名古屋市内の学習塾で、12歳の女子児童の下着をスマートフォンで撮影しようとしたとして、アルバイト講師の52歳の男が逮捕された。子どもが勉強するために通う場所で起きた事件に、保護者の間で不安が広がっている。
性的姿態撮影等処罰法違反未遂の疑いで逮捕されたのは、愛知県一宮市に住むアルバイト塾講師、鈴木勝博容疑者(52)。警察によると、鈴木容疑者は5月21日午後8時すぎ、名古屋市内の勤務先の学習塾で、スマートフォンを使い、12歳の女子児童の下着を撮影しようとした疑いが持たれている。
鈴木容疑者は容疑を認め、「女性の下着に興味があった」と話しているという。事件は女子児童の保護者が警察に相談したことで発覚した。警察は当時の状況や余罪の有無を含め、詳しい経緯を調べている。
学習塾は、学校とは違い、夜間に子どもが通うことも多い。個別指導では講師と児童・生徒の距離が近くなる場面もある。保護者にとっては「勉強を任せる場所」であると同時に、「子どもを預ける場所」でもある。今回の事件は、その前提を大きく揺さぶった。
背景には、子どもと接する職場での性被害防止をどう徹底するかという課題がある。政府は子どもと接する職場での性暴力を防ぐため、学校、保育所、認定こども園、学習塾、スポーツクラブなどを対象に、性犯罪歴の確認を含む新制度の整備を進めている。いわゆる「日本版DBS」と呼ばれる仕組みで、子どもと接する業務に就く人の適格性確認が重要な論点となっている。
ただし、制度の開始を待つだけでは不十分だ。塾側には、採用時の身元確認、勤務中のスマートフォン使用ルール、教室内の死角対策、防犯カメラの設置、保護者への相談窓口の明示など、すぐに見直せる対策がある。
特にアルバイト講師や非常勤講師が多い塾では、採用時の面接だけでなく、勤務開始後の研修や日常的な管理が欠かせない。子どもと1対1になる場面を減らす、教室の扉を完全に閉め切らない、講師の私物スマートフォンを授業中に使わせないといった具体策も必要になる。
今回の事件は、1人の講師による容疑にとどまらない。保護者が塾に求めているのは、成績向上だけではない。子どもを安全に帰宅させること、教室内で不安を感じさせないこと、異変があればすぐに外部へつながる体制を用意することも、塾の責任に含まれる。
子どもにとって塾は、学校の外にある学びの場だ。保護者にとっては、信頼して送り出す場所でもある。今回の名古屋の事件を受け、塾業界には、講師任せにしない管理体制と、保護者に見える安全対策が問われている。
Q. 名古屋の学習塾で何が起きたのですか。
A. 12歳の女子児童の下着をスマートフォンで撮影しようとしたとして、52歳のアルバイト塾講師が性的姿態撮影等処罰法違反未遂の疑いで逮捕されました。
Q. なぜ学習塾の安全対策が問われているのですか。
A. 学習塾は夜間に子どもが通うことが多く、講師と児童・生徒の距離が近くなる場面もあります。採用確認、スマートフォン管理、防犯カメラ、相談窓口などを具体的に整える必要があります。
Q. 日本版DBSは学習塾にも関係しますか。
A. 関係します。2026年12月施行予定のこども性暴力防止法では、学習塾など子どもと接する民間事業者にも、性被害防止に向けた対応が求められます。

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