【愛知・蒲郡】名古屋市立大が看護学専攻の新キャンパスへ 定員210人、三河の医療人材確保に期待

名古屋市立大学が愛知県蒲郡市に看護学専攻の新キャンパスを開設する計画を伝える報道アイキャッチ

名古屋市立大学が2027年4月、愛知県蒲郡市に医学部保健医療学科看護学専攻の新キャンパスを開設する計画を進めている。2029年に閉校する予定のソフィア看護専門学校の施設を活用し、看護学専攻の入学定員を現在の120人から210人へ拡大する計画だ。

背景には、看護専門学校の志願者減少に加え、高齢化が進む三河地域で医療人材をどう確保するかという課題がある。蒲郡市が名古屋市立大学側に専門学校の「大学化」を持ちかけたことから計画が進み、実現すれば三河地域における公立大学の看護教育拠点として、地域医療を支える人材育成が期待される。

8月22日にオープンキャンパス 高校生ら約140人参加

2026年8月22日、蒲郡キャンパスの予定地でオープンキャンパスが開かれ、高校生と保護者ら約140人が参加した。

会場では、名古屋市立大学の現役学生が大学生活や学びについて説明。座談会も行われ、高校生から進学後の生活やカリキュラムなどについて質問が寄せられた。

参加した高校生からは、地元から通学できることや4年制大学で看護を学べることを評価する声のほか、「蒲郡市で看護師として地域に貢献したい」といった声も聞かれた。

地元で大学教育を受けながら看護職を目指せる環境が整うことで、卒業後の地域定着にもつながるかが注目される。

専門学校の志願者減少 蒲郡市から「大学化」を提案

新キャンパス計画の背景には、看護人材を取り巻く環境の変化がある。

ソフィア看護専門学校では志願者が減少傾向にあり、蒲郡市は、人事交流などを通じて協力関係にあった名古屋市立大学に対し、専門学校の機能を大学教育へ移行する「大学化」を持ちかけた。

蒲郡市にとって、看護人材の育成拠点を維持できるかどうかは地域医療にも直結する。

蒲郡市民病院では、勤務する看護師の約7割を同専門学校の卒業生が占めているとされ、病院側は看護師確保について「ギリギリなんとかなっているのが本音」と説明している。

専門学校が閉校した後も地域内で看護人材を育成する仕組みを確保することが、新キャンパス構想の重要な役割となる。

蒲郡市は約3割が65歳以上 医療人材確保が課題

蒲郡市では人口のおよそ3割を65歳以上が占め、高齢化に伴う医療需要への対応が課題となっている。

地域の中核病院である蒲郡市民病院を安定して運営するためにも、看護師をはじめとする医療人材の確保は欠かせない。

看護を学ぶ学生が地域で生活し、市民病院などで実習を経験する機会が増えれば、卒業後に蒲郡市や三河地域の医療機関へ就職する人材を増やす効果も期待される。

一方、実際に地域への就職や定着につながるかは、教育内容や実習体制、卒業後のキャリア支援なども含めて今後確認する必要がある。

入学定員120人から210人へ 90人増員する計画

名古屋市立大学は、新キャンパス開設に合わせ、看護学専攻の入学定員を現在の120人から210人へ増やす計画だ。

実現すれば90人の増員となり、現在の1.75倍の規模となる。

単に既存の専門学校を大学へ置き換えるだけではなく、大学としての看護教育の受け皿そのものを拡大する形だ。

看護師不足が地域医療の課題となる中、養成規模の拡大によって三河地域を中心とした医療現場への人材供給につながるかが焦点となる。

市民病院が隣接 実習環境も強みに

蒲郡キャンパス予定地のすぐ隣には蒲郡市民病院がある。

看護教育では病院での臨地実習が重要になるため、大学の教育拠点と中核病院が隣接する立地は大きな特徴となる。

学生が実際の医療現場に近い環境で学べるだけでなく、大学と病院による人材育成や卒業後の継続教育などへの展開も期待される。

名古屋市立大学の平松修副理事長は、高齢化が進む蒲郡市で先行して学ぶことができるキャンパスになるとして期待を示している。

2027年4月開設予定 地域医療との連携が焦点

新キャンパスは2027年4月の開設が予定されている。

専門学校から大学教育へ移行することで、看護の専門教育に加え、大学として一般教養や幅広い専門分野を学べる環境が整うことになる。

蒲郡市側にとっては、教育拠点の維持だけでなく、市民病院をはじめとする地域医療機関で働く人材を継続的に確保できる仕組みを構築できるかが重要になる。

今後は施設整備や教育体制、定員拡大に向けた手続きなど、新キャンパス開設までの具体的な準備が注目される。

編集部まとめ

名古屋市立大学の蒲郡キャンパス構想は、看護専門学校の志願者減少への対応だけでなく、三河地域の医療人材をどう育て、地域に定着させるかという課題に踏み込む計画だ。

入学定員を120人から210人へ拡大し、隣接する蒲郡市民病院との連携を生かせるか。2027年春の開設に向け、教育拠点としての具体像と地域医療への効果が焦点となる。

週刊TAKAPI編集部/一条

特記事項

この記事は2026年8月24日時点で確認できた公表・報道内容を基に構成しています。

名古屋市立大学の蒲郡キャンパスは2027年4月の開設が予定されていますが、施設整備の詳細、教育体制、定員拡大に伴う具体的な手続きなどについては、今後変更される可能性があります。

また、キャンパス開設による地域医療人材の確保や卒業後の地域定着については期待されている段階であり、具体的な効果が確定しているものではありません。

名古屋市立大学・蒲郡キャンパス計画とは

名古屋市立大学は2027年4月、愛知県蒲郡市に医学部保健医療学科看護学専攻の新キャンパスを開設する計画を進めている。

2029年に閉校予定のソフィア看護専門学校の施設を活用し、看護学専攻の入学定員を120人から210人へ増やす計画。予定地には蒲郡市民病院が隣接しており、看護教育や実習、地域医療人材の育成につながることが期待されている。

Q名古屋市立大学の蒲郡キャンパスはいつ開設されますか?
A2027年4月の開設が予定されています。医学部保健医療学科看護学専攻の新たな教育拠点となる計画です。
Qどこに設置される予定ですか?
A愛知県蒲郡市にあるソフィア看護専門学校の施設を活用する計画です。予定地の近くには蒲郡市民病院があります。
Q看護学専攻の定員は何人になりますか?
A現在の120人から210人へ増やす計画で、90人の増員となります。
Qなぜ蒲郡市に大学キャンパスを設置するのですか?
A看護専門学校の志願者減少に加え、蒲郡市を含む三河地域で看護師などの医療人材を継続的に育成・確保する必要があることが背景にあります。
Q蒲郡市民病院とはどのように連携しますか?
Aキャンパス予定地に市民病院が隣接しているため、看護実習などで連携しやすい環境となります。具体的な教育・連携体制については今後の整備内容が注目されます。

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