「焼肉きんぐ」などを展開する物語コーポレーションで発生した不正アクセスによる個人情報漏えい問題をめぐり、週刊TAKAPI編集部は同社に対し、侵入経路や被害把握の経緯、システムの管理体制、二次被害、関係機関への報告、他ブランドへの影響など10項目を取材した。
同社への取材で、2026年10月3日(金)19時の段階で事案を把握していたことが分かった。
問題となったサーバーについては、物語コーポレーションが所有し、保守・運用を外部に委託しているという。
また、同社は10月5日に個人情報保護委員会へ速報を提出し、10月6日には警察へ今回の案件に関する情報を届け出たことも明らかにした。
一方、不正アクセスが始まった具体的な日時や侵入経路、成立した原因については、現在も調査中として回答を差し控えた。
物語コーポレーション「10月3日19時の段階で把握」
週刊TAKAPI編集部は、不正アクセスがいつ始まり、同社がいつ事案を把握したのかを尋ねた。
物語コーポレーションは、不正アクセスが開始された日時については「回答を差し控えさせていただきます」とした一方、「当社は2026年10月3日(金)19時の段階で事案を把握しております」と回答した。
不正アクセスそのものの開始日時は明らかになっていない。このため、第三者がいつからシステムへアクセスしていたのか、どの程度の期間にわたってアクセス可能な状態だったのかについては、現時点では確認できない。
漏えい件数は「現在判明している件数」 今後増減する可能性
公表された個人情報の漏えい件数について、週刊TAKAPI編集部は「現時点で確定した件数なのか」と確認した。
同社は、
「現在判明している件数となります。今後調査によって増減が生じた場合は、速やかにお知らせいたします」
と回答した。
つまり、現在公表されている漏えい件数は調査時点で判明している数字であり、今後の調査によって変動する可能性がある。
大規模な情報漏えいとなっているだけに、今後公表される調査結果が重要になる。
対象サーバーは物語コーポレーション所有 保守・運用は外部委託
今回の取材で明らかになったポイントの一つが、問題となったサーバーの管理体制だ。
週刊TAKAPI編集部が、物語コーポレーションが直接管理するシステムなのか、それともアプリ開発・運用などを担う外部事業者のシステムなのか尋ねたところ、同社は、
「当社が所有し、保守運用を外部に委託しているサーバーです」
と回答した。
サーバー自体は物語コーポレーションが所有し、その保守・運用業務について外部事業者へ委託していたことになる。
ただし、外部委託が今回の不正アクセスの原因だったことを示す回答ではない。
侵入経路などの詳細が判明していない段階で、委託先の責任や不正アクセスとの因果関係を判断することはできない。
なぜ大量の会員情報へアクセスできたのか
今回の問題で大きな焦点となるのが、なぜ広範囲の会員情報へ第三者がアクセスできたのかという点だ。
週刊TAKAPI編集部は、不正アクセスに利用された侵入経路やシステム上の脆弱性、広範囲の個人情報へアクセスできた原因について質問した。
物語コーポレーションは、
「現在、不正アクセスが成立した要因やシステムへの影響について、開発会社・関係会社と連携して詳細な調査を進めております」
と説明。
現時点では具体的な内容について回答を差し控えた。
このため、攻撃者がどこから侵入したのか、どのような脆弱性などが悪用されたのか、なぜ広範囲の情報へアクセスできたのかという核心部分は明らかになっていない。
フィッシング・なりすましなど「二次被害は確認されていない」
情報漏えい後に警戒する必要があるのが、流出した個人情報を利用した二次被害だ。
週刊TAKAPI編集部は、フィッシング詐欺や迷惑メール、なりすましなどの被害が確認されているか尋ねた。
物語コーポレーションは、
「現時点で、本件に起因する具体的な不正利用等の二次被害は確認されておりません」
と回答した。
少なくとも取材時点では、今回の情報漏えいを原因とする具体的な不正利用は確認されていないという。
ただし、情報漏えいから時間が経過した後に不審なメールなどが送られる可能性も否定できないため、利用者側でも継続的な警戒が必要になる。
全アプリ会員へプッシュ通知
情報漏えいの対象となった利用者への通知についても確認した。
同社によると、10月5日(月)17時時点で、全アプリ会員に対してアプリのプッシュ配信を実施したという。
今回の事案について、アプリを通じて会員へ周知する対応を取った形だ。
個人情報保護委員会へ速報 警察にも届け出
関係機関への報告状況についても新たに確認できた。
物語コーポレーションによると、10月5日に個人情報保護委員会へ速報を提出した。
さらに、10月6日には警察へ今回の案件に関する情報を届け出たという。
警察に対しては「随時必要な相談を実施しております」と説明している。
今後の調査によって不正アクセスの手法や影響範囲などが判明すれば、追加対応が行われる可能性もある。
