豊橋市の小中学校で子どもたちが使ってきた「1人1台端末」が、大規模な更新時期を迎えている。
では、使い終わった大量のタブレットやパソコンは、その後どうなるのか。
週刊TAKAPIが豊橋市の端末整備・更新計画や売却資料、仕様書などを確認したところ、第1期GIGAスクール構想で整備された端末について、再使用できるものはリユースし、故障などで再使用が難しい端末は再資源化するなど、複数の方法で処理する計画となっていることが分かった。
第1期端末は3万2774台
豊橋市の「端末整備・更新計画」によると、第1期に整備され、更新対象となる端末は計3万2774台。
内訳は、
・iPad 2万2001台
・Windows端末 1万773台
となっている。
市は第1期端末を2021年2月に整備。2025年度中に新しい端末を整備し、2026年3月から各学校で使用できるようにする計画を示していた。
新たに整備する計画の端末は、児童生徒用2万8897台と予備機3091台の計3万1988台となっている。
古い端末、全部捨てるわけではない
では、約3万3000台の旧端末はどうなるのか。
市の計画では、処分方法を大きく分けている。
公共施設や福祉施設など地域で再利用する計画が2179台。
残る端末については、小型家電リサイクル法の認定事業者や資源有効利用促進法に基づく製造事業者を通じ、再使用・再資源化する計画だ。
つまり、端末更新=約3万3000台をそのまま廃棄する、というわけではない。
使用済みタブレット1万8504台、約6737万円で売却
2026年5月19日に行われた一般競争入札では、「不用品(使用済タブレット端末)売却」として1万8504台が対象となった。
落札者はリネットジャパンリサイクル株式会社。
落札額は税抜6124万8240円。
その後、市議会に提出された議案では、処分金額は税込6737万3064円とされた。
単純計算すると1台あたり約3641円となるが、これは売却総額を台数で割った参考値であり、個々の端末が一律3641円で評価されたという意味ではない。
基本は「再使用」
市が入札時に公表した質問への回答を見ると、この1万8504台については「再使用」が重要な条件になっている。
入札参加資格に関して市は、前年度に今回の処分台数を上回る処分実績を求め、その対象について、
「基本的には、リユース(再使用)台数のみの処分実績」
としている。
子どもたちが使い終えた端末でも、使用可能なものについては再び活用することを想定した売却だ。
ロック解除できない端末は「物理的破壊」
一方、すべての端末が再使用できるとは限らない。
MDMやアクティベーションロックなどが解除されていない端末について、市は基本的には解除済みの状態を想定している。
それでも解除されていない端末があった場合、市は回答書で「再使用が難しい状態の端末として物理的破壊をしてください」としている。
ただし、その台数によっては市側で解除できるか協議するとしている。
故障したiPadなど1万2297台は別ルート
さらに豊橋市は、別の「不用品(使用済Windows端末等・再資源化)売却」も実施している。
対象は、
・iPad第7世代 1764台
・dynabook K50 1万533台
の計1万2297台。
仕様書によると、GIGAスクール構想で整備された再資源化可能なWindows端末と、通電できない、画面が割れている、破損しているなどの故障したタブレット端末が対象となっている。
引き渡し場所は市立中学校20校と教育会館の計21カ所。
落札者は吉良開発株式会社で、落札額は税抜451万2060円だった。
子どものデータはどうする?
学校で使用していた端末だけに、保護者として気になるのがデータの扱いだ。
この再資源化契約では、市は文部科学省の教育情報セキュリティポリシーに基づき、買受人に対して「破壊によるデータ消去」を要求している。
さらに、処理した端末について、
・端末ごとの個体番号
・消去方法
・消去完了日時
・作業者名
などを記録した「データ消去完了証明書」を市の教育会館へ提出することも条件としている。
単に業者へ端末を引き渡して終わりではなく、端末単位でデータ消去の記録を残す仕組みだ。
また、市の端末整備・更新計画では、地域で再利用する端末については自治体職員がデータを消去し、再資源化する端末については処分事業者へデータ消去を委託する方針が示されている。
2179台は地域で再利用する計画
もう一つ注目されるのが、業者へ引き渡さない端末だ。
市の計画では、第1期端末のうち2179台について、公共施設や福祉施設など地域で再利用するとしている。
内訳はWindows端末355台、iPad1824台。
子どもたちが学校で使った端末の一部が、今度は地域の公共サービスなどで活用される計画ということになる。
一方、具体的にどの施設へ何台配置されたのか、計画通り2179台すべてが再利用されたのかについては、実績を確認する必要がある。
「配った後」まで見るGIGAスクール
GIGAスクール構想では「児童生徒1人1台」の端末整備が大きく注目された。
しかし、端末は永久に使えるわけではない。
更新時には数万台規模の機器が一度に役目を終え、その後のリユース、再資源化、データ消去までが行政の仕事になる。
豊橋市では、第1期端末3万2774台の更新を進める一方、新たに3万1988台を整備する計画を示している。
子どもたちが毎日の授業で使った端末が、役目を終えた後にどこへ行き、どのようにデータを消去し、再利用されるのか。
週刊TAKAPIでは今後、地域再利用を予定している2179台の実際の配備先や、新端末の整備状況についても確認していく。
Q&A
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