泉ピン子さんを映画制作会社が提訴 観客に「ババア」発言、登壇者が土下座する騒動も 舞台挨拶で何が起きたのか

映画『AYUMI』『養父』の舞台挨拶を巡り、俳優の泉ピン子さん(79)が映画制作会社から損害賠償を求める訴訟を起こされた。制作会社のHumanPictures(東京都、代表・寺西一浩氏)が11月2日、東京地方裁判所に提訴したと発表した。

問題となったのは、10月23日に都内で開催された両作品のジャパンプレミアでの出来事だ。同社は、泉さんが観客に対して「ババア」などと発言したほか、舞台挨拶への登壇を巡るやり取りの中で、別の登壇者が土下座する事態に至ったと主張している。

制作会社側は一連の言動をパワーハラスメントに当たり得る重大な問題と位置付け、法的措置に踏み切った。ただし、現時点でこれらは主に制作会社側の説明に基づくものであり、泉さんの法的責任が認められたわけではない。

観客に「ババア」発言か 制作会社が問題視した舞台挨拶

HumanPicturesの公表内容によると、問題の舞台挨拶では、泉さんがチケットを購入して来場した観客に対し、「ババア」などと発言したという。

同社は、作品を応援するために足を運んだ観客の尊厳を傷つける発言だとして問題視している。

さらに、舞台挨拶への登壇を巡っても、泉さんが「帰る」「出ない」「一緒に並ばない」「私は大ベテランなのよ」などと発言したと説明。その過程で、登壇者の一人が最終的に土下座する事態になったと主張した。

一方、土下座に至るまでの具体的なやり取りや、当事者間でどのような事情があったのかについては、なお確認が必要だ。

同社は、こうした言動が関係者に心理的な圧力を与えるものであり、パワーハラスメントに当たり得ると受け止めている。

目撃者から陳述書も 制作会社に抗議や意見が寄せられる

騒動後、HumanPicturesには、会場にいた観客やメディア関係者などから、泉さんの言動に対する抗議や意見が多数寄せられたという。

さらに、当日の状況を目撃した複数の人物から、出来事の経緯を記した陳述書も寄せられたとしている。

同社は関係者への聞き取りや当日の記録を確認し、専門家を交えて対応を協議したと説明。単なる出演者間のトラブルとして処理すべきではないと判断したという。

ただし、陳述書の具体的な記載内容や、当日の映像などによって個々の言動がどこまで裏付けられているのかは、現段階では明らかになっていない。

マネージャーから謝罪も 泉さん本人からは謝罪・撤回なしと説明

制作会社側によると、騒動後、同社代表が泉さんの担当マネージャーに一連の言動について抗議したところ、マネージャーから謝罪の連絡があったという。

しかし同社は、11月2日時点で泉さん本人からの謝罪や発言の撤回はなく、業務代行会社からも正式な説明を受けていないと主張している。

もっとも、マネージャーによる謝罪が、制作会社側の主張する全ての事実を認めたことを意味するかどうかは不明だ。

泉さん側の具体的な反論や説明についても、11月3日午前の報道時点では確認されていない。

これまで共に映画制作 なぜ裁判に発展したのか

HumanPicturesは、映画監督の寺西一浩氏が代表を務める制作会社で、泉さんは今回の『AYUMI』『養父』の両作品に出演している。

同社は、これまでも泉さんを起用し、共に作品制作に取り組んできた関係にあると説明している。

その関係にありながら、今回、制作会社は出演者を相手に損害賠償請求訴訟を起こすという判断に至った。

同社は、作品だけでなく出演者やスタッフ、観客の尊厳を守る必要があるとして、今回の法的措置を説明している。

一方、訴訟で具体的にどのような損害が主張されているのか、請求額はいくらなのか、個々の言動と損害の因果関係をどのように立証するのかについては、確認できていない。

問われるのは発言の有無だけではない 司法判断の焦点

今回の訴訟では、制作会社が問題視する発言や行為が実際にあったのか、その前後にどのような事情が存在したのかが重要となる。

仮に発言が事実であったとしても、それだけで直ちに損害賠償責任が成立するわけではない。具体的な請求原因に応じて、行為の違法性、損害の発生、因果関係などが争点となり得る。

また、制作会社が使用する「パワーハラスメント」という表現についても、同社の評価と裁判所による法的判断は区別する必要がある。

現段階では、制作会社側の主張が公表されている一方、泉さん側の説明や訴状の詳細は十分に明らかになっていない。

舞台挨拶で何が起きたのか。そして、なぜ長年作品制作に関わってきた関係者同士が裁判で争う事態に至ったのか。

今後の司法手続きでは、双方の主張と証拠を踏まえた事実関係の解明が待たれる。

週刊TAKAPIは、制作会社の公表内容と今後の司法手続きを注視し、当事者双方の説明を区別した上で続報を伝える。


記事更新日:2026年11月3日

担当記者:松本|週刊TAKAPI編集部

WEEKLY TAKAPI — OFFICIAL CONTACT

TAKAPI LEAKS

その情報が、社会を動かす。

情報提供・取材相談・記事の訂正や削除依頼を
全国から受け付けています。

◆ ご連絡内容は慎重に取り扱います

情報提供・各種お問い合わせ ↗

記事の訂正・削除依頼もこちらから