
医療機関における情報管理のあり方が、改めて問われている。
埼玉医科大学病院で、院内撮影が禁止されているにもかかわらず、院内で撮影されたとみられる画像がSNSに投稿されていた問題について、同院は事実関係を認めたうえで「厳重注意」とする対応を取った。
しかし、この判断をめぐり「処分が軽すぎるのではないか」との声が広がっている。
■ 明確に禁止されていた「院内撮影」
埼玉医科大学病院では、患者や職員の個人情報保護の観点から、敷地内および建物内での無許可の写真・動画撮影、録音を明確に禁止している。
さらに、仮に許可を得た場合であっても、SNSなどへの無断投稿は認められていない。
こうしたルールが存在する中で、今回問題となった投稿では、院内で撮影されたとみられる画像が公開されていた。
画像には書類などが写り込んでおり、内容次第では業務情報や個人情報が第三者から確認できる可能性も指摘されている。
■ 病院側「周知不十分だった」一方で処分は…
病院側は今回の件について、懲戒処分ではなく「厳重注意」とする対応を選択した。
その理由として、院内ルールの周知が十分でなかった可能性があるとの認識を示している。
また、問題の画像については、写り込みが確認された場合には削除要請を行うとしつつも、「個人アカウントの管理まではできない」との立場も明らかにした。
一方で、内容や影響の程度によっては、今後処分の対象となる可能性もあるとしている。
■ 医療機関ならではの「重い責任」
医療機関は、極めてセンシティブな個人情報を扱う現場だ。
そのため、勤務中と受け取られる状況でのSNS投稿についても、一般企業以上に慎重な対応が求められる。
病院側も、職員に対してガイドラインに沿った行動の徹底を求めていると説明しているが、今回の事案はその実効性に疑問を投げかける形となった。
■ 看護協会も指摘する「守秘義務」
公益社団法人日本看護協会は本紙の取材に対し、看護師には業務上知り得た情報について守秘義務が課されていると明言。
個人情報の適切な取り扱いは、職業倫理の根幹であると強調している。
■ 「甘い処分ではないか」広がる疑問
あしたの経済新聞の報道によると、今回の対応については「甘いのではないか」との指摘も出ている。
院内撮影禁止という明確なルールがある中での違反行為であり、さらに情報漏えいにつながる可能性がある内容であった点を踏まえると、「厳重注意」で済ませた判断は妥当だったのかという疑問が残る。
■ 問われるのは“再発防止の本気度”
今回の問題は、単なる個人のモラルの問題にとどまらない。
ルールの周知が不十分だったとするならば、それは組織としての管理体制の課題でもある。
再発防止に向けて、
・具体的なSNS利用ルールの再教育
・チェック体制の強化
・違反時の処分基準の明確化
こうした対応がどこまで徹底されるのか。
“厳重注意どまり”という判断が、結果として同様の事案を招くことにならないか 今後の対応が注視される。

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