愛知県岡崎市は10月14日、名古屋市中区の川北電気工業株式会社に対し、1か月間の競争入札参加停止措置を決定したと発表した。
原因となったのは、2025年8月25日に大府市で発生した感電死亡事故。空調機増設工事の見積もりに向けた現地調査中、分電盤内の電流を測定していた同社の作業員が感電し、死亡した。
事故を巡っては、会社と社員1人にそれぞれ30万円の罰金刑が確定。国土交通省中部地方整備局も、東海4県での民間電気工事に関する営業を3日間停止する処分を行っている。
大府市の空調機増設工事 受注前の現地調査で死亡事故
国土交通省の公表資料によると、川北電気工業は大府市内の空調機増設工事について、二次下請として受注の準備を進めていた。
2025年8月25日、見積もり前の現地調査で分電盤内の電流測定を行っていた作業員が、何らかの原因で通電部分に接触。感電して死亡した。
現場では、通電部分への接触による感電の危険があったにもかかわらず、絶縁措置や保護具の使用など、必要な危険防止措置が講じられていなかった。
事故は正式な工事の施工中ではなく、受注に向けた調査段階で起きていた。
会社は労働安全衛生法違反 社員には業務上過失致死も
半田簡易裁判所は2026年4月10日、川北電気工業に労働安全衛生法違反で罰金30万円、社員1人に同法違反と業務上過失致死で罰金30万円の略式命令を出した。
いずれも刑が確定している。
今回の事故では、感電を防ぐために必要な措置が取られていなかったことが問題となった。国土交通省中部地方整備局は、会社に対する刑事罰の確定などを踏まえ、建設業法に基づく監督処分を行った。
国が3日間の営業停止 東海4県の民間電気工事が対象
中部地方整備局は9月29日、川北電気工業に対し、建設業法第28条第3項に基づく営業停止処分を行った。
営業停止期間は10月14日から16日までの3日間。対象は愛知、岐阜、三重、静岡の4県における電気工事業の営業のうち、民間工事に関するものに限られる。
すべての事業を停止する処分ではなく、対象地域と営業範囲が限定されている。
また、大阪府は国による営業停止処分を受け、10月13日から11月12日までの1か月間、同社の入札参加を停止した。府の入札参加資格者一覧には、大阪支社が掲載されている。
岡崎市も1か月の入札参加停止 10月15日から適用
岡崎市は10月14日の入札参加者審査委員会で、今回の死亡事故について審議した。
市は、入札参加停止措置要領に定める「安全管理措置の不適切により生じた工事関係者事故」に該当すると判断し、同社の競争入札参加を停止することを決定した。
期間は10月15日から11月14日までの1か月間。
死亡事故が起きたのは岡崎市内ではなく、大府市内の工事現場だった。岡崎市が実施したのは、同市の競争入札に関する措置であり、国の営業停止処分とは異なる。
市の公表資料には、同社が受注済みの工事への具体的な影響や、事故後に会社が講じた再発防止策についての記載はない。
編集部まとめ
川北電気工業の作業員が2025年8月、大府市で空調機増設工事の見積もり前の調査中に感電死した事故を受け、岡崎市は同社に1か月間の入札参加停止措置を決定した。
事故では必要な感電防止措置が講じられておらず、会社と社員1人に各30万円の罰金刑が確定。国による3日間の営業停止に加え、岡崎市と大阪府でも入札参加停止措置が取られた。
週刊TAKAPI 編集部
特記事項
本記事は、岡崎市が2026年10月14日に公表した入札参加停止措置、国土交通省中部地方整備局の9月29日付監督処分、大阪府の10月14日付公表資料を照合して構成した。
事故の発生場所、刑事罰の内容と確定状況、国による営業停止の対象範囲、自治体による入札参加停止の期間を確認した。
事故現場は岡崎市ではなく大府市であり、それぞれの行政措置の法的性質と対象を区別して記載した。
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