【徳島】鉄塔から転落死した19歳社員が遺書 職場環境・人間関係に悩み パワハラの有無を調査

徳島県上勝町の送電鉄塔から転落して死亡した四国電力送配電の男性社員(19)が、遺書を残していたことが15日、同社徳島支社への取材で分かった。

遺書には職場環境や人間関係についての悩みが記されていたといい、会社側はパワーハラスメントの有無などを含め、事実関係の調査を進めている。

一方、遺書の存在と転落との因果関係は現時点で明らかになっていない。会社側もパワハラがあったと認定したわけではなく、今後の調査で何が明らかになるのかが焦点となる。

落雷の影響を点検中、約40メートル下に転落

徳島県警によると、死亡したのは徳島県石井町の松岡一輝さん(19)。

松岡さんは9日午前、上勝町の送電鉄塔で落雷による影響を確認するための点検作業を行っていた際、約40メートル下に転落した。

松岡さんの体からは安全保護具の一部が外れていたという。

事故がどのような状況で発生し、安全保護具がなぜ外れていたのかなど、転落に至った詳しい経緯の解明が求められる。

所持品から遺書 職場環境や人間関係への悩み

事故後、松岡さんの所持品から遺書が見つかった。

遺書は10日に遺族へ引き渡された。

四国電力送配電徳島支社によると、同社幹部が12日夜、遺族から遺書の写しを受け取ったという。

遺書には、職場環境や人間関係についての悩みが記されていた。

ただ、会社側は遺書の具体的な内容について「プライバシー保護のため言えない」としており、詳細は明らかにしていない。

四国電力送配電、パワハラの有無を調査

遺書の存在を受け、四国電力送配電はパワーハラスメントの有無を含め、職場で何があったのか事実関係を調査している。

会社側は調査について、有識者による外部調査も含めて検討していると説明。

「誠実に対応する」

とコメントしている。

今後は松岡さんが勤務していた職場での人間関係や指導の実態、会社側が生前の悩みを把握していたのかなどについて、客観的な検証が行われるかが注目される。

「遺書=転落原因」とは現時点で断定できない

今回の続報では、遺書の存在とその内容が大きな焦点となっている。

ただし、遺書が見つかったという事実だけをもって、鉄塔からの転落原因を断定することはできない。

松岡さんは落雷の影響を確認する点検作業に従事しており、転落時には安全保護具の一部が外れていたことも分かっている。

「なぜ鉄塔から転落したのか」という事故原因の検証と、「職場環境や人間関係にどのような問題があったのか」という労務上の検証は、それぞれ事実に基づいて進める必要がある。

19歳の社員が抱えていた悩み 会社はどこまで把握していたのか

今後、特に重要になるのが、松岡さんが遺書に記した職場環境や人間関係の悩みの実態だ。

パワハラに当たる行為が実際にあったのか。

職場内で相談できる環境は整備されていたのか。

松岡さんが何らかの悩みや異変を示していた場合、上司や会社側はそれを把握していたのか。

そして、必要な対応が取られていたのか。

19歳の社員が亡くなった事実を前に、会社には内部だけで完結しない透明性のある調査と説明が求められる。

上勝町の鉄塔転落事故で何が分かった?

Q今回、新たに何が判明した?
A鉄塔から転落して死亡した四国電力送配電の男性社員(19)が遺書を残していたことが判明しました。遺書には職場環境や人間関係についての悩みが記されていたとされています。
Q死亡した男性は誰?
A徳島県石井町の松岡一輝さん(19)です。
Q事故はどのように起きた?
A9日午前、徳島県上勝町の送電鉄塔で落雷の影響を確認する点検作業中、約40メートル下に転落しました。
Qパワハラがあったことは確認されている?
A現時点では確認されていません。四国電力送配電がパワハラの有無を含めて事実関係を調査しています。
Q遺書の詳しい内容は公表されている?
A詳細は公表されていません。会社側はプライバシー保護を理由に明らかにしていません。
Q遺書があったということは、転落は自殺だった?
A現時点の情報だけでは断定できません。遺書の存在と転落との因果関係は明らかになっておらず、転落原因については別途、事実関係を確認する必要があります。

編集部まとめ

事故原因と職場環境、二つの検証が必要

今回、新たに判明した遺書の存在によって、この問題には少なくとも二つの検証すべき点が浮かび上がった。

一つは、約40メートルの鉄塔からなぜ転落したのかという事故原因。

もう一つは、19歳の松岡さんがなぜ職場環境や人間関係について悩みを抱えていたのかという職場側の問題だ。

現時点では、パワハラの存在も、遺書と転落との因果関係も確認されていない。

だからこそ憶測で結論付けるのではなく、有識者を含む外部調査の実施も含め、第三者性と透明性を確保した検証が重要になる。

週刊TAKAPIでは、四国電力送配電による調査や事故原因の解明、新たな事実が判明した場合、引き続き経緯を追う。


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