兵庫県小野市は9月21日、市民の氏名や住所、介護保険料額などが記載された「介護保険料訪問徴収一覧」を紛失したと発表した。
紛失したのはA4判5枚、計47人分。このうち15人分が記載された2枚は見つかったが、32人分が記載された残る3枚は21日までに発見されていない。
市によると、介護保険料の徴収を担当する70代の男性専門員2人が、公用車の屋根に書類を置いたまま発進したことが原因とみられている。
市職員ら約20人が走行経路を捜索したが見つからず、市は県警小野署に届け出た。
19日夕方、公用車の屋根に書類を置いたまま発進
市によると、書類を紛失したのは19日。
介護保険料の徴収専門員として勤務する70代男性2人が、訪問徴収のため公用車で市内を回っていた。
午後6時から同6時40分ごろまでの間、訪問先から次の訪問先へ移動した後、持っていた介護保険料の訪問徴収一覧がないことに気付いたという。
市は、専門員が公用車の屋根の上に書類を置いたまま発進したことで、走行中に落下したとみている。
5枚47人分 15人分は発見、32人分が見つからず
紛失した訪問徴収一覧はA4判5枚で、47人分の個人情報が記載されていた。
その後の捜索で15人分の書類は発見された。
一方、残る3枚、32人分については21日時点でも見つかっていない。
書類には、
- 被保険者番号
- 氏名
- 住所
- 賦課年度と納期数
- 介護保険料額
が記載されていた。
介護保険料は市町村が運営主体となって徴収する仕組みで、小野市では市民福祉部高齢介護課が介護保険業務を所管している。市公式サイトでも、第1号被保険者の介護保険料や納付方法について案内している。
市職員ら約20人が住吉町―久保木町を捜索
市は紛失が判明した後、職員ら約20人で書類を捜索した。
対象となったのは、公用車が走行した小野市住吉町から久保木町にかけての道路上。
21日まで捜索を続けたものの、32人分の3枚は発見できなかった。
市は県警小野署にも紛失を届け出ている。
「第三者に流出した事実」は確認されず
市は21日の発表時点で、紛失した個人情報が第三者に流出した事実は確認されていないとしている。
ここで注意が必要なのは、「流出が確認されていない」ことと「書類が第三者の手に渡っていないことが確認された」ことは同じではない点だ。
32人分の書類そのものが未発見である以上、現在確認できるのは、個人情報の不正利用や二次被害などが把握されていないという段階になる。
市長「管理体制を見直し、再発防止に努める」
蓬萊務市長は今回の紛失について、
「関係者や市民の皆さまにご心配とご迷惑をおかけし、深くおわびします」
と謝罪した。
その上で、事案を重く受け止め、管理体制を見直して再発防止に努めるとしている。
一方、市の発表からは、対象となった32人への個別連絡がどこまで完了しているのか、訪問徴収一覧のコピーやデータが別に保存されているのか、今後どのような書類管理手順へ変更するのかといった具体的な点は明らかになっていない。
問われる「持ち出し時の管理」
今回の紛失原因として市が説明しているのは、システム障害や外部からの不正アクセスではなく、紙の個人情報書類を公用車の屋根に置いたまま発進したという取り扱い上のミスだ。
訪問徴収では、市民の氏名や住所だけでなく、被保険者番号や保険料額を記載した一覧を庁外へ持ち出すことになる。
そのため再発防止では、「注意する」という対応だけでなく、庁外へ持ち出す書類の最小化、携行方法、車両乗降時の確認、紛失時のチェック手順などを具体的にどう改めるかが確認点となる。
現時点では、市が再発防止策の具体的内容をどこまで決めたのかは公表されていない。
編集部まとめ
32人分の訪問徴収一覧が未発見のままである以上、焦点は書類の捜索だけではない。
市が対象者への説明と二次被害の確認をどのように進めるのか、また個人情報を庁外へ持ち出す際の管理方法を具体的にどう改めるのかが今後の確認点となる。
週刊TAKAPI編集部/一条
特記事項
本稿は2026年9月21日に小野市が発表した内容を基に構成しています。
紛失した訪問徴収一覧はA4判5枚、47人分で、このうち15人分は発見され、32人分が記載された3枚が未発見とされています。
書類には被保険者番号、氏名、住所、賦課年度・納期数、保険料額が記載されていました。
市は個人情報が第三者へ流出した事実は現時点で確認されていないとしていますが、未発見の書類が第三者の手に渡っていないことまで確認されたという意味ではありません。
対象者への個別連絡の進捗、書類のコピー・バックアップの有無、具体的な再発防止策については、現段階の発表では明らかになっていません。

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