たり県民所得が低い背景として、島しょ経済特有の条件や生産性など構造的な課題を挙げている。 (沖縄県ホームページ)
DXやAI導入だけで短期間に解決できる問題ではない。
「経済成長率7%」という高いハードル
古謝氏はまず4年間で7%程度の経済成長を目標にしている。
問題は、
どうやって毎年その成長を続けるのか
という点だ。
新産業を誘致・育成しても、企業が利益を上げるまでには時間がかかる。
さらに企業利益が増えたとしても、それが自動的に県民一人ひとりの手取り所得2倍につながるわけではない。
賃上げ、雇用構造、税・社会保険、中小企業の収益力など、多くの要素が絡む。
したがって選挙では、
「県経済を2倍にする話なのか」
「県民所得を2倍にする話なのか」
「実際の可処分所得、つまり手取りを2倍にする話なのか」
をより明確に説明する必要がある。
古謝氏は「手取り2倍」をキャッチコピーとして掲げているだけに、ここは特に厳密な検証が必要になる。 (古謝げんた公式サイト)
子育て支援予算も「2倍」
古謝氏は経済だけではなく、
子育て支援予算を2倍にする
と掲げている。
具体的には、
- 0~2歳児の保育料無償化
- 小中学校の教育費無償化
- 学校給食費無償化
- 妊娠・出産支援
- 産科・小児科医の地域偏在対策
- 子どもの貧困対策
などを進めるとしている。 (古謝げんた公式サイト)
沖縄では子どもの貧困が長年の重要課題となっており、支援強化そのものは重要な論点だ。
一方で、
「予算を2倍にする」なら、財源をどこから確保するのか
という問題が出てくる。
所得倍増、交通インフラ、離島振興など大型政策も同時に掲げているため、県財政全体との整合性を示すことも必要になる。
観光消費額も倍増へ
3つ目が、
観光消費倍増
だ。
古謝氏は、
- 本島・離島空港の機能強化
- 海外航空路線誘致
- AIによる観光産業高度化
- 他産業との連携
- 高付加価値観光
などを進めるとしている。 (古謝げんた公式サイト)
単に観光客数を増加させるのではなく、
「1人の旅行者が沖縄で使う金額を増やし、それを県内企業や従業員へ還元する」
という方向だ。
観光依存を弱めながら観光の収益性自体は高めるという点が古謝氏の経済政策の特徴となっている。
交通政策「げんたの移動革命」
沖縄の慢性的な交通渋滞について、古謝氏は大胆な交通政策を打ち出している。
公式政策では、
- ゆいレール延伸
- ゆいレール環状線化の検討
- 鉄軌道計画の加速
- BRT実証
- 自動運転
- 地下交通
などを掲げる。 (古謝げんた公式サイト)
特に特徴的なのが、
「沖縄チューブ」
と呼ぶ自動運転地下道構想だ。
公共交通と道路の選択肢を増やすことで、自動車依存を軽減する考えだ。 (古謝げんた公式サイト)
批判②「大型構想ばかりで財源・工程は?」
交通改革は県民生活に直結する一方、大規模インフラには巨額の費用がかかる。
モノレール延伸。
鉄軌道。
BRT。
地下道。
これらを同時に進めるのであれば、
どれを最優先にするのか。
建設費はいくらなのか。
国はいくら負担するのか。
何年後に利用できるのか。
という具体的な工程が必要になる。
8月18日時点で公開されている公式政策には構想の方向性は記されているものの、個々の大型交通事業について完成時期や総事業費まで一律に示されているわけではない。 (古謝げんた公式サイト)
インパクトのある構想を実際の県政へ落とし込めるかは、古謝氏への重要な検証項目となる。
辺野古移設を「容認」
玉城デニー氏との最も明確な違いの一つが、基地政策だ。
古謝氏は、米軍普天間飛行場の危険性を早期に除去するため、
名護市辺野古への移設を容認する
立場を明確にしている。
古謝氏は、既に工事が進んでいる辺野古へ移設することが、普天間飛行場の危険性除去に向けた「現実的な解決策」だとの考えを示している。
