佐賀県鳥栖市の長崎自動車道上り線で、鹿児島市の樟南高校女子剣道部の生徒らを乗せたマイクロバスなど6台が絡んだ事故について、学校側は2026年8月22日に記者会見を開き、負傷した生徒の状態や事故直前の状況を明らかにした。
学校側によると、マイクロバスに乗っていた女子剣道部の生徒9人と男性副顧問、女性コーチの計11人全員がけがをした。このうち生徒1人が左大腿骨を折るなどの重傷を負い、緊急手術を受けることになった。さらに生徒2人には脳震盪による意識障害などがみられ、22日時点で計3人が福岡県内の病院に入院している。
渋滞で停車中に後方から大型トレーラー
事故は21日午後4時半ごろ、鳥栖市の長崎自動車道上り線・鳥栖インターチェンジ付近で発生した。
警察や消防によると、現場付近は当時渋滞しており、大型トレーラーがマイクロバスに衝突するなどして、計6台が絡む多重事故となった。
学校側の会見では、事故直前の状況も新たに明らかになった。
マイクロバスを運転していた男性副顧問は、渋滞のためハザードランプを点灯して停止していたという。後方を確認したところ、大型車が速い速度で接近しているのが見え、その後、衝突したと学校側に説明している。
この説明はあくまでバス側から見た事故直前の状況であり、警察による事故原因の確定を意味するものではない。
佐賀県内の剣道大会から鹿児島へ戻る途中
マイクロバスには、樟南高校女子剣道部の1、2年生9人と、男性副顧問、女性コーチの計11人が乗っていた。
生徒らは佐賀県内で行われた剣道大会を終え、鹿児島へ戻る途中だった。
事故に関係した車両は計6台で、関係者は16人。これまでに確認されているけが人はマイクロバスに乗っていた11人で、ほかの車両の乗員にけがは確認されていない。
事故発生直後は「生徒1人が重傷」とされていたが、22日の学校会見によって、左大腿骨骨折などで緊急手術を受けることや、ほかの生徒にも脳震盪による意識障害がみられることが判明した。
「乗り物が怖い」 事故後の心理面にも影響
身体的なけがだけでなく、生徒の心理面への影響も出ている。
学校側によると、事故後に「乗り物が怖い」と訴えている生徒もいるという。
学校はスクールカウンセラーを配置するなどし、負傷した生徒を含めた心理的ケアを進める方針を示している。
高速道路上で突然後方から衝突された事故だけに、退院や身体的な回復だけではなく、通学や部活動の遠征などで再び車両に乗る際の心理的負担への対応も課題となる。
シートベルト未着用の生徒も 負傷との因果関係は未確認
22日の会見では、事故当時、車内で寝ていた生徒の中にシートベルトを着用していなかった生徒がいたことも明らかになった。
ただし、この点は慎重に切り分ける必要がある。
警察は大型トレーラーを運転していた30代の男性から事情を聴き、車両が渋滞中の車列に衝突した経緯など、事故当時の詳しい状況を調べている。
一方、どの生徒がどの座席でシートベルトを着用していたのか、未着用だったことが個々の負傷程度に影響したのかについて、県警から具体的な確認結果は公表されていない。
したがって、現時点で「シートベルトをしていなかったことが重傷につながった」などと結論づけることはできない。
県警による事故状況の確認と、学校側が把握している乗車状況は分けて考える必要がある。
最大の焦点は大型トレーラーがなぜ車列に衝突したのか
今回の事故で今後の焦点となるのは、大型トレーラーがなぜ渋滞中の車列に衝突したのかだ。
学校側の説明では、マイクロバスは渋滞で停止していた。県警は大型トレーラーを運転していた30代男性から事情を聴くなどして、事故発生までの詳しい状況を調べている。
22日16時45分までに確認できる公表情報では、運転手の逮捕や事故原因が確定したとの発表は確認されていない。
今後、警察の捜査で前方確認の状況や車両の走行状況、衝突に至った経緯などがどこまで明らかになるかが注目される。
編集部まとめ
事故翌日の学校会見で、被害の実態が大きく具体化した。
マイクロバスに乗っていた11人全員がけがをし、生徒1人は左大腿骨骨折などの重傷で緊急手術となった。ほかにも脳震盪による意識障害がみられ、計3人が入院している。
また、バス側からは「渋滞でハザードランプを点灯して停止していた」とする事故直前の状況も示された。
一方、大型トレーラーがなぜ車列に衝突したのかはまだ解明されていない。シートベルトを着用していなかった生徒がいたことも判明したが、負傷との因果関係は確認されておらず、事故原因と混同してはならない。
今後は生徒らの回復とともに、県警による事故原因の解明が最大の焦点となる。
週刊TAKAPI編集部:成田
特記事項
この記事は2026年8月22日16時45分までに確認できた学校側の記者会見、警察・消防などの公表情報を基に構成した。
学校側が説明した事故直前の状況は、マイクロバスを運転していた副顧問の説明に基づくもので、警察が事故原因として確定した内容ではない。
大型トレーラーの運転手について、事故原因や刑事責任は現時点で確定していない。
また、一部生徒がシートベルトを着用していなかったことは学校側が明らかにしているが、着用の有無と個々の負傷との因果関係について、県警から具体的な確認結果は公表されていない。
長崎道・鳥栖IC付近の樟南高校バス事故で分かっていること
2026年8月21日午後4時半ごろ、佐賀県鳥栖市の長崎自動車道上り線・鳥栖IC付近で、樟南高校女子剣道部の生徒らが乗ったマイクロバスなど計6台が絡む事故が発生した。
マイクロバスには女子剣道部員9人と男性副顧問、女性コーチの11人が乗車し、全員がけがをした。
生徒1人は左大腿骨骨折などの重傷で緊急手術となり、ほかの生徒にも脳震盪による意識障害がみられた。22日時点で生徒3人が入院している。
警察は大型トレーラーを運転していた30代男性から事情を聴き、事故当時の詳しい状況を調べている。
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