18日投開票の横浜市長選挙で、無所属新人の弁護士・原沢敦美氏(59)が55万2,207票を獲得し、初当選した。職員へのパワーハラスメント問題で辞職し、出直し選挙に臨んだ山中竹春前市長(54)は19万9,746票で3位となり、返り咲きはならなかった。
横浜市選挙管理委員会の確定結果によると、2位は23万418票を獲得した福山敦士氏(37)。原沢氏は2位に32万1,789票の差をつけた。投票率は45.56%で、前回を3.92ポイント上回った。
原沢敦美氏が初当選 航空整備士から弁護士、横浜市長へ
原沢氏は慶應義塾大学大学院を修了後、1992年に日本航空へ入社。整備部門で約12年間勤務した後、早稲田大学法科大学院で学び、2009年に弁護士登録した。
女性として国内2人目となる一等航空整備士の資格を持ち、企業の社外取締役や監査役なども務めてきた。今回が初めての市長選への挑戦だった。
選挙戦では自民党、日本維新の会、国民民主党の地方組織が推薦し、公明党市議団も支持。市役所の組織改革、子育て支援、防災、財政基盤の強化などを訴えた。
原沢氏は19日、公式サイトで当選を報告。55万票を超える支持への感謝を述べるとともに、自身を支持した人だけでなく、支持しなかった人の声にも耳を傾ける姿勢を示した。
新市長には、前市長のパワハラ問題で揺れた市役所の信頼回復も求められる。原沢氏は、ハラスメントを許さず、現場の職員の声が市長や幹部に届く組織づくりを公約に掲げている。
山中前市長「非常に厳しい判断」 敗戦後、職員にも謝罪
一方、出直し選挙で敗れた山中竹春前市長は18日夜、横浜市内の選挙事務所で支援者らに頭を下げた。
山中氏は選挙結果について「非常に厳しい判断が市民の皆様から下されました」と述べ、自身の力不足を認めて謝罪した。
職員への言動についても改めて謝罪し、約5年間の市政運営で進めてきた政策が、今後も引き継がれ、発展することへの期待を示した。
パワハラ問題に対する反省が有権者に伝わったかとの質問には、今回の選挙結果に表れていると受け止めていると説明。今後の政治活動については未定とした。
山中氏をめぐっては、2026年1月に市幹部が職員への不適切な言動などを告発。7月30日に公表された第三者調査報告書では、職員に対する重大なパワーハラスメントが認定された。
山中氏は8月に辞意を表明し、9月7日に辞職。その後、出直し選挙に立候補したが、得票率14.28%で3位にとどまった。
人口375万人、年間予算4兆円超 横浜市長が担う行政の規模
横浜市は、日本で最も人口の多い基礎自治体だ。
2026年10月1日現在の推計人口は375万3,462人。市内には18の行政区があり、人口規模は多くの県を上回る。
2026年度の一般会計予算は2兆933億円。特別会計や公営企業会計を含めた全会計では4兆700億円に達する。
市長は、これだけの規模を持つ自治体の行政運営を統括する立場にある。予算案の編成、政策立案、職員の人事管理などに責任を持ち、その判断は数百万人の市民生活や地域経済に関わる。
原沢氏は20日に初登庁する予定で、新体制の始動に向けた準備が進む。
2027年に開催される国際園芸博覧会「GREEN×EXPO 2027」をはじめ、子育て支援、防災、都市整備、財政運営などの課題を引き継ぐことになる。
編集部まとめ
横浜市長選挙は、原沢敦美氏が55万2,207票で初当選し、パワハラ問題によって辞職した山中竹春前市長は3位に終わった。
山中氏は敗戦後、市民の厳しい判断を受け止め、職員や支援者らに謝罪。原沢氏は幅広い市民の声に耳を傾ける姿勢を示した。
人口約375万人、全会計予算約4兆700億円の横浜市。新市長には、行政組織の信頼回復とともに、大都市の行政運営を担う責任がある。
週刊TAKAPI 編集部/一条
特記事項
本記事は、2026年10月19日時点で確認された選挙結果、候補者の発言および横浜市の公表資料を基に構成しています。
得票数と投票率は横浜市選挙管理委員会の確定値です。人口は2026年10月1日現在の推計人口、予算額は2026年度の数値を使用しています。
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