滋賀県東近江市の路上で10代女性にわいせつな行為をしようとしたとして、滋賀県湖南市の無職、植園貴光容疑者(55)が不同意わいせつ未遂の疑いで逮捕された。
植園容疑者と同姓同名の人物は約20年前、JR特急「サンダーバード」や普通列車、駅構内で女性3人に性暴力を加えた事件で、2008年に大津地裁から懲役18年の判決を受け、大阪高裁でも一審判決が維持されている。
今回の事件は逮捕段階であり、植園容疑者の有罪が確定したわけではない。警察が事件の詳しい経緯や余罪の有無を調べている。
10代女性に声をかけ、わいせつ行為をしようとした疑い
今回の事件が起きたのは2026年8月28日午後。
植園容疑者は滋賀県東近江市内の路上を歩いていた10代女性に声をかけ、性的な内容の質問をしたうえ、手首をつかむなどして、わいせつな行為をしようとした疑いが持たれている。
女性はその場から逃げ、けがはなかった。
植園容疑者は警察の調べに対し、女性に声をかけたことなど一部について認める一方、手首をつかんだとされる行為については否定していると報じられている。
警察は余罪の有無を含め捜査している。
約20年前にも「サンダーバード」などで女性3人に性暴力
植園容疑者と同姓同名の人物をめぐっては、2006年に鉄道車内などで起きた一連の性犯罪事件が全国的に大きく報じられた。
判決などによると、2006年8月3日夜、富山発大阪行きのJR特急「サンダーバード」の車内で20代女性を脅迫。
女性を車内のトイレに連れ込み、性暴力を加えた。
さらに同年12月21日には、JR湖西線の普通列車内で別の女性に性暴力を加えたほか、当時の雄琴駅(現在のおごと温泉駅)構内でも別の女性に性暴力を加えたとされた。
被害者は計3人に上った。
国会でも取り上げられた事件
サンダーバードで起きた事件は、国会でも取り上げられている。
2007年5月16日の衆議院法務委員会で政府側は、2006年8月3日の事件について、女性客に対して「大声を出すな、殺すぞ」と脅迫し、わいせつな行為をしたうえで車内の男性用トイレなどに連れ込み、性暴力を加えた事件だったと説明している。
また、同年4月27日の法務委員会では、政府側が植園被告について「昨年の七月に出所をされた後犯行を行いまして」と答弁している。
つまり、少なくとも2006年の事件については、服役を終えて出所した後に発生した事件だったことが国会記録から確認できる。
検察は懲役25年を求刑 大津地裁は懲役18年
一連の事件で強姦罪などに問われた植園被告に対し、検察側は懲役25年を求刑した。
2008年1月17日、大津地方裁判所は植園被告に懲役18年を言い渡した。
判決では、公共交通機関で行われた犯行が社会や鉄道関係者に与えた影響について厳しく指摘された。
弁護側は当時、16歳の時の交通事故による脳機能障害が犯行に影響したと主張したが、地裁が実施した情状鑑定では「脳障害は認められない」との結果が証拠として採用された。
このため、「薬物や脳障害が認められたため懲役18年になった」とするSNS上の説明には注意が必要だ。
大阪高裁も懲役18年を維持
植園被告側は一審判決を不服として控訴した。
しかし2008年5月29日、大阪高裁は控訴を棄却し、懲役18年とした大津地裁判決を維持した。
高裁は、公共の場所で行われた大胆かつ悪質な犯行であり、被害者の精神的被害に加え、鉄道利用者に与えた恐怖も大きいと指摘した。
被害者の中には事件後、電車に乗れなくなった人もいたとされる。
「出所したばかり」は現段階では断定できない
今回の逮捕を受け、SNSでは「懲役18年の刑期を終えて出所した直後に再び逮捕された」といった情報が拡散している。
ただ、週刊TAKAPIが現時点で確認した公的資料・報道では、今回逮捕された植園容疑者について、直近の刑務所からの具体的な出所日までは確認できていない。
2007年の報道では、サンダーバード車内などで女性3人に性暴力を加えた植園貴光被告は当時36歳で、滋賀県湖南市に居住していた。今回逮捕された植園貴光容疑者も滋賀県湖南市在住の55歳と報じられている。約19年という経過年数と年齢差、氏名、居住地域はいずれも一致している。一方、今回確認できた警察発表や主要報道では、両者が同一人物であるとの明示的な説明までは確認できていない。
一方、2007年の国会答弁から、2006年7月以前に服役歴があったこと自体は確認できる。
長期服役後の再犯防止、改めて問われる可能性
今回逮捕された人物と2008年に懲役18年判決を受けた人物が同一人物であることが捜査や公的資料によって明確になれば、長期服役後の性犯罪再犯防止という問題も改めて浮上する。
刑務所内での性犯罪再犯防止指導だけでなく、出所後の社会復帰支援や継続的な再犯防止策がどこまで機能していたのか。
今回の事件の捜査とともに、過去の経緯を含めた検証が必要となりそうだ。
※今回の事件について植園容疑者は逮捕された段階であり、有罪が確定したものではありません。週刊TAKAPIでは推定無罪の原則に基づき、捜査機関の発表・公的資料・判決など確認可能な事実を区別して掲載します。
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