その上で、嘉手納基地より南の米軍施設の返還と跡地利用を進めるとしている。 (古謝げんた公式サイト)
批判③「辺野古移設で本当に負担軽減になるのか」
玉城氏を支える勢力などから見れば、古謝氏の辺野古容認は大きな批判対象となる。
最大の問いは、
「普天間の危険性を除去するために、県内の別の地域へ基地を移すことが沖縄全体の基地負担軽減と言えるのか」
という点だ。
一方、古謝氏側は、
工事が既に進んでいる現状を前提にすれば、辺野古移設を進めて普天間飛行場を返還させることが現実的だとの立場を取る。
つまりここでは、
「県内移設そのものに反対する玉城氏」
と、
「辺野古移設を受け入れ、普天間返還を早める古謝氏」
という基本姿勢の違いがある。
有権者にとって極めて分かりやすい争点となる。
自衛隊の「南西シフト」には一定の理解
古謝氏は安全保障についても玉城氏とは立場が異なる。
政府が南西諸島で進めている自衛隊配備について、周辺の安全保障環境が厳しくなっているとして、自衛力を確保する必要性に一定の理解を示している。
基地負担軽減を進めながら、日本の安全保障政策とも連携するというのが古謝氏の基本姿勢となる。
「国と対立する県政」から「国と交渉する県政」へ
古謝氏が玉城県政との違いとして強調しているのが、
中央政府との関係だ。
古謝氏は10年以上開催されていない「沖縄政策協議会」を再開すると公約。
基地負担軽減、跡地利用、沖縄振興などについて政府と直接交渉する考えを示している。
古謝氏は県政と、
県民、
経済界、
市町村、
中央政府
を「つなぐ」としており、
「県政史上もっとも対話するリーダー」
を目指すとしている。 (古謝げんた公式サイト)
国との協調を重視する保守系候補らしい政策だ。
支持勢力はかなり幅広い
古謝氏は無所属で知事選へ臨む。
一方、8月14日時点の報道では、
自民党 日本維新の会 国民民主党 参政党 公明党沖縄県本部
などから推薦を受けている。
公明党については党本部ではなく、沖縄県本部による推薦となっている。
また、古謝氏の擁立は、経済団体や医療関係団体などで構成された保守系の候補者選考委員会が進めてきた。
幅広い政党や経済界との連携は、国との交渉や政策実行力を重視する古謝氏にとって強みとなり得る。
ただし、支持勢力が広がることで別の問題も出てきた。
大きな論点となった「参政党の推薦」
古謝氏を巡って選挙前から議論になったのが、参政党からの推薦だ。
7月20日、古謝氏と参政党は政策協定を締結した。
協定は7項目。
報道によると、
- 安価な外国人労働力に依存しない所得向上
- 少子化対策
- 大規模太陽光・風力発電の導入見送り
- 外資系企業への過度な依存を避ける
- 県職員採用における国籍規定の厳格化検討
などが盛り込まれた。 (宮古新報)
参政党が都道府県知事選で候補者推薦を決めるのは全国で初めてと報じられた。 (宮古新報)
批判④ 支援する医師側からも質問状
この参政党推薦については、古謝氏を支援する側からも確認を求める動きが出た。
沖縄県医師連盟は7月24日、古謝氏に質問状を提出した。
質問内容には、
外国人医療政策 沖縄戦を巡る歴史認識 平和教育
などが含まれていたと報じられている。
これは重要な動きだ。
単純に「反対陣営が批判している」という話ではなく、
古謝氏を支援する団体の内部からも、参政党との関係について説明を求める声が出た
ということになる。
古謝氏「参政党の主張すべてに同意したわけではない」
これに対し古謝氏は、
参政党との合意は政策協定に記された7項目に限定されており、
参政党の主張全般に同意したものではない
と説明した。
ここは選挙報道で混同してはいけない。
参政党が掲げる政策すべてを古謝氏が支持している、と断定することはできない。
