宮城県石巻市で2025年6月、市が町内会を通じて配布した殺虫剤を87歳の男性が誤飲して死亡しました。市は事故を把握した後も、殺虫剤を配布していた他の町内会へ知らせず、注意喚起もしていませんでした。
共同通信が9月5日、市の開示資料や遺族への取材をもとに報じました。
多くの町内会でペットボトルなどに小分け
共同通信によると、市が害虫駆除用として町内会へ配布した殺虫剤は、多くの町内会でペットボトルなどに小分けされ、住民へ渡されていました。
2025年6月、この殺虫剤を87歳の男性が誤飲して死亡しました。
市が当時、各地区で行われていた小分けの実態をどの程度把握していたのかは明らかになっていません。
死亡事故後も他地区への注意喚起なし
市は男性の死亡を把握した後も、殺虫剤を配布していた他の町内会へ事故を周知せず、取り扱いに関する注意喚起も行いませんでした。
その翌月の2025年7月には、別の地区で3歳児が殺虫剤を誤飲し、一時意識不明となる事故が起きました。
3歳児の事故については2026年、宮城県警が関係者から事情を聴くなどして経緯を調べています。
ただし、87歳男性の死亡事故後に注意喚起が行われなかったことと、3歳児の事故との因果関係は明らかになっていません。
市は「遺族の要望」などを理由に説明
共同通信によると、市は死亡事故を他地区へ知らせなかった理由として、遺族から口外しないよう求められたことや、殺虫剤を配布した町内会の衛生推進員への配慮を挙げています。
市の開示資料には、男性の死亡から約1週間後、遺族から「関係者以外には言わないでほしい」との要望があったとする記録が残されています。
一方、遺族は、事故そのものを公表しないよう求めた事実はないとしています。
「口外しないで」の意味 市と遺族で説明に差
遺族によると、市役所で除籍謄本を取得した際、公衆の面前で職員から死因について「誤飲ですか」と声をかけられたため、「口外しないでください」と伝えたということです。
遺族側は、個人情報への配慮を求めた発言であり、死亡事故を他の町内会へ知らせないよう求めたものではないと説明しています。
市の記録と遺族側の説明では、この発言をどの範囲の情報についての要望と受け止めたかに違いがあります。
市の判断過程は明らかにならず
今回の報道では、死亡事故を把握した後、市が他地区への安全情報の共有についてどのような検討を行ったのか、詳しい判断過程は明らかになっていません。
また、死亡事故が起きた時点で、市がペットボトルへの小分け実態をどこまで認識していたのかについても、確認できる情報は限られています。
週刊TAKAPI 編集部/成田
特記事項
この記事は2026年9月5日の共同通信による独自報道を中心に、これまでに公表・報道された石巻市の殺虫剤誤飲事故に関する情報を整理したものです。週刊TAKAPIによる独自取材ではありません。
市と遺族では「関係者以外には言わないでほしい」とされた発言の意味について説明が異なっています。また、87歳男性の死亡事故と翌月の3歳児の事故について、因果関係を示す事実は確認されていません。
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