走行中の大型トラックから飲料容器やごみが投げ捨てられたとされる動画がSNSで拡散し、波紋が広がっている。
問題となっているのは、愛知県小牧市多気中町の有限会社エヌ・オー通産の青色大型トラックとみられる車両だ。動画には、黄色い飲料容器や白い袋状のごみが道路上へ投棄される様子が映っており、後続車への危険性や運送会社の管理体制を疑問視する声が相次いでいる。
あしたの経済新聞との共同取材に対し、エヌ・オー通産は動画に映る車両が自社車両であり、運転手も自社所属であることを認めた。
同社は
「ご迷惑をおかけした方には大変申し訳ありません。被害があれば弁償します」
と謝罪したうえで、今後運転手への聞き取りを実施すると説明している。
ただし、取材時点では聞き取りはまだ行われておらず、社内処分や再教育、再発防止策についても具体的な内容は明らかになっていない。
愛知県トラック協会も把握 改善求める方針
当社はあしたの経済新聞と6月5日、一般社団法人愛知県トラック協会にも取材を行った。
協会によると、エヌ・オー通産は協会加盟事業者であり、今回の問題についても把握しているという。
協会側は、日頃から会員事業者に対しマナー向上や安全運転について注意喚起を続けていると説明。そのうえで、
「こうした事案が起きてしまうのは悲しい」
とコメントした。
また、周知や指導を繰り返しても同様の行為が発生する背景については、最終的には運転者個人の意識や資質による部分が大きいとの認識も示した。
協会は今後、エヌ・オー通産に対し改善を求める注意喚起を行う方針だという。
業界団体に処分権限なし 見えてきた構造的課題
一方で、今回の取材では業界団体が抱える限界も浮き彫りになった。
愛知県トラック協会には会員事業者を処分する権限はなく、実施できるのは注意喚起や改善要請にとどまる。
つまり、最終的な処分や再教育、再発防止策の策定と実行は事業者自身に委ねられている。
運送業界では近年、ドライブレコーダーの普及やSNSの拡散力により、運転中の危険行為や迷惑行為が可視化されやすくなった。
しかし、問題発覚後の対応が企業任せになっている現状で、再発防止の実効性をどこまで担保できるのかという課題も残る。
単なるポイ捨てでは済まされない可能性
道路上へのごみの投棄は、単なるマナー違反ではない。
道路交通法第76条では、道路上への物件投棄が禁止されており、違反した場合は罰則の対象となる可能性がある。
また、状況によっては廃棄物処理法上の問題に発展することも考えられる。
さらに今回のケースでは、飲料容器内の液体が後続車へ飛散したとされており、交通事故やトラブルにつながる危険性も指摘されている。
今後の焦点
今回、エヌ・オー通産は車両と運転手が自社所属であることを認め、謝罪と弁償の意向を示した。
しかし、問題の本質はここからだ。
運転手本人への聞き取り結果はどうなるのか。
会社はどのような処分や再教育を行うのか。
全社的な安全指導は実施されるのか。
そして、業界全体として同様の問題を防ぐ仕組みを構築できるのか。
SNS上の炎上だけで終わらせるのではなく、再発防止につながる具体的な対応が求められている。
当社編集部とあしたの経済新聞編集部では、愛知県トラック協会の対応やエヌ・オー通産の追加説明について、引き続き取材を続ける。
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