名門・中京大水泳部で未成年飲酒7人 悪ふざけから暴力も、大学日本一を争う強豪が活動停止

日本代表クラスの選手を送り出し、学生競泳の頂点を争ってきた中京大学水泳部で、不適切事案が明らかになりました。

中京大学は、水泳部員による20歳未満の飲酒と部員間の暴力行為が判明したとして、関係した部員を活動停止にしました。大学は日本水泳連盟と日本水泳連盟学生委員会にも事案を報告しており、今後、事実関係を踏まえて処分を検討するとしています。

中京大水泳部は、大学競泳界で長く存在感を示してきた有力校です。インカレなど学生水泳の主要大会で上位を争い、現役選手や卒業生から日本代表クラスの選手を輩出してきました。そうした部で起きた飲酒と暴力だけに、競技関係者や応援してきた人たちに与える衝撃は小さくありません。

大学の発表によると、事案が起きたのは4月25日です。水泳部員の有志20人が懇親会を開き、その場で20歳未満の学生7人が飲酒していたことが確認されました。

問題は、その場だけでは終わりませんでした。

懇親会の終了後、参加していた複数の部員が、会に参加していなかった1人の部員に対して、揶揄や過度な悪ふざけを行ったとされています。これに相手部員が逆上し、暴力行為に及んだということです。

飲酒、揶揄、悪ふざけ、暴力。
一つひとつを切り離せば別の問題に見えますが、今回はそれらが同じ流れの中で起きています。ここに、部活動内の空気や人間関係の問題がにじみます。

20歳未満の飲酒は法に反する行為です。暴力も、理由があっても正当化されません。さらに、悪ふざけとして行われた言動が、相手にとっては屈辱や圧力になることがあります。体育会系の部活動では、仲間内の冗談や上下関係が外から見えにくくなることがあります。そこに酒が入り、場の判断が緩めば、問題は一気に大きくなります。

中京大学は、20歳未満の飲酒や暴力について、これまでも注意喚起を行ってきたと説明しています。それでも防げなかった点は重いものです。

注意喚起は、紙やメールで伝えただけでは十分ではありません。
20歳未満の部員が飲酒しそうになったとき、誰が止めるのか。懇親会の場で上級生や周囲の部員がどう振る舞うのか。悪ふざけが度を越したとき、場を収められる人間がいるのか。大学側の調査では、個人の処分だけでなく、部内で止める仕組みが機能していたのかも確認される必要があります。

学生スポーツの強豪校には、競技成績とは別の重圧があります。
勝つために練習量は増え、部内の序列も生まれやすくなります。大会に向けた緊張、レギュラー争い、遠征や合宿、寮やチーム内での距離の近さ。そうした環境は、選手を成長させる一方で、閉じた空気を作ることもあります。

だからこそ、強い部ほど、練習以外の時間に何が起きているかを軽く見てはいけません。

今回の事案で傷つくのは、当事者だけではありません。真面目に練習してきた他の部員、大会を目指してきた選手、支えてきた保護者、応援してきた卒業生にも影響が及びます。水泳はタイムで結果が出る競技ですが、部の信頼はタイムだけでは守れません。

近年、大学スポーツでは不適切行為の公表が相次いでいます。日体大男子バレー部をめぐっても、春季関東大学リーグ戦でスポーツパーソンシップに反する行為があったとして、実施済み6試合が没収試合となりました。競技は違っても、学生アスリートの自主性と大学側の管理責任をどう両立させるかという課題は共通しています。

もちろん、大学が学生生活のすべてを監視することはできません。学生スポーツには、自主性や仲間同士の信頼も欠かせません。

一方で、飲酒や暴力のように線を越える行為については、部員任せでは済みません。自由な活動を守るためには、越えてはいけない線を全員が共有し、誰かが止められる空気を作る必要があります。

中京大学は今後、関係部員への処分と再発防止策を検討することになります。焦点は、処分の重さだけではありません。

なぜ20歳未満の飲酒が起きたのか。
なぜ揶揄や悪ふざけが暴力に発展したのか。
その場にいた部員は、どこで止めることができたのか。
指導者や大学側は、部員の私的な集まりをどこまで把握できていたのか。

そこを検証しなければ、活動停止が明けても、根本的な再発防止にはつながりません。

学生競泳の有力校で起きた飲酒と暴力。
水の中で積み上げてきた実績が、プールの外の行動で揺らいでいます。

中京大水泳部が信頼を取り戻せるかどうかは、処分だけでなく、部内の空気をどこまで見直せるかにかかっています。

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