愛知県と名古屋市などでつくる「あいち・なごや 都心アート&ライト実行委員会」の事業で、広報記録映像を撮影していたドローンが名古屋市役所西庁舎に接触し、落下する事故があった。
事故によるけが人や庁舎の損傷はなかった。
しかし事故後の確認で、撮影日の変更に伴う9月17日分の必要な手続きが行われていなかったほか、飛行当日の立入管理措置など必要な安全措置も十分に講じられていなかったことが判明した。
実行委員会側も、受託者から必要な申請を行ったとの説明を受けていた一方、委員会としての確認が不十分だったことを認めている。
市役所西庁舎5~6階付近に接触
事故が起きたのは、2026年9月17日午後8時50分ごろ。
実行委員会によると、「あいち・なごやアート&ライツ」の広報記録映像を撮影するため、事業の受託者である株式会社JR東海エージェンシーが手配したカメラマンが、県庁西庁舎と名古屋市役所西庁舎前でドローン1台を飛行させていた。
その最中、機体が名古屋市役所西庁舎の5階から6階付近の壁面に接触し、地上へ落下した。
人的被害はなく、市役所庁舎にも損傷は確認されなかったという。
撮影日を変更、17日分の手続き行われず
問題は事故そのものだけではなかった。
当初、ドローンによる撮影は9月14日と15日に実施する予定で、受託者側は両日を対象とする飛行に係る申請を国土交通省に行っていた。
その後、天候の状況から撮影日を9月15日と17日に変更した。
ところが、変更後の17日分について必要な手続きが行われていなかったという。
事故を受け、実行委員会が受託者への聞き取りや関係書類の確認を行った結果、航空法に関してこの事実が判明した。
立入管理措置なども「十分に講じられていなかった」
さらに、手続きだけではなく、飛行時の安全管理にも問題が確認された。
実行委員会によると、9月17日の飛行当日は、立入管理措置など、定められた必要な安全措置が十分に講じられていなかった。
ドローンは実際に庁舎へ接触して落下しており、今回は人的被害が発生しなかったものの、飛行に必要な手続きと安全措置の双方に不備があったことになる。
実行委員会も「確認が不十分」
一方、受託者だけの問題として片付けられるものでもない。
必要な手続きや安全措置については受託者側が行うことになっており、実行委員会は受託者から「必要な申請を行った」との説明を受けていたという。
しかし、実行委員会は今回の公表で、
「実行委員会としての確認が不十分でした」
と、自らの確認体制にも問題があったことを認めた。
「あいち・なごや 都心アート&ライト実行委員会」は、愛知県、名古屋市、公益財団法人名古屋観光コンベンションビューロー、一般社団法人愛知県観光協会で構成され、愛知県と名古屋市が事務局を務めている。
公的な事業を外部事業者へ委託する場合でも、必要な手続きや安全管理が実際に履行されているかを、発注・主催側がどこまで確認するのかが問われる事案となった。
今後のドローン撮影は予定せず
実行委員会は再発防止策として、今後の事業実施にあたり、受託者に対して関係法令の遵守、必要な手続き、安全確保の徹底を指導するとしている。
また、受託者との情報共有を徹底し、適切な事業執行に努めるとしており、今後、ドローンによる撮影は予定していない。
今回、けが人や庁舎の損傷はなかった。
一方で、実際に機体が庁舎へ接触して落下する事故が発生した後になって、撮影日変更に伴う手続きの未実施や安全措置の不足が確認された。
事故が起きなければ、これらの不備を実行委員会側が把握できていたのか。公的事業における委託先任せの確認体制になっていなかったかも含め、再発防止策の実効性が問われる。
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