一方で、県職員の国籍要件や外国人労働政策などを含む7項目については、古謝氏自身が政策協定を結んだ事実がある。 (宮古新報)
したがって、
「どこまで参政党と政策を共有するのか」
「知事になった場合、協定項目をどこまで県政へ反映するのか」
は有権者へのさらなる説明が求められる部分だ。
批判⑤ 「無所属」だが政党色は本当に薄いのか
古謝氏は無所属で立候補する予定だ。
しかし実際には、自民、維新、国民、参政、公明県本部など複数の政党・組織から支援を受ける。
さらに2022年参院選では、自民党公認候補として出馬している。
そのため、
「無所属候補ではあるが、実質的には保守系・非玉城勢力の統一候補ではないか」
という見方が出るのは自然だ。
ただし一方で、政策や支持層の異なる複数政党から推薦を受けていること自体は、
「特定政党だけではなく幅広い勢力と協力する」
という古謝氏側のアピール材料にもなる。
つまり同じ事実が、
「幅広い支持」
とも、
「政党との関係が分かりにくい」
とも評価され得る。
離島政策
古謝氏は離島振興について、
- 航空・船舶運賃や物流コストの低減
- 空港・港湾・道路整備
- 医療・行政サービスのDX
- エッセンシャルワーカー確保
- 住宅不足対策
- 観光・農林水産業支援
などを掲げる。 (古謝げんた公式サイト)
さらに、
宮古知事室 八重山知事室 やんばる知事室
を設置し、知事や県政が地域の声を直接拾う仕組みをつくるとしている。 (古謝げんた公式サイト)
那覇中心になりがちな県政を離島・北部へ近づけるという構想だ。
医療・健康政策
古謝氏は沖縄県薬剤師会副会長でもあり、医療政策にも力を入れる。
北部基幹病院の早期整備や、中部病院など拠点病院の機能強化、西普天間地区を核とした国際医療拠点の実現などを掲げている。 (古謝げんた公式サイト)
また、「沖縄健康長寿復興」を掲げ、医療・介護・福祉と先端技術を組み合わせる考えだ。
防災政策
離島県である沖縄では災害時の救急搬送も大きな課題だ。
古謝氏は、
消防防災ヘリの導入
を掲げ、離島を含めた緊急搬送体制を強化するとしている。 (古謝げんた公式サイト)
古謝氏の強みは何か
古謝氏を評価する側が重視するのは、
42歳という若さ
に加えて、
総務省 内閣官房 地方自治体 復興庁 民間企業 那覇市副市長
という経歴だ。 (古謝げんた公式サイト)
行政の仕組みと中央政府との交渉を知っているという点は、県政経験のない新人候補としては大きな武器になる。
また経済界、保守系市長、複数政党などから支援を受けているため、当選した場合に国や市町村、民間企業と連携しやすいとの期待もある。 (琉球新報デジタル)
一方で「知事としての実績」はまだない
古謝氏は新人候補だ。
つまり玉城氏とは評価方法が違う。
玉城氏は約8年間の県政そのものを評価できる。
しかし古謝氏については、
「知事になったら本当に公約を実現できるのか」
を予測することになる。
那覇市副市長として行政経験はあるものの、約150万人規模の県政全体をトップとして運営した経験はない。
国との交渉経験を県政で生かせるのか。
複数政党・団体からなる支持基盤をまとめられるのか。
大型政策を予算へ落とし込めるのか。
新人候補だからこそ問われるポイントとなる。
「刷新」という言葉だけでは足りない
古謝氏は玉城県政からの「県政刷新」を訴える。
しかし選挙では、
「玉城県政と違う」
だけでは十分ではない。
県民所得倍増。
子育て支援倍増。
観光消費倍増。
鉄軌道。
地下道。
離島投資。
医療拠点。
これらをすべて進めるなら、かなりの政策資源と財源が必要になる。
優先順位は何なのか。
当選後最初の100日で何をするのか。
4年間でどこまで達成するのか。
10年後の目標を掲げるのであれば、自身が知事として最初の1期で責任を負う数値も重要になる。
玉城デニー氏との違いは?
