卓球の世界選手権団体戦「ITTF世界卓球選手権ファイナルズ・ロンドン大会」は5月10日、女子団体決勝が行われ、日本は中国にマッチカウント2-3で敗れた。
日本は1971年名古屋大会以来、55年ぶりの世界一を目指したが、あと1勝に届かなかった。2014年大会から続く銀メダルは、これで6大会連続となった。
100周年記念大会の決勝で、日本は王者・中国を土俵際まで追い詰めた。
第1試合では、17歳の張本美和が王曼昱を3-2で破り、日本が先制した。第2試合で早田ひなが孫穎莎に0-3で敗れたものの、第3試合では橋本帆乃香が蒯曼を3-1で下し、日本は2-1とリードした。金メダルまで、あと1勝だった。
しかし、中国は終盤で崩れなかった。第4試合で張本が孫穎莎に0-3で敗れ、勝負は最終第5試合へ。早田は王曼昱に挑んだが、0-3で敗戦。日本は目前まで迫った世界一をつかみ切れなかった。
最大の見せ場は、第1試合の張本だった。
王曼昱は中国女子を支える主力の一人。張本にとっても簡単に超えられる相手ではなかった。それでも張本は、序盤から下がらなかった。前陣でテンポを上げ、バックハンドでコースを突き、王の強打に押される前に先手を取った。
試合は最終ゲームまでもつれた。流れが中国に傾きかける場面もあったが、張本は最後まで打ち切った。17歳の勝利が、日本に大きな先制点をもたらした。
第2試合では、早田が世界トップの孫穎莎と対戦した。早田はラリーで粘り、フォアハンドで打開を狙ったが、孫の台上処理、コース取り、連続攻撃の精度が上回った。早田は0-3で敗れ、試合は1-1に戻った。
そこで日本を再び前に出したのが橋本だった。
第3試合、橋本は蒯曼を相手に、深いカットと回転量で相手の強打を封じた。守るだけではなかった。甘くなった球には素早く攻撃へ転じ、蒯曼に連続攻撃の形を作らせなかった。緩急、粘り、攻撃への切り替え。橋本は自分の卓球を最後まで通し、3-1で勝利した。
この時点で日本は2-1。55年ぶりの世界一は、現実の距離まで近づいていた。
だが、中国は最後の2試合で王者の力を見せた。第4試合の孫穎莎は、張本にほとんど流れを渡さなかった。第1試合で王曼昱を破った張本の勢いを、鋭い台上処理と速い両ハンドで止めた。
最終第5試合では、王曼昱が早田を上回った。早田は最後まで攻める姿勢を見せたが、王の球威、コース、戻りの速さに主導権を握られた。日本は2点を奪いながら、最後の1点を取り切れなかった。
日本は準決勝でドイツを3-0で破り、6大会連続の日中決勝へ進んでいた。張本、早田、橋本による布陣は、攻撃力、経験、守備力を備えたチームとして大会を通じて安定した戦いを見せた。
特に、張本が決勝の第1試合で中国の主力を破った意味は大きい。中国相手の団体決勝で先制点を奪ったことは、日本女子卓球が次の段階へ進んでいる証明でもある。
一方で、世界一との差もはっきりした。
日本は中国から2勝を奪った。だが、中国は2-1で追い込まれても、孫穎莎と王曼昱で第4、第5試合を取り切った。中国は7連覇、通算24回目の女子団体世界一。終盤で勝ち切る力が、銀メダルと金メダルを分けた。
それでも、日本の敗戦は後退ではない。張本が王曼昱に勝ち、橋本が蒯曼を破った。この2勝は、今後の対中国戦に向けた大きな材料になる。
55年ぶりの世界一には届かなかった。だが、ロンドンの決勝で日本が中国から奪った2勝は、次の大会へつながる確かな結果だった。
日本女子卓球の課題は、もう中国に「迫る」ことではない。
最後の1点を、中国から奪い切ることだ。
画像引用:Rallys(ラリーズ)掲載記事より/写真提供:WTT

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