【中部電力】勝野会長が浜岡原発の書類改ざんを謝罪 14件約8億円、経営責任は「総合的に判断」

静岡県御前崎市の浜岡原子力発電所1、2号機の廃炉工事で報告書14件の書き換えが判明し、中部電力の勝野哲会長が謝罪した問題を伝える週刊TAKAPIのアイキャッチ

静岡県御前崎市の浜岡原子力発電所1、2号機で、廃炉工事の実績報告や費用請求に使われた資料が書き換えられていた問題を受け、中部電力の勝野哲会長は7日、名古屋市内で謝罪しました。

浜岡原発では、3、4号機の再稼働審査をめぐる地震動評価でも不適切事案が発覚しています。勝野会長は、自身を含む経営責任について調査委員会の報告を踏まえ「総合的に判断していく」と述べ、進退について具体的な考えは示しませんでした。

14件の工事報告書を書き換え 実績と異なる数値を提出

中部電力が8月27日に公表したのは、浜岡原発1、2号機で進める2024年度の解体撤去工事をめぐる不適切な処理です。

使用済燃料再処理・廃炉推進機構(NuRO)へ提出した証拠書類のうち、14件の工事報告書の写しで、請負会社から受け取った原本に記載された解体物量や解体機器などを書き換え、実績とは異なる数値を報告していました。

関係者への聞き取りでは、「計画通りの数値にしたい」との趣旨の説明が出ているとされています。

14件分で約8億円を受領 過大だったかは未確定

2024年度の廃炉工事費として中部電力がNuROから受け取った金額は約11億円。このうち、不適切な手続きが確認された14件に関係する受領額は約8億円とされています。

ただし、約8億円そのものが過大請求額という意味ではありません。

実際の工事内容に照らして受領額が本来より多かったのか、返還が必要な金額があるのかについては調査中です。

7月に機構から確認依頼 8月に社内調査へ

今回の問題が明らかになるまでの経緯も、中部電力の公表資料から確認できます。

NuROは2026年7月3日から27日にかけ、中部電力が提出した2025年度の費用請求資料について、解体保管量や廃棄物処理量を確認するよう求めました。

これを受け、浜岡原発の廃止措置担当部署は8月3日、過去の提出資料について事実確認を開始。8月17日に不適切な処理を確認し、原子力本部長へ報告するとともに社内調査に入りました。

8月27日に問題を公表しています。

つまり、現時点で確認できる公式資料では、7月のNuROからの確認依頼が、その後の過去資料の点検につながったという時系列です。「機構が7月時点で改ざんを断定した」とまでは公表されていません。

3、4号機では地震動評価にも不適切事案

浜岡原発では、1、2号機の廃炉費用とは別に、3、4号機の再稼働に向けた新規制基準適合性審査でも問題が起きています。

中部電力は1月、基準地震動の策定に使う代表波の選定について、審査会合で説明していた方法とは異なる方法や、意図的な方法で実施されていた疑いが確認されたと公表しました。

同社はこの事案について、審査に重大な影響を及ぼすおそれがあり、原子力事業への信頼を失墜させ、事業の根幹を揺るがしかねないとして、外部専門家による調査を進めています。

1、2号機では廃炉費用の根拠資料、3、4号機では再稼働審査に使う地震動評価が問題となっており、内容の異なる不適切事案が並行して調査されています。

勝野会長「社会的責任をさらに大きく損なう」

勝野会長は7日、中部経済連合会会長として開いた定例会見で、今回の書類改ざんについて「心より深くおわび申し上げる」と謝罪しました。

さらに、新たな不正について「原子力事業者としての社会的責任をさらに大きく損なうもの」との認識を示しました。

自身の経営責任については、3、4号機の地震動評価問題を調べている調査委員会の報告を踏まえ、「総合的に判断していく」と説明するにとどめています。

7日の会見で、辞任するのか、現在の役職を続けるのかといった具体的な進退判断は示されませんでした。

経産省も事実関係や類似事案の報告求める

経済産業大臣は8月27日、中部電力に対して法令に基づく報告徴収を行いました。

対象は、今回の事案の事実関係と経緯、原因、実効的な再発防止策に加え、他に類似事案がないかという点です。NuROも中部電力に対し、2025年度の実績を含めた詳細な事実関係や原因、再発防止策を報告するよう求めています。

今後の焦点は、14件の書き換えがどの範囲で行われ、誰が関与・了承していたのか、約8億円の受領額にどの程度の影響があったのか、さらに同様の処理が他にも存在するのかという点です。

週刊TAKAPI 編集部/成田

特記事項

この記事は2026年9月7日の勝野哲会長の会見、中部電力が8月27日に公表した資料、経済産業大臣とNuROによる報告・指示内容などを確認して構成しています。

浜岡原発1、2号機の廃炉費用をめぐる書類書き換えと、3、4号機の基準地震動策定をめぐる不適切事案は別の問題です。

また、約8億円は不適切な手続きが確認された14件に関係して受領した金額であり、過大受領額として確定した数字ではありません。中部電力は、今回の書類書き換えについて原発の安全性に直接影響するものではないとの見解も示しています。静岡県御前崎市の浜岡原子力発電所1、2号機で、廃炉工事の実績報告や費用請求に使われた資料が書き換えられていた問題を受け、中部電力の勝野哲会長は7日、名古屋市内で謝罪しました。

浜岡原発では、3、4号機の再稼働審査をめぐる地震動評価でも不適切事案が発覚しています。勝野会長は、自身を含む経営責任について調査委員会の報告を踏まえ「総合的に判断していく」と述べ、進退について具体的な考えは示しませんでした。