主要政策を見ると、両氏の違いはかなり明確だ。
辺野古
玉城氏
反対
古謝氏
容認
国との関係
玉城氏
基地問題では政府と対立しながら県の立場を主張。
古謝氏
沖縄政策協議会を再開し、政府との交渉・協調を重視。
経済
玉城氏
既存産業の成長、県内循環、生活支援などを重視。
古謝氏
県民所得倍増、「新5K経済」、民間投資による急成長を重視。
交通
両氏とも鉄軌道などを掲げるが、
古謝氏は自動運転や地下道など、より技術・大型インフラを前面に出している。
政策の方向性そのものが大きく異なるため、2026年知事選では有権者が選択しやすい対立軸の一つとなる。
週刊TAKAPIが見る古謝玄太氏「6つの検証ポイント」
古謝氏を判断する上で、特に確認すべきポイントは6つある。
① 10年で県民所得を本当に2倍にできるのか
最も分かりやすい公約である一方、最も実現難易度が高い。
7%前後という高成長を継続する具体的なロードマップが必要になる。
② 「手取り2倍」の意味をどこまで具体化できるか
県民所得、給与、可処分所得は同じものではない。
何を「2倍」にするのかを有権者に分かりやすく示す必要がある。
③ 大型政策の財源は確保できるのか
子育て支援倍増と大型交通インフラを同時に進めるなら、国費、県費、民間投資の具体的な分担が重要になる。
④ 辺野古容認で基地負担は本当に減るのか
普天間の危険性除去を優先する古謝氏の考えを評価するか、それとも県内移設自体を問題視するか。
基地政策の最大の判断材料となる。
⑤ 参政党との政策協定をどう県政へ反映するのか
古謝氏は参政党の政策全体への賛同は否定している。
一方、7項目について政策協定を結んだ事実はある。
その境界を明確に説明する必要がある。
⑥ 国と近いことは「強み」か「弱み」か
古謝氏は中央政府との交渉力を強調する。
国と協調して予算やインフラ整備を進めやすいとの期待がある一方、
沖縄県独自の立場を国に対してどこまで主張できるのかという問いも残る。
古謝玄太氏をどう評価するか
古謝氏は、今回の沖縄県知事選で最も明確に「県政刷新」を打ち出す候補の一人だ。
国・地方・民間を経験してきた経歴。
42歳という若さ。
DXやAI、新産業への投資。
国との関係改善。
そして大胆な所得倍増政策。
これらは現状を大きく変えたい有権者にとって魅力となり得る。
一方、
「倍増」という強烈な数字に、実現可能性が追いついているのか。
という疑問は残る。
また、辺野古容認や参政党との政策協定については、政策の中身そのものを有権者が慎重に判断する必要がある。
「変える力」か、「実現可能性」か
古謝玄太氏の政策を一言で表すなら、
「変える」
というメッセージが強い。
県民所得。
産業。
子育て。
交通。
国との関係。
基地政策。
現県政とは異なる方向へ沖縄を動かすという姿勢は明確だ。
だからこそ今回問われるのは、
「変えると言っているか」ではなく、「本当に変えられるか」
だ。
大胆な数値目標を掲げる以上、そのロードマップ、財源、期限、責任の所在まで説明できるか。
それが古謝氏への評価を左右する。
2026年沖縄県知事選
沖縄県知事選は、
8月27日告示 9月13日投開票
の予定。
8月18日時点では告示前であるため、本記事では古謝氏を「立候補予定者」「出馬を表明している」と表記している。
正式な候補者は告示日の立候補届け出によって確定する。
編集部注
本記事は2026年8月18日時点で、古謝玄太氏公式サイト、候補者が公表した政策資料、沖縄県の公開資料、政党・団体の発表、県内報道機関などの公開情報を基に作成しています。
候補者側が「実績」として公表している内容については、その主体が分かるよう記載しています。
また、古謝氏への批判や疑問については、候補者に対する否定的評価を事実として断定するのではなく、政策の実現可能性や支持団体から実際に提起された論点などを区別して記載しています。
古謝氏と参政党の関係についても、政策協定を締結した7項目と参政党全体の政策・主張を混同しないよう記述しています。
政策、推薦・支持関係、立候補状況などに変更が確認された場合は随時更新します。
© 週刊TAKAPI / WEEKLY TAKAPI
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