岡山県警は2026年8月18日、県北部の駐在所に勤務していた30代の男性巡査長について、勤務中に居室でテレビを視聴したほか、巡回連絡を実施していないにもかかわらず虚偽の件数を報告し、拳銃を適切に保管せず居室に放置していたとして、戒告の懲戒処分とした。
問題が明らかになるきっかけとなったのは、管内の住民から寄せられた「最近駐在さんが回ってこない」という趣旨の情報だった。
5月に勤務中テレビ視聴 巡回「45件」と虚偽報告
県警によると、巡査長は2026年5月3日から26日にかけて、勤務時間中に駐在所の居室でテレビを視聴していた。
さらに、本来行うべき戸別の巡回連絡を一切実施していなかったにもかかわらず、実施件数を「45件」とする虚偽の報告をしていたという。
巡回連絡は、警察官が地域の家庭や事業所などを訪問し、防犯や交通安全に関する情報を伝えたり、住民から地域の状況を聞き取ったりする地域警察活動の一つで、駐在所勤務では住民との接点となる重要な業務に位置付けられている。
今回のケースでは、その実施実態と報告内容が食い違っていた。
拳銃を居室に9回放置 保管庫に入れず
処分理由には拳銃の管理も含まれている。
巡査長は5月5日から13日にかけて計9回、拳銃を所定の保管庫に収納せず、帯革ごと駐在所の居室に置いたままにしていたという。
拳銃は警察官が職務上携帯する装備であり、紛失や盗難、不適切な使用につながる危険を防ぐため厳格な管理が求められる。
今回、実際に拳銃の紛失や第三者による使用が起きたとの情報は示されていないものの、県警は管理上の問題として処分理由に含めた。
住民からの情報で調査へ
一連の問題が判明する端緒となったのは、住民からの声だった。
6月、管内の住民から「最近駐在さんが回ってこない」との情報が寄せられ、県警が勤務状況などを調査。その過程で、巡回連絡の虚偽報告や勤務中のテレビ視聴、拳銃管理の不備が確認された。
巡査長は県警の調査に対して事実関係を認めている。
本人は「県民の皆様に申し訳なく思っており、深く反省しています」としたうえで、「勤務環境の慣れからだんだんと怠けてしまった」と説明しているという。
岡山県警「誠に遺憾」 再発防止へ
岡山県警は今回の処分について、県民に対して謝罪するとともに、職員への職務倫理教育や業務管理を徹底し、再発防止に取り組むとしている。
駐在所は、地域住民に最も近い警察活動の拠点の一つだ。今回の問題は、単なる勤務態度だけでなく、巡回実績の虚偽報告と拳銃管理の不備が重なっていた点で、地域警察業務への信頼にも関わる事案といえる。
編集部まとめ
今回の処分で特徴的なのは、内部点検ではなく、地域住民の「最近回ってこない」という声が発覚の端緒になった点だ。
駐在所勤務では、巡回連絡そのものが住民との信頼関係を維持する役割を持つ。実施していない業務を実施済みとして報告していたことに加え、拳銃を適切に保管しなかった行為も確認されており、県警には個人への処分だけでなく、勤務管理がどの段階で機能しなかったのかを検証することも求められる。
週刊TAKAPI編集部/一条
特記事項
この記事は、2026年8月18日に公表された岡山県警の懲戒処分内容をもとに整理した。男性巡査長の氏名、勤務していた具体的な駐在所名などは公表情報の範囲を超えて記載していない。
「拳銃を放置した」との表現は、所定の保管庫に収納せず駐在所居室に置いた状態を指す。拳銃の紛失、盗難、第三者による使用が発生したとの情報は確認されていない。
今回の処分は警察内部の懲戒処分であり、刑事責任の有無とは区別する必要がある。
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