14件の工事報告書を書き換え 実績と異なる数値を提出

中部電力が8月27日に公表したのは、浜岡原発1、2号機で進める2024年度の解体撤去工事をめぐる不適切な処理です。

使用済燃料再処理・廃炉推進機構(NuRO)へ提出した証拠書類のうち、14件の工事報告書の写しで、請負会社から受け取った原本に記載された解体物量や解体機器などを書き換え、実績とは異なる数値を報告していました。

関係者への聞き取りでは、「計画通りの数値にしたい」との趣旨の説明が出ているとされています。

14件分で約8億円を受領 過大だったかは未確定

2024年度の廃炉工事費として中部電力がNuROから受け取った金額は約11億円。このうち、不適切な手続きが確認された14件に関係する受領額は約8億円とされています。

ただし、約8億円そのものが過大請求額という意味ではありません。

実際の工事内容に照らして受領額が本来より多かったのか、返還が必要な金額があるのかについては調査中です。

7月に機構から確認依頼 8月に社内調査へ

今回の問題が明らかになるまでの経緯も、中部電力の公表資料から確認できます。

NuROは2026年7月3日から27日にかけ、中部電力が提出した2025年度の費用請求資料について、解体保管量や廃棄物処理量を確認するよう求めました。

これを受け、浜岡原発の廃止措置担当部署は8月3日、過去の提出資料について事実確認を開始。8月17日に不適切な処理を確認し、原子力本部長へ報告するとともに社内調査に入りました。

8月27日に問題を公表しています。

つまり、現時点で確認できる公式資料では、7月のNuROからの確認依頼が、その後の過去資料の点検につながったという時系列です。「機構が7月時点で改ざんを断定した」とまでは公表されていません。

3、4号機では地震動評価にも不適切事案

浜岡原発では、1、2号機の廃炉費用とは別に、3、4号機の再稼働に向けた新規制基準適合性審査でも問題が起きています。

中部電力は1月、基準地震動の策定に使う代表波の選定について、審査会合で説明していた方法とは異なる方法や、意図的な方法で実施されていた疑いが確認されたと公表しました。

同社はこの事案について、審査に重大な影響を及ぼすおそれがあり、原子力事業への信頼を失墜させ、事業の根幹を揺るがしかねないとして、外部専門家による調査を進めています。

1、2号機では廃炉費用の根拠資料、3、4号機では再稼働審査に使う地震動評価が問題となっており、内容の異なる不適切事案が並行して調査されています。

勝野会長「社会的責任をさらに大きく損なう」

勝野会長は7日、中部経済連合会会長として開いた定例会見で、今回の書類改ざんについて「心より深くおわび申し上げる」と謝罪しました。

さらに、新たな不正について「原子力事業者としての社会的責任をさらに大きく損なうもの」との認識を示しました。

自身の経営責任については、3、4号機の地震動評価問題を調べている調査委員会の報告を踏まえ、「総合的に判断していく」と説明するにとどめています。

7日の会見で、辞任するのか、現在の役職を続けるのかといった具体的な進退判断は示されませんでした。

経産省も事実関係や類似事案の報告求める

経済産業大臣は8月27日、中部電力に対して法令に基づく報告徴収を行いました。

対象は、今回の事案の事実関係と経緯、原因、実効的な再発防止策に加え、他に類似事案がないかという点です。NuROも中部電力に対し、2025年度の実績を含めた詳細な事実関係や原因、再発防止策を報告するよう求めています。

今後の焦点は、14件の書き換えがどの範囲で行われ、誰が関与・了承していたのか、約8億円の受領額にどの程度の影響があったのか、さらに同様の処理が他にも存在するのかという点です。

週刊TAKAPI 編集部/成田

特記事項

この記事は2026年9月7日の勝野哲会長の会見、中部電力が8月27日に公表した資料、経済産業大臣とNuROによる報告・指示内容などを確認して構成しています。

浜岡原発1、2号機の廃炉費用をめぐる書類書き換えと、3、4号機の基準地震動策定をめぐる不適切事案は別の問題です。

また、約8億円は不適切な手続きが確認された14件に関係して受領した金額であり、過大受領額として確定した数字ではありません。中部電力は、今回の書類書き換えについて原発の安全性に直接影響するものではないとの見解も示しています。

Q浜岡原発で何が問題になっているのですか?
A浜岡原発1、2号機の廃炉工事で、使用済燃料再処理・廃炉推進機構へ提出した工事報告書14件について、解体物量などが請負会社の原本とは異なる数値に書き換えられていました。
Q書類の問題はどのように発覚したのですか?
A2026年7月に機構側から解体保管量や廃棄物処理量について確認を求められたことを受け、中部電力が過去資料を点検しました。8月に不適切な処理を確認し、社内調査を進めました。
Q約8億円とは何の金額ですか?
A不適切な手続きが確認された14件に関係して中部電力が受領した金額です。約8億円すべてが過大受領だったと確定したわけではなく、実際の影響額は調査中です。
Q浜岡原発3、4号機の耐震データ問題とは同じ事案ですか?
A別の事案です。1、2号機では廃炉工事の実績・費用請求に関する書類が問題となり、3、4号機では再稼働審査に使う地震動評価のデータ選定をめぐる問題が調査されています。
Q勝野哲会長は経営責任について何と説明していますか?
A7日の会見で謝罪したうえで、調査委員会の報告などを踏まえて「総合的に判断していく」と説明しました。自身の進退について具体的な結論は示していません。

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