光通信・投資ファンドがレオパレス21にTOB 1株1000円、約2676億円で非公開化へ

通信事業などを展開する光通信は2026年9月14日、投資ファンドと共同で、賃貸住宅大手レオパレス21に対する株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。

買付価格は1株1000円で、買付代金は最大約2676億円。TOB成立後は株式併合などの手続きを進め、レオパレス21を完全子会社化する方針だ。レオパレス21はTOBへの賛同を表明し、株主に応募を推奨している。


レオパレス21へのTOBは9月15日開始 買付価格は1株1000円

今回のTOBは、光通信がMBKパートナーズ関連ファンドNECキャピタルソリューション関連ファンドと共同で実施する。

公開買付者は、今回の買収のために設けられた株式会社K891。TOBの主な条件は次の通りとなっている。

対象企業:株式会社レオパレス21
証券コード:8848
公開買付者:株式会社K891
買付価格:普通株式1株につき1,000円
買付期間:2026年9月15日~10月30日
買付予定数:267,668,014株
買付予定数の下限:158,716,000株
買付予定数の上限:設定なし
買付代金:約2,676億円
決済開始予定日:2026年11月9日
公開買付代理人:SBI証券

買付予定数の下限に届かなかった場合、公開買付者は応募された株式を買い付けない。一方、上限は設定されておらず、条件を満たして成立すれば応募株式のすべてを取得する。


TOB価格は9月14日終値を約45%上回る

TOB価格の1株1000円は、9月14日のレオパレス21株の終値691円を基準にすると、約44.7%高い水準となる。

また、公表前営業日である9月11日の終値657円に対しては、約52.2%のプレミアムが付く計算だ。

市場価格を大きく上回る価格を提示することで、幅広い株主から株式を取得し、非公開化に必要な株数を確保する狙いがある。


光通信はレオパレス21株をすでに18.11%保有

光通信側は現在、複数の関係会社を通じ、レオパレス21株の18.11%を間接保有している。

レオパレス21の2026年3月末時点の株主構成では、光通信グループに関係する「UH Partners 2 LPS」が約15.48%を保有する筆頭株主となっていた。

今回のTOBでは、光通信グループが保有する一部株式について応募せず、TOB成立後も保有を続ける取り決めが結ばれている。一方、レオパレス21の第2位株主だった千鳥合同会社は、保有する約5050万株すべてをTOBに応募することで合意した。

千鳥合同会社は、レオパレス21の経営再建を支援してきた米投資会社フォートレス・インベストメント・グループの関連会社。今回の取引は、再建局面を支えた大株主から、光通信と新たな投資ファンド連合へ経営の主導権が移る節目となる。


ガス・電気・インターネットをレオパレス物件に拡大へ

光通信は、レオパレス21が管理・運営する賃貸住宅に対し、グループが取り扱うガス、電気、インターネット回線などのサービスを導入する考えだ。

レオパレス21は全国に多数の賃貸住宅と入居者を抱えている。物件や入居者に関連サービスを一体的に提供できれば、光通信側にとって継続的な契約収入につながる可能性がある。

一方、レオパレス21側は、光通信グループの顧客基盤や営業力を活用し、法人契約を含む新たな入居者獲得につなげる方針だ。


レオパレス21はTOBに賛同 成立後は上場廃止へ

レオパレス21は9月14日の取締役会で、今回のTOBに賛同する意見を表明するとともに、株主に応募を推奨することを決議した。

TOBが成立した後、公開買付者側がすべての株式を取得できなかった場合は、株式併合などによるスクイーズアウト手続きが行われる予定だ。

一連の手続きが完了すれば、レオパレス21株は東京証券取引所プライム市場の上場廃止基準に該当し、上場廃止となる見通しだ。


施工不備問題から経営再建 レオパレス21は新たな局面へ

レオパレス21は2018年に明らかになったアパートの施工不備問題を受け、補修費用や入居率低下によって経営が悪化した。2021年3月期には債務超過となり、上場廃止の猶予期間に入った時期もあった。

その後はフォートレス側からの資金支援や入居率の回復、家賃単価の上昇などを背景に業績を立て直した。2026年3月期には売上高4448億円、営業利益362億円を計上している。

今回の非公開化は、経営危機からの立て直しを経たレオパレス21が、次の成長段階へ移る動きと位置付けられる。


【編集部の考察】焦点は「入居者基盤をどう収益化するか」

今回の買収で注目されるのは、レオパレス21が持つ物件そのものだけではない。全国の入居者や法人契約先と継続的な接点を持つ、巨大な顧客基盤としての価値だ。

光通信は通信回線だけでなく、電力やガスなど幅広いサービスを取り扱う。レオパレス21の物件にこれらを導入できれば、入居契約を起点に複数のサービス契約を獲得する仕組みを構築できる。

ただし、非公開化によって短期的な株価や株主の要求に左右されにくくなる一方、経営情報が上場企業時代より見えにくくなる可能性もある。

施工不備物件の改修、オーナーへの対応、入居者へのサービス提供が今後どのように変化するのか。買収による相乗効果だけでなく、住宅事業者としての説明責任や品質管理が維持されるかも継続的な検証が必要となる。


レオパレス21の入居者はTOBに何か対応する必要がありますか?

TOBは株式の取得に関する手続きであり、通常、入居者が応募や申請をする必要はありません。賃貸借契約の変更などが発表された場合は、レオパレス21からの正式な案内を確認する必要があります。

レオパレス21の物件オーナーとの契約は変わりますか?

今回の発表時点で、物件オーナーとの契約を一律に変更するとの具体的な説明は確認されていません。非公開化後の経営方針や管理契約への影響が今後の焦点となります。

TOBに応募しなかった株主はどうなりますか?

TOB成立後に完全子会社化の手続きが行われた場合、応募しなかった株主の株式も最終的には金銭と引き換えに取得される可能性があります。具体的な手続きは会社から公表される資料を確認する必要があります。

なぜ投資ファンドと共同で買収するのですか?

約2676億円に上る大型買収には多額の資金と専門的な企業再編の知見が必要です。光通信が事業面を担い、投資ファンドが資金調達や非公開化後の経営改革を支える構図とみられます。


※本記事は公開されている企業情報、報道内容、地域特性、市場動向などをもとに編集部が独自に考察した内容です。企業や関係者が公表している出店理由・経営方針を断定するものではなく、一部に編集部の見解や推測が含まれます。最新かつ正確な情報は、各企業・自治体の公式発表をご確認ください。

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週刊TAKAPI編集部:黒